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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第6.0章:交国計画
816/875

【王よ、魔王よ】

■title:交国首都<白元>にて

■from:自称天才美少女史書官・ラプラス


バレット(ロッカ)君……!?」


「来る途中に落ちてたので拾っておきましたよ」


 ラフマ様に「真白の魔神絡みで面白い話がありますよ」と聞き、エノクに肩車してもらって移動していた道中、バレット様が転がってました。


 ぶっちゃけ放っておいても良かったのですが、エノクが勝手に拾ったので連れてきたのです。


 エノクは私を扉上の壁にぶつけつつ部屋に入り、バレット様をそっと引き渡しました。扱いの差!! 護衛対象と他人の扱いが逆でしょ。


 私がプンスカ地団駄ダンスを踊ってもエノクは無視し、ヴァイオレット様達と共にバレット様への処置を開始しました。部屋ではスアルタウ様も死にかけていましたが、エノクがまとめて処置しちゃいました。


「<雪の眼>は人道援助団体では無いんですけどねぇ」


「この2人が意識を取り戻せば、面白い証言が聞けるかもしれないぞ」


「うぅむ……。まあいいでしょう」


 エノクの行動を黙認し、空気を読んで大人しく待つ。


 待っていても、スアルタウ様もバレット様も意識が戻らない。


 というか、そもそも――。


「お二人とも、ここに魂があるんですか?」


「さあな。<ヤドリギ>を使って、どこかに憑依中なら意識は戻るまい」


「フェルグス君は……アル君は、私を連れて逃げてくれたんです。バレット君の方はわからないんですけど、アル君はここにいるはずです……!」


 ひとまず、バレット様の応急処置は完了。


 あくまで応急処置が終わっただけなので、依然として危うい状態ですが……エノクの見立てでは「何とかなる」との事。あくまで「バレット様の方は」ですが。


 スアルタウ様の方は、バレット様よりずっと厳しい状態みたいです。


 必死に命を繋げようとしているヴァイオレット様が額から汗を流しているので、それをハンカチで拭ってあげているとラフマ隊の副長さんが話しかけてきました。


「しかし、何で雪の眼がここに? 見物にでも来たか?」


「そんなところです」


 <エデン>のアラシア隊の皆さんに引っ付いて交国本土近海までやってきた後、エノクと一緒に交国本土で調査しようとしていたのです。


 もっとも、バフォメット様との連絡を取り次いだ後は「危険だから」と交国首都から締め出されていたのです。戦闘のどさくさに紛れて勝手に戻ってきましたが、まさかここまで酷い事になるとは!


「ともかく、<死司天>が力を貸してくれるなら希望が見えてきた……! これで今の真白の魔神相手でも対抗できる可能性が――」


「戦闘には参加しませんよ? ねえ、エノク」


 そう言うと、皆さん絶句しました。


 エノクも何か言いたげにしてますが、これは雪の眼の規則ですからね。


「雪の眼の仕事は歴史調査です。私達がせっせと戦闘に参加しちゃったら、私達が歴史を変えちゃうじゃないですか。そんなのダメですよ」


「そんなこと言ってる場合か……!? 状況わかってねえようだが、下手したら多次元世界(せかい)が真白の魔神に滅ぼされて終わるんだぞ!?」


「それは大事件ですね! 記録を残す甲斐があります」


「真白の魔神は絶対、お前らも滅ぼす。ここで参戦してくれないと、お前らの記録すら抹消されるんだぞ!? 雪の眼どころか<ビフロスト>も滅ぶぞ」


「それもまた歴史。仕方の無いことです」


 ラフマ隊の副長さんが言う事は正しいのでしょう。


 それだけ厳しい状況なのでしょう。大龍脈を守護してくれている<虚の魔神>様でも、下手したら敗れかねないほどの脅威が暴れているのでしょう。


 しかし、国家や文明が滅ぶのは自然なことです。興亡という山と谷があるからこそ、歴史は面白いのです。私達が滅んだところで、真白の魔神は新しい歴史を紡いでいくでしょう。


 彼の魔神にはそれだけの力があります。


「あの真白の魔神は、今代の<魔王>と呼ぶべき存在です」


 多次元世界の歴史を侵し、壊し、変える存在です。


「私はその活躍を記録したい」


「奴が勝てば、何も残らないかもしれない」


「素晴らしい。私は私の首が落ちる瞬間まで、記録を続けますよ。残した記録が消されようと、私が最後の最期まで筆を執った事実は消えませんからね」


「狂人め……」


「仮に……もし仮に、ですよ? サリエル閣下」


 何やら考え込んでいたラフマ様はそう前置きし、エノクに話しかけてきた。


 私ではなくエノクを説得する気ですかね。


「貴方が参戦した場合、真白の魔神に勝てますか?」


「難しいだろうな」


「おや珍しい。エノクがそこまで自信ないとは」


「今の真白の魔神には、ワタシの権能も通用しないだろう」


 真白の魔神がエノクの権能<ザラキエル>対策を用意していないとは考え難い。


 アザゼル様の権能を使って対策しているのは間違いない。それどころか、他の対策も用意しているかもしれない。


「権能無しでもお前達や機兵程度なら蹴散らせるが、圧倒的な物量をけしかけられたら長くは持たんだろう。アザゼルの権能を無力化し、なおかつ真白の魔神の半径30メートル以内に近づく事に成功したら殺す自信はあるが――」


「そもそも戦わせませんって。雪の眼(ウチ)との契約を忘れないでくださいよ」


「わかっている。お前を守るのが(・・・・・・・)今のワタシの仕事だ」


「ふむ……?」


 エノクは「契約は必ず守る」と言いましたが、ちょ~っと……含みがある様子でした。まあ……いいですけどねぇ。


 ともかくエノクを貸すつもりは無いので、真白の魔神とやり合うならそっちで好きにやってくださいな――と宣言しておく。


「私達はもうちょっと落ち着いた後、真白の魔神に直接取材でもしてきます。それまでに好きに戦ってきてくださいな」


「……虚の魔神も動かないの?」


「もちろん」


 今のところ、大龍脈での異変は報告されていない。


 現在、主に被害を受けているのはプレーローマです。


 交国計画を手に入れた真白の魔神は、数千の戦線を抱えても問題なく戦える力を持っていそうですが……まずはプレーローマに戦力を集中しているようです。


 人類連盟本部や、人連加盟国の要所なども制圧されていますが、あくまで要所を破壊しているだけ。人類側の戦力が直ぐ対応できないように要所だけ叩いて、先にプレーローマを滅ぼそうとしているのでしょう。


 そもそも、人類勢力側は交国計画の支配がプレーローマ以上に進んでいるようですからね。後回しでいいんでしょう。


「真白の魔神が大龍脈に攻め入れば、我らの王も動きますけどね。さすがの真白の魔神も、プレーローマ相手にしながら虚王の相手をしたくはないのでしょう」


「大龍脈に手出ししなければ動かない以上、後回しに出来るって事ね」


「そういう事です。ビフロストにも何も期待しないでください」


「使えない……。いや、でも、ビフロストは<龍脈通信>を管理してるでしょ?」


 ラフマ隊長は指を慣しつつ、その事に言及してきた。


「交国計画は複数の世界で戦力を展開しているけど、指揮しているのは実質、真白の魔神だけ。真白の魔神がここにいる以上、指示を出すのに異世界間ネットワークが必要でしょ。あの女、龍脈通信を使って指示を出しているんじゃないの?」


「ところがどっこい、そうではないようです」


 龍脈通信は一切悪用されていないようです。


 おそらく、交国計画は――異世界間の連絡のための――巨大ネットワーク網も一瞬で構築したのでしょう。


 念じるだけで一瞬で軍団を展開できる力を持っている以上、混沌の海に物理的な通信網を一瞬で配備する事も可能のはずです。もちろん、交国計画の端末となる人々の存在は必要不可欠でしょうけどね。


「ともかく交国計画は龍脈通信を利用していないようなので、ビフロストにかけあって龍脈通信を止めてもらっても弱体化は図れないはずです」


「…………」


 ビフロスト(われわれ)にそこそこ期待していたらしいラフマ隊長は、眉間を押さえながら舌打ちした。状況が状況だけに相当焦り、苛ついているようですね。


「……誰か妙案は? 丘崎獅真や混沌竜がまだ持ちこたえてくれているようだけど、彼らだけで真白の魔神に勝てるとは思えない」


「俺達も一時撤退せず、丘崎獅真と一緒に戦っていたら……」


「それで勝てたら苦労しないし、過ぎた事を言わないで」


「戦力を増やすのはどうだ」


 エノクがスアルタウ様への処置を進めつつ、そう口を挟んだ。


 ラフマ隊の副長様は「それが難しいからこうして唸ってんですよ」と返しました。


「閣下か史書官が援軍を紹介してくれるんですか? 交国本土あるいは近海にいて、都合良く助けに来てくれる丘崎獅真並みの戦力がいるんですか? ……まさか、<狐狼>の死に損ないか<火狩>が近くにいるとか……?」


「違う。もっと現実的なものがいるだろう。もう忘れたのか?」


 その言葉を聞いていたように、扉が派手に開――――。




■title:交国首都<白元>にて

■from:真白の魔神の使徒・パンドラ


「いたいたいた! 助けに来たよ! というか助けて!!」


 やっとラフマちゃん達を見つけた! オマケに<死司天>とヴィオラちゃんもいる!! これでも心許ないけどいないよりマシだ!!


 あたしが蹴り開けた扉と壁の間から、可愛らしい金髪幼女(ラプラス)も出てきた。かわいそうに、どこかで顔面を打ったのか顔を赤くし、むくれている。


「ラプちゃんじゃんお久し! 何でここにいるの? また出歯亀行為?」


「歴史調査ですよ、歴史調査」


「似たようなもんじゃん」


 まあラプちゃんはどうでもいいや。どうせこの子は手を貸してくれないでしょ。


 ラフマちゃん達も「真白の魔神倒さないとヤバい」と思っている様子だから、「改めて手を組まない?」と誘う。


「泥縄商事。あなた達、プレーローマ(わたしたち)に無断で好き勝手やっていたようだけど……今回は真白の魔神に加担していないのね?」


「過去の事は水に流してよ。確かにあたしは真白の魔神の使徒だけど、今回は敵対しているよ。今のところは命令で縛られていない」


 ただ、時間の問題だ。


 真白の魔神(メッフィー)無尽機(あたしたち)を手に入れようとするだろう。交国計画以外も手に入れて、自分の力を盤石のものにしたがるだろう。


「ここまでの脅威になったメッフィーは倒しておかないと、さすがにあたし達もマズい。死んでも馬車馬の如く働かされるか、サーバーから消されるかも。キミ達も彼女を倒さないとマズいでしょ? とりあえず手を組もうよ」


「…………」


「なにその嫌そうな顔!! キミ達がまだ見つかっていないのは、ウチの社員が命懸けで真白の魔神に対する攪乱作戦をやっているおかげなんだよ~?」


 向こうにはバフォメットがいる。


 交国計画と巫術の眼を合わせれば、キミ達も今頃見つかっているだろう。


 そうなっていないのはウチの社員達を交国首都に展開しているおかげだ。その事をありがた~く感謝してほしいところだね。


 ラフマちゃんは感謝の言葉は述べず、「わかった、手を組む」と言ってくれた。


「ただし、途中でこっちを裏切って交国計画を手に入れに走ったりしないでね」


「ソンナコトシナイヨー」


 その辺はお互い様でしょ、と誤魔化しておく。


 何にせよ、あたし達にはろくに選択肢がない。手を組むしかないんだよ。


「ただ、あたしはメッフィーに改造された時に統制戒言を仕込まれている。あの子から直接、命令(オーダー)出されたら自分の意志関係無く裏切っちゃうから」


「あなたのところの社員は?」


親機(あたし)が無事なら大丈夫……だと思う」


 何にせよ、あたし自身が真白の魔神に近づくのは危険だ。


 命令対策用の耳栓なりイヤホンをして、後方支援に徹さないと一瞬で寝返ってしまう。その対策も「絶対安全」とは言いがたいけどねー。


「泥縄商事の残存戦力は?」


「約40万人」


「<夜行(ナイトシフト)>は?」


「残り6人」


 そのうち1人を護衛として室外に待機させているので呼んで紹介しておく。


 装甲服を着込んだ夜行隊員が会釈だけして、直ぐに周辺警戒に戻っていった。今のところ社員による攪乱が上手くいっているけど、それもいつまで持つやら。


 泥縄商事(あたしたち)は数なら揃えられる。ただし、大半が戦闘員ではない。雑兵未満の存在だ。交国計画相手には数の優位すらなくなってしまった。


「残っている夜行は全員、機兵の操縦技能も持っている」


「機兵が敵の支配下に置かれている以上、あまり意味は――」


「あるさ。敵は全ての兵器を支配下に置いたわけじゃない」


 社員達に指示し、集めていた情報を開示する。


「交国首都では大規模な戦闘が発生していたでしょ」


「そうね。あなた達が暴れていたから」


「戦闘の影響で、交国首都には交国軍の兵器が結構入り込んでいた。けど……その全てが敵の制御下に置かれたわけじゃないんだよ」


 真白の魔神が交国計画を掌握した後も、まったく動いていない機兵もある。


 殆どが先の戦闘で破損し、退いていた機兵だけど……交国以外では「交国軍の機兵」だけど交国計画に動かされていないものもある。


「真白の魔神は人々を制御下に置いたけど、全ての兵器を制御下に置いたわけじゃない。交国計画の制御下にある人間で機兵を操作する事は可能だろうけど――」


「こちらで動かせる機兵も、確かに存在する」


「そゆこと★」


 指を慣らしつつ、「機兵の操縦技能は無駄にならないよ」と告げる。


 まだ敵に掌握されていない機兵の位置も記録済み。機兵の火器ではダメージは与えられないけど、真白の魔神の拘束なら役に立つはずだ。


「機兵を操縦できる夜行隊員も貸してあげるから、上手く使って――」


「そいつらは巫術を使えないでしょ?」


「そりゃそうだよ」


「向こうにはバフォメットもいるのよ? 奴の遠隔憑依にどう対抗するの?」


「そ…………そりゃあ、ヴィオラちゃんに対策をお願いするとか――」


「対策はあります。でも、いま直ぐ用意するのは無理です……!」


 ヴィオラちゃんにそう言われちゃった。


 対策に必要な装備をいま作るのは無理みたい。まあ、戦場のど真ん中だもんね。戦場のど真ん中に機兵一個師団を一瞬で展開できる向こうがインチキなだけだ。


 という事は、ウチの機兵乗りは役に立たないって事だね。どうしよ!?


「巫術師がもっといれば機兵も使い物になる。けど、巫術師以外はバフォメットに遠隔憑依を使われた時点で制圧される」


「ぬぅ~……」


「まあ、使える機兵の位置情報は助かる。何かに活用しましょう」


「そっちが出せる戦力は、ここにいるメンツだけ?」


「後方支援要員がもう1体いるだけ。あと、死司天閣下は雪の眼との契約に縛られているから戦力としては計算できない」


「ふ~む……」


 ラフマちゃんと話しつつ、この場にいるもう1人の真白の魔神の使徒を見る。


 この状況になってもあくまで中立の立場を守るつもりらしい。……最後までその立場を崩さないでくれればいいけど。


「……いま、新しい情報が入ってきた。交国領の<天泉>で惑星を覆う規模の構造体がほぼ一瞬で出現したみたい」


「なんて?」


「交国領の<天泉>で、惑星を覆う規模の構造体がほぼ一瞬で出現した」


 交国計画の製造能力はイカレてる。


 材料を混沌で補っているとしても、そこまで大規模な構造体を瞬時に作るなんて前代未聞だ。天泉には交国計画の支配下に置かれた者が――端末が大勢いるだろうから、それだけのモノも作れるって事なのかな。


「てか、天泉って武司天がほぼ制圧してなかった?」


「その武司天対策に惑星並みの兵器を出してきたんでしょうね。ただ、戦闘はまだまだ継続中。巨大構造体が一部吹き飛んだみたい」


「武司天ならそれぐらい破壊できるか……。ただ、武司天だけ強くてもなぁ」


 真白の魔神も武司天を速攻で仕留められるとは思っていないだろう。


 とりあえず足止め出来ればいいと考えているはずだ。最悪、倒せなくてもどこかの世界に封印してしまう魂胆かもしれない。


 武司天が交国本土まで飛んできてくれたら、この状況も覆る。けど……真白の魔神がそれを許してくれないだろうなぁ……。武司天以外にも交国計画に抗える猛者は一応いるけど、そいつらが都合良く交国本土近くにいるとは思えない。


「戦力に関しては……私の部下以外にも、交国本土にプレーローマ(ウチ)の工作員が数名いる。でも、連絡が取れない。交国計画に取り込まれているか、あるいはもうやられていると思う」


「となると……もうこの子に頼るしかないか」


 そのつもりで探していた人物は一応見つけた。ここにいた。


 残念ながら意識ないし、瀕死だけど。


「…………? スアルタウ君に期待しているの?」


「うん」


「意識を取り戻したらある程度の戦力になるだろうけど、期待するほど?」


「状況がクソすぎて、他に期待できるものがないんだよね~……」


 【占星術師】曰く、マクロイヒ兄弟は交国計画の障害になる存在。


 <予言の書(カンペ)>にそう記されていたほどの存在らしい。ただ、彼らはただの巫術師だ。大した戦力じゃない。


 弟の方は死んでしまった以上、片割れしか存在しないけど……もうこの子に期待するしかない。交国計画の障害たり得る力を持っているようには見えないけど、予言の書に書かれていたならこの子に期待するしかない。


 プレイヤー関連の詳細は伏せつつ、「今回の事件の裏で動いていた奴が、この子の事を警戒していたんだよね」と語る。


「スアルタウ君は、対交国計画の切り札になるかもしれない」


「具体的に、どんな形で? 巫術があれば勝てるの?」


「真白の魔神がバフォメットを従えている以上、巫術で勝つのは難しいと思うが……」


 そう、その通り。


 真白の魔神は統制戒言により、使徒・バフォメットを従えている。


 記憶も自我も消されたバフォメットは著しく戦闘能力が低下しているけど、真白の魔神なら上手く使うだろう。巫術で相手を上回るのは困難だ。


 巫術以外の要素で(・・・・・・・・)、この子が特別な事なんて――。


「――――」


「…………!? おい、お前、何するつもり――」


 銃を向ける。


 死にかけの男(スアルタウ)に銃を向け、引き金を――。





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