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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第4.0章:その大義に、正義はあるのか
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TIPS:竜国リンドルム



【TIPS:竜国リンドルム】

■概要

 人類文明だが、国家元首は人間ではなく竜が務めている。


 リンドルムの世界は様々な魔物の影響もあって緩やかに滅びを迎えようとしていたが、1人の少女が人語を解する竜と親交を結んだ事で滅びの運命をはね除け、リンドルムという国を作った。


 竜と人々が手を取り合ったことで魔物の脅威は退けられたが、<プレーローマ>が襲来した事で再び滅びの危機を迎える事となった。


 だが、2体の竜が奮戦し、さらには「源の魔神死亡」という大事件が起こった影響もあり、プレーローマは撤退。リンドルムは何とか命脈を繋ぐ事が出来た。


 リンドルムの竜と人々は、国どころか世界まで滅ぼしかけたプレーローマを重大な脅威と考え、再び対峙する時に備えて富国に励んだ。



■人類連盟加盟と脱退

 幸運にも恵まれたとはいえ、プレーローマを退けたリンドルムの話は異世界にも届き、別の人類文明がリンドルムと接触。リンドルムは異世界との交流を開始し、人類連盟にも加盟する事となった。


 リンドルムは多くの人類文明と違い、異世界への領土拡大は考えていなかった。プレーローマ等の脅威はあるものの、異世界侵略は「悪しき行い」と考えるだけの理性があった。


 人類連盟も異世界侵略を禁ずるルールを作っていたが、人連の強国は「プレーローマから保護するため」「文明化するため」などと言い訳を吐きながら侵略行為を繰り返していた。


 リンドルムの国家元首であるレンオアム王は、交国等の強国の横暴を真っ向から批判。人類連盟のルールが形骸化している事を指摘し、人類文明による人類文明圏への侵略行為をやめるように訴えた。


 レンオアム王は人連に加盟している他国と話し合い、一致団結して強国を止めるために動いていた。だが当然、強国はそれを良しとしなかった。


 強国はリンドルムや、リンドルムに呼応した国家や組織を経済的かつ政治的に攻め立て、訴えを取り下げるように圧力をかけた。


 リンドルムは強国の圧力に屈しなかったが、リンドルム以外の国や組織は次々と屈していった。


 さらにテロ組織(エデン)犯罪組織(ロレンス)との繋がりを突きつけられる事で、リンドルムは国際社会で孤立していった。


 人連の会議に出席したリンドルム代表のレンオアム王は、テロ組織(エデン)支援の疑いで拘束されかけた。が、レンオアム王はその場でリンドルムの人類連盟脱退を宣言しつつ、人連が差し向けてくる軍勢を蹴散らしながら帰国した。



■竜国と交国の戦争

 人連脱退後のリンドルムはさらに苛烈な妨害を受け、最終的に交国から宣戦布告される事となった。


 交国は4つの艦隊と7人の神器使いをリンドルムに差し向けた。リンドルムは必死に抵抗したが、混沌の海で交国の軍勢を止めきれず、界内への侵入を許してしまった。


 それでも何とかリンドルムは持ちこたえた。交国の増援として派遣された黒水守・石守睦月と、リンドルムのレンオアム王が大激戦を繰り広げ、辛くもレンオアム王が勝利した事で交国の最初のリンドルム侵攻は失敗に終わった。


 交国はプレーローマの動きを警戒する必要もあったため、リンドルム相手にその時以上の大軍勢は派遣出来なかった。しかし、その後も様々な妨害行為を行い、リンドルムを徹底的に孤立させ、苦しめていった。


 リンドルムはそれでも独立を守り続け、「超巨大軍事国家の交国が、リンドルム程度の小国に勝てなかった」という事実は、交国の支配基盤を僅かに揺るがせた。


 現在、交国とリンドルムは停戦し、平和条約締結に向けて協議を重ねている。最初の協議はビフロスト仲介の下、大龍脈で行われた。



■竜国とエデンの関係

 <エデン>はプレーローマだけではなく、人類連盟にも睨まれ、テロ組織として指定されている。


 しかし、リンドルムのレンオアム王はエデンの「弱者救済活動」に理解を示していた。カトーの姉であるニュクスがエデン総長を務める時代は、レンオアム王の独断でエデンへの支援が行われていた。


 エデンが保護した流民をリンドルムに引き取ってもらうこともあった。


 ただ、レンオアムは100%の善意でエデンを支援していたわけではない。


 エデンへの支援を通じて異世界の情報を取得し、エデンの手引きで――人類連盟基準では――不正な手段で混沌機関を手に入れることもあった。ただ、短期的な目線ではリンドルム側が損をする支援(とりひき)を重ねていた。


 エデンとリンドルムの取引は密かに行われていたが、人類連盟は両者の取引関係を突き止めた。強国に逆らうリンドルムを鬱陶しく考えていた人類連盟は、それを口実にリンドルムを糾弾し、レンオアム王を拘束しようとした。


 レンオアム王は人連の軍勢を蹴散らして帰国したため捕まらずに済んだが、リンドルムは「テロ支援国家」と非難されるようになり、大きな打撃を受けることになった。


 エデンとの繋がりが発覚してしまったことで、リンドルムが人類連盟の強国を糾弾していた件も有耶無耶になって終わることになった。


 この事件を境に、リンドルムとエデンは疎遠になっていった。そしてエデンはマーレハイト共和国でプレーローマの罠にかかり、壊滅的な打撃を受けて一時解散にまで追い込まれてしまった。


 カトーはかつて、レンオアム王のことを信じていた。


 レンオアム王が流民保護に力を貸してくれたことに恩義を感じていた。だからこそ、エデンの所為で窮地に立たされたリンドルムを救おうとしたが、彼は自身の行動を後悔することになった。




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