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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第4.0章:その大義に、正義はあるのか
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TIPS:大苦



【TIPS:大苦(オーク)

■概要

 オークの蔑称。近年では「差別的な意味合いが強い」として先進国ではあまり見かけなくなった言葉だが、後進国では広く使われている。


 このような呼称が定着した背景には、ブロセリアンド帝国の活動が強く影響している。プレーローマに支援されていたブロセリアンド帝国のオーク達は人類の文明圏を荒らし回ったため、多くの世界で恐れられていた。


 帝国のオーク達が好き放題やって去って行った後も、その子孫のオーク達が「大苦」として排斥されていった。排斥されたオーク達は現地住民と血を血で洗う闘争を繰り広げ、さらに「大苦」の恐怖を広めていった。



■交国とオーク

 交国はオークに対する様々な差別解決に取り組んでいる。異世界に派遣した自国のオークが恐れられると「交国の支配を広めづらい」という事もあり、オークに対するイメージアップ活動を昔から積極的に行っている。


 交国が台頭するにつれ、オークに対する差別は減少していったが、ブロセリアンド帝国やその血に連なるオーク達の影響は色濃く、多次元世界ではオークに対する恐怖心とそこからくる差別意識は根強く残っている。


 オーク達も排斥される怒りからさらなる騒乱を起こしたり、帝国時代の蛮行を当たり前に続けている者もいる。


 交国の活動で結果的にオークに対する差別はそれなりに減ったものの、新たに蛮行を行うオークの存在によってオーク差別が再燃し、イタチごっこになっている地域も珍しくない。


 交国政府は自国のオーク達に「ブロセリアンド帝国時代の慣習に縛られた古いオーク達は種族全体の恥」と教育し、同族(オーク)だろうが蛮行を働いている以上は殺処分するべきだ――という考えを自国のオーク達に根付かせた。



■大斑とオーク

 ガンギカナ大王国が拠点を作っていた大斑には、ガンギカナ大王国が来る前からオークが暮らしている。


 大斑で暮らしているオーク達はブロセリアンド帝国の血に連なる者達である。しかし、帝国の兵士として働いていたわけではなく、大斑の現住民と帝国兵士の間に生まれた子がそのまま大斑に取り残され、根付いていった形である。


 彼らは帝国全盛期の恩恵にあずかれず、そのうえ大斑の現住民達からも排斥されていた。大苦と呼ばれ差別され、生まれた端から川や森に捨てられてきた。


 それでも何とか生き延び、オークというだけで苦しみに満ちた生を送ってきた。その怒りから暴れるオークもいたが、一部のオークが辛抱強く他種族と接し、大斑に暮らす全てのオークの地位向上を目指していた。


 その甲斐あって、一部地域ではオークが前向きに受け入れられつつあった。だが、そんな矢先にガンギカナ大王国が大斑に襲来した。


 大王国のオーク達は現住のオーク達が何年もかけて築いた繋がりを踏みにじっていき、大斑住民の反オーク感情は再び高まっていった。


 現住のオーク達は他種族に大王国への関与を疑われ、処刑されていった。それにより、大斑で暮らしていた穏健派のオークの中心人物はほぼ殺された。


 事態を重く見た交国政府は大斑のオーク問題にも介入を開始している。



■好意的に受け入れられるオーク

 ブロセリアンド帝国の影響もあり、多次元世界各所で排斥・差別されているオークだが、逆にオークの存在を好意的に受け入れている世界もある。


 交国も比較的好意的に受け入れられている方だが、一部の後進世界では交国以上にオークが受け入れられている。


 その手の後進世界は運良くブロセリアンド帝国関係の被害を免れた世界、あるいは被害が殆どなかった世界である。そういった世界にオークが穏便に定着していった結果、受け入れられていった例もある。


 オークの家には基本的にオークの男児しか生まれないため、安定して男児が生まれてくる事から「労働力を確保しやすい」「家督を継ぐ長男が直ぐ生まれる」と考えられ、オークが好意的に受け入れられているという事情もある。


 そのような流れが定着した結果、元々はオーク国家ではなかったが、オークが増えて結果的にオーク国家になったという国も存在している。





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