TIPS:ウィッカーマン
【TIPS:ウィッカーマン】
■概要
流民組織<エデン>で開発された巫術師用機兵。近接戦闘能力は交国軍主力機兵<逆鱗>に劣るが、エデンの巫術師達には「使いやすい」と好評。
先進国の機兵は金属製フレームを流体装甲で覆い、動作補助を行うのが主流。だが、ウィッカーマンは機兵の「骨」に当たるフレームがほぼ無くなっている。
ウィッカーマンは通常の金属製フレームの代わりに「ワイヤー」を骨代わりにしている。ワイヤーを血管のように張り巡らせ、従来の金属製フレームの代用品にしている。
この<ワイヤーフレーム構造>は通常の機兵では有り得ない構造だが、巫術で流体装甲を制御する事で、ワイヤーが「骨」の代わりとして十分に機能している。
あくまで巫術ありきの構造のため、巫術師以外はまともに使えない。かなり乗り手を選ぶ機兵だが、機体性能は人類文明先進国の機兵に見劣りしないモノに仕上がっている。
■ワイヤーフレーム構造の優位性
ウィッカーマンは<ワイヤーフレーム構造>を採用する事で、大幅な軽量化に成功している。その重量は交国の<逆鱗>の10分の1と非常に軽量。
その軽さは機動力の大幅向上に繋がっている。
機動力はともかく、力比べでは逆鱗に劣ってしまう弱点を持っている。だが、巫術師達は近接戦闘になった時点で「憑依」による一撃必殺も可能なため、これに関しては大きな弱点にはなっていない。
ワイヤーフレーム構造は省スペース化にも貢献している。
難民や流民を保護し、主に方舟で生活しているエデンは機兵格納庫も十分な広さを確保できない。しかし、ワイヤーフレーム構造のウィッカーマンは流体装甲を解けば「混沌機関」「操縦席」「巻き取り可能なワイヤー」だけになるため、従来の機兵より省スペース化に成功している。
また、金属製フレームを採用している従来の機兵はフレームを破壊された部位はほぼ使用不可能になっていたが、ウィッカーマンはその弱点を克服している。
仮にワイヤーフレームが切られた場合でも、新しいワイヤーを送り込む事でその場でフレーム補修が可能となっている。
ヤドリギを使えば遠隔操縦も可能なので、操縦席も最低限の機能さえ備わっておけば事足りる。さらなる省スペース化も可能となっている。
■飛行可能
非常に軽量なウィッカーマンは長時間の飛行も可能となっている。ただ、<レギンレイヴ>ほどの性能は持っていないため、空中戦が行えるほどではない。
それでも単騎で飛行して現場に急行し、爆撃等で機先を制しつつ、飛行形態から通常形態になって地上戦をこなすフットワークの軽さは奇襲作戦に役立っている。
■強奪弾
ウィッカーマンが標準装備している特殊弾。流体装甲を使って作れる一種のペイント弾で、巫術師達はこの弾に一時憑依し、強奪弾を当てた敵の機兵や方舟等の乗っ取りを行っている。
考案者のダグラス・レンズの名前から取って、「ダグラス弾」と名付けられ、エデンのレンズやスアルタウ、バレット達がよく活用している。
3人はウィッカーマンを遠隔操作せず、自分達で操縦席に乗り込んで直接操作する事が多いため、仮に強奪弾を外しても即座に次弾を放てるようになっている。
ウィッカーマン開発者のヴァイオレットは巫術師達が操縦席に乗り込む事に難色を示しているが、スアルタウ達は反対を押し切って搭乗している。
強奪弾発射中はウィッカーマン本体の操作が出来なくなるため、その間はAIに機体操作を委任している。巫術師本人が操作するより格段に運動性が低下するため、それは1つの弱点になっている。
■ウィッカーマンの作り方
エデン開発機兵・ウィッカーマンの作成はそこまで難しくない。
流体装甲を採用している適当な機兵を用意し、金属製のフレームからワイヤーフレームに取り替える事で「製造」できる。
ワイヤーフレーム以外にもヴァイオレットが組んだ専用のOS等に変える必要もあるが、その辺りの作業も1時間程度で終わらせることができる。
ウィッカーマンの作成は「製造」というより「改造」が主になる。
一応、エデンで一から作ったウィッカーマンもあるが、スアルタウ達は「ヴィオラ姉さん達が一から作ってくれたのは、なんとなく使い捨てづらい」と言って、汎用機兵改造型のウィッカーマンばかりを使っている。




