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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第4.0章:その大義に、正義はあるのか
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その眼に映るもの



■title:エデン所有戦闘艦<メテオール>にて

■from:死にたがりのスアルタウ


『アル。総長達のところ、あとちょっと着くってよ』


「ああ、了解」


 バレットからの連絡に応え、船室から出る。


 大王国に誘拐された大斑の人達を故郷に送り届ける仕事は、一段落した。全員を故郷に送り届けられたわけじゃないけど……ひとまず総長のところに向かう。


 エデンとしてはこの世界にエデンの隠し拠点を作ったり、この世界の人々と密かに協力関係を築きたい。……お互い、納得できる協力関係を築きたい。


 ひとまず大王国の拠点を借りて活動しつつ……大斑の人達と交渉していく。


 その過程で、故郷に帰せなかった人達を再度、故郷に戻す試みも行う。一度や二度断られただけで諦めるわけにはいかない。


 戻る故郷がない人達はエデンで保護しつつ、行き場を探す。


 大斑の人達との交渉が上手くいけば、エデンで保護した人達を保護して貰える場所も見つかるはずだ。その手の交渉は総長達にお願いする事になるので……僕らはそれが上手くいくよう祈りつつ、他の仕事をこなす事になる。


「総長達、元気かな……」


 総長達が制圧した大王国の拠点には、僕らが保護した以上の大王国の被害者がいるらしい。大王国を倒した以上、この世界には(・・・・・・)エデンに勝てる人々はいないはずだけど……戦闘以外の仕事も色々あるはずだ。


 僕が手伝える仕事もあるはずだ。例えば、機兵を使って土木作業をしたり……念のため偵察をしたり、仕事はあるはずだ。


 総長達のところに着いたら直ぐに仕事できるよう、機兵の動作確認をしておこう。そう思いながら方舟(ふね)の格納庫に向かっていると――。


「…………」


 違和感を抱いた。


 妙なものが観えた(・・・)


 自分だけじゃわからない事なので、別の視点からも確かめないと――。


艦橋(ブリッジ)。方舟に憑依させてください」


『どうかしたのか?』


「ちょっと、船外のカメラを使いたくて……」


 方舟の廊下に座り、壁に背を預けて憑依を開始する。


 巫術の眼が「妙な魂」を見つけた。


 方舟(メテオール)の船外カメラを借り、方舟視点で確かめる。


 妙な魂が観えたのは北東方向。


 北東の空に魂が1つ、ポツンと観えている。


 その存在を艦橋の人達にも伝えつつ、聞く。


『位置的に、雲の中に魂が観えます。鳥って、あんなところ飛びますかね……?』


『いや、積乱雲の中だ。それはないだろう』


 総長達の方で有人機でも飛ばしているんじゃないか――という話になった。


 連絡を取って確かめてもらったけど、そうではないらしい。


 ということは――。


『……敵がいます。気づかれないよう、こっそりと戦闘準備を――』


 僕がそう言った瞬間、総長達との通信が乱れた。


 周辺で強い電波障害が起こっている。


 さらに、近くの海の海面が盛り上がり、海中から方舟(・・)が出てきた。


 海から出てきたのは6隻の方舟。海にもいたのか! 気づくのが遅れた……!


『総員、戦闘配置!』


 アラシア隊長が叫ぶのと同時に、新手の方舟が砲撃を開始した。


 総長達のいる拠点に向け、敵の攻撃が始まった。


 方舟による砲撃。そんなこと、この世界の人達には出来ないはずだ。


 大王国の残党があんなにいるとは思えない。


 ということは……まったく別の異世界勢力だ。





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