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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第3.5章:バッドカンパニー【新暦1225年】
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TIPS:泥縄商事



【TIPS:泥縄商事】

■概要

 銃火器や機兵を含む兵器、傭兵の仲介や兵站管理など、戦闘に関わる様々な商業活動を営む闇商事。


 多次元世界各地の戦争に関わり、紛争を煽っている。国家・組織・個人を唆し、異世界侵略を勧めている。泥縄商事が軍需品を手配する事で、圧制者やプレーローマに対抗出来た事例もあるが、善い面などほんの一部。


 時に営利目的、時に人類文明の進化を促すため、時に愉快犯として悪事を働いている犯罪者集団。



■黄土工業

 人類連盟を作ったメフィストフェレスが立ち上げた総合技術開発メーカー。泥縄商事の前身に当たる企業。


 メフィストが開発した流体装甲を主力製品とし、それを使った機兵や方舟、その他にも様々な製品を人類文明に流通させていた。


 企業としての歴史は浅かったものの、他の追随を許さない圧倒的な技術力によって頭角を現し、既存企業も吸収しながら人類文明屈指の巨大企業に成長した。


 しかし、創業者であり主任開発者のメフィストフェレスの死によって力を失い、最終的に人類連盟によって複数の企業に解体された。


 メフィストが死亡した際に起きた混乱に乗じ、唯一の無尽機実験成功体(パンドラ)が脱走。一部の黄土工業社員がそれに追随し、彼らが結託して泥縄商事を作った。


 黄土工業を抜けて泥縄商事に入ったメンバーの大半が――無尽機によるスワンプマン化によって――精神を病み、廃人と化した。その殆どが泥縄商事本社艦隊の社内食堂で食材として提供され続けている。



■泥縄商事の社員

 泥縄商事社員の士気は低く、一部を除いて質も悪い。職務怠慢どころか横領を行っている社員も少なくない。泥縄商事の看板を勝手に使っている者もいる。


 大半が「雇用契約」によって無尽機の一部になっており、多くの社員が自分達がどんな存在になっているか知らないまま業務に従事している。


 無尽機に取り込まれた正社員だけでも10万人を超えている。関係企業も含めると泥縄商事の関係者は数百万人規模だと言われている。



■人類連盟と泥縄商事

 泥縄商事は人類連盟に犯罪組織として認定されており、両者はたびたび敵対している。ただ、泥縄商事に紛争を煽らせ、紛争解決を口実に異世界侵略を行う人類連盟加盟国も存在している。


 つまり人類連盟も泥縄商事を利用しているのだが、かつての<ロレンス>と<交国>のように密約を結んでいるわけではない。


 人類連盟は泥縄商事に首輪をつけて管理したいが、泥縄商事社長が気分屋な事もあって管理できていない。そのため「出来れば滅ぼし、後釜にもっと管理しやすい会社を据えたい」と考えている者は多い。


 実際に人類連盟による泥縄商事壊滅作戦は何度も行われているが、いずれも失敗に終わっている。そして泥縄商事を裏で利用し続けている。


 その事に関し、多くの泥縄商事社員が憤っているものの、金を貰えるなら人類連盟関係者相手でも構わず商売をする者が多い。特に第一営業部は人類連盟とよく仕事をしている。



■プレーローマと泥縄商事

 プレーローマは無尽機を自分達の戦力にしたいと考え、泥縄商事の社長を何度も捕まえているが、自殺や事故死で何度も脱走されている。


 一部の天使が無尽機に子機として取り込まれた事や、泥縄商事の社長が気分屋なことや、無尽機の原理が不明なこともあって無尽機研究はほぼ凍結中。


 現在は「泥縄商事を使って人類文明を荒らす」というやり方に集中し、プレーローマから兵器や物資を提供する事が増えている。その影響もあって泥縄商事は巨大闇商社へ成長していった。


 ただ、泥縄商事の社長がいい加減な人間のため、プレーローマも泥縄商事をたびたび持て余している。泥縄商事社員を工作員として使おうにも、社長の横槍でご破算となった事も珍しくない。


 泥縄商事に提供した武器によって、プレーローマの対人類作戦が失敗した事もあり、プレーローマ内でも泥縄商事不要論はたびたび叫ばれている。


 実際にプレーローマが泥縄商事を滅ぼそうとした事もあるが、泥縄商事の社長があまりにもしぶといため、現在は殲滅作戦を断念している。



■泥縄商事の社長

 メフィストフェレスの遺産<無尽機>実験の唯一の成功体。元々は【楽士】というプレイヤーだったが、オリジナルは死亡。魂も消滅済み。


 雇用契約という形で支配下に置いた子機達を泥縄商事の社員としてこき使っている。子機達に対し、絶対命令権限(レージング)を持っているため、どのような命令でも受諾させる事が可能。


 ただし、親機である社長本人は社員の自由意志を優先しており、命令権限を行使する事は稀。その所為でよく社員達に殺され、時には社内クーデターも起こされているが、社長はその状況を楽しんでいる。


 商売人として動く事もあるが、とても気分屋で営利より騒乱を求めて動く事も多い。その所為で人類連盟とプレーローマの両方から「扱いづらい」と嫌われている。


 社長の判断の所為で、泥縄商事の経営はたびたび傾いているが、社員達の奮闘でなんとか持ちこたえている。また、壊滅的な打撃を受けても人材だけは無尽機の力で「復活」するのでしぶとく存続している。



■泥縄商事内の派閥

 一部の泥縄商事社員はやる気に満ちているが、それぞれ思想や目的が異なる。そのため社内紛争の絶えない常在戦場(アットホーム)な職場になっている。


 社内の派閥は「尊重派」「効率派」「社長派」「営利派」の四大派閥がおり、それぞれの思惑で好き勝手に動いている。


 泥縄商事は犯罪組織だが、各派閥の中には自分なりの正義感を持って行動している者もいる。その正義感には大抵、「身勝手な」という枕詞がつきがち。所詮は犯罪組織である。



■尊重派

 尊重派は「文明の遅れた世界に異世界の技術を渡し、急速に発展させる」という手法をよく使っている。中心人物は第二営業部・部長。


 現地の人間に力をつけさせる事で、異世界から来た侵略者だけではなく、プレーローマのような人類の敵にも対抗できる力をつけさせようと考えている。


 異世界の技術・兵器を渡すことでその世界の勢力均衡が大きく崩れ、泥沼の戦争が起ころうが「発展のために必要な犠牲」と無視する事が多い。


 また、第二営業部長の趣味で子供達をさらってきて、少年兵として教育した後に元の世界に戻して戦争を起こさせるという事もやっている。


 現地人の意志を尊重していると言いつつ、一番尊重しているのは自分達の主義主張なので、どちらにせよ迷惑な存在。



■効率派

 効率派は「遅れた文明の世界は異世界の強国に支配されるべき」という考えをもって行動している。中心人物は第一営業部・部長。


 第二営業部長の尊重派とは逆に「現地人の意志? 知るか! 異世界の強国に全部支配してもらった方が効率的だろ!!」とのたまい、後進世界の情報を異世界侵略国家に積極的に発信している。


 最終目的は「人類文明全体を発展させ、プレーローマの脅威に対抗させる」ことなので、最終目的自体は尊重派と近しい。


 ただし過程が異なるため、尊重派と効率派はよく揉めている。


 尊重派が支援する現地勢力と、効率派が支援する異世界勢力が激突する事も珍しくない。社内でも尊重派と効率派が血で血を洗う闘争を続けている。



■社長派

 何事も社長の気分で動く派閥。中心人物は当然社長で、その手足として泥縄商事社長直属部隊の<夜行>が存在する。


 社長は無尽機の親機として多くの社員を無理矢理動かすことが出来るが、「全部自分の思い通りになるのはつまらない」という考えから、各派閥の好きにさせている。それによって社に不利益が生じようと、その不利益すらも楽しむ事が多い。


 社員達は社長の気まぐれによく振り回されているため、どの派閥からも敵視されている。それでも社長は今日も我が道を征く。



■営利派

 営利派は最も商売人らしい派閥で、「儲かれば何でも良い」という考えで動いている。中心人物は人事部・部長。


 金が手に入るのであれば、どの派閥とでも手を組む。金にならなければ平気で切り捨てる。プレーローマと手を組む事すら厭わないので、本質的には尊重派や効率派と相容れない存在。



■泥縄商事と「部外者」

 泥縄商事社内は主義主張がぶつかる事から社内紛争が絶えないが、外部から出向社員が来るとさらに荒れ始める。


 出向社員が来る時は、大抵は社長がどうしても資金繰りに困った時。社を立て直すための支援の対価として、仕方なく受け入れている。


 出向社員は基本的に社長と「雇用契約」を結ばないが、最終的に泥縄商事に取り込まれてしまうこともしばしば。


 プレーローマは支配下に置いている人間の工作員だけではなく、プレーローマ内部の権力闘争に敗れた天使などをちょくちょく出向社員として送り込んできている。




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