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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第1.0章:奴隷の輪
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ニュース:メリヤス王家 国民を見捨て逃亡



【ニュース:メリヤス王家 国民を見捨て逃亡】

■第二王女が界外逃亡

 ネウロン再興委員会はメリヤス王国のメラ・メリヤス第二王女が、ネウロン魔物事件発生前に界外逃亡していた事と正式発表した。


 ネウロン魔物事件ではネウロンの指導者達だけではなく、多くのネウロン人が犠牲になった。しかし、メラ王女は界外逃亡後も帰国せず行方をくらませており、ネウロン人からも「国民を見捨てて逃げた」と非難の声が上がっている。


 メラ王女の逃亡を幇助したのは犯罪組織・ピースメーカー。同組織はネットで交国や人類連盟を非難しつつ、逃亡幇助を正当化する声明を流している。


 メラ王女を指名手配している交国政府はピースメーカーに対し、王女の身柄を引き渡すよう求めているが、ピースメーカーは要求を突っぱね、王女共々行方をくらませている。



■犯罪組織・ピースメーカー

 メラ王女の逃亡を幇助した犯罪組織・ピースメーカーは元々、マーレハイト共和国所属の政府組織だった。


 しかし、マーレハイト共和国が事実上滅亡した後も「私達はマーレハイト亡命政府だ」と主張し、犯罪行為を重ねている。


 人類連盟はピースメーカー及びその関係者をマーレハイトの亡命政府とは認めておらず、多次元世界の裏社会で頭角を現しつつあるピースメーカーを犯罪組織と認定し、殲滅のために捜査と軍派遣を行っている。


 交国も人類連盟によるピースメーカー殲滅に協力しており、特佐を中心に特別派遣部隊を動かしている。



□記者覚書

 交国政府はメラ・メリヤス第二王女がメリヤス王国の公金横領事件や、ネウロン魔物事件に絡んでいる可能性から彼女を追っている、とも話している。


 でも、10歳そこらの少女がそんな事件に関与できるだろうか?


 メリヤス王国のショーン王も色々と罪を着せられていたが、どれも証拠が整い過ぎていた。交国が占領地の支配者を引きずり下ろすために使うお得意の手だろう。


 死んじまったショーン王はともかく、まだ生きているはずのメラ王女はピースメーカーと行動を共にしている。ピースメーカーの外道っぷりは本物だから、そことつるんでいるだけで犯罪者されるてもおかしくないが……。


 交国としては、占領地の支配者の血筋は完全に断っておきたいだろう。


 交国軍で働いているザクセンホート王国の第四十八王女のような自由は与えられまい。あの第四十八王女も自由と呼ぶには程遠い人生だっただが、処刑されなかっただけマシと言っていいはずだ。おそらく。


 しかし、メラ王女は手段を選べる状況だったんだろうか?


 そもそも彼女自身の意志で逃げたんだろうか?


 父親のショーン王辺りがまだ幼い我が子の身を案じ、界外逃亡させただけじゃないのか? よりにもよってピースメーカーと組むのはどうかと思うが……。


 今のピースメーカーは本物の犯罪組織だが、交国や人類連盟の横暴を糾弾する声は正しかった。正しかったけど、主権を握っている交国や人類連盟はそれを正しいとは認めない。ゆえに正しくない。


 俺も出来れば交国にゴマする報道なんてしたくないが、職を追われるのは怖い。


 一記者が選べる手段なんて限られている、と言うのは言い訳なんだろうか?



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