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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第2.0章:ハッピーエンドにさよなら
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継がれる火、潰える火



■title:交国本土の拘置所内にて

■from:ただのカトー


 拘置所内を荷物のように運ばれていく。


 身体が上手く動かない。自分で歩く事すら――。


「おい、隠れろ! まだ機兵が――」


 担架に乗せられたまま、物陰に押し込められる。


 けど、全員は隠れられなかった。


 ファイアスターターの部下達が、機兵の銃身の前に――。


「うぅっ……!」


「っ…………。あっ……! 隊長っ!」


 吹き飛んだのは機兵だった。


 空からの砲撃が直撃し、装甲をドロリと溶かしながら倒れていった。


『あと少しだ! 頼む!』


「はいっ! 隊長、無理をしないでください!」


『無理などしていない。吾輩はファイアスターターだぞッ!』


 ファイアスターターは強がっている。明らかに。


 戦場には神器使いが現れたらしい。


 誰かは……よく、わからんが……。


 ファイアスターター達と通信している奴らの反応によると、相当ヤバい相手らしい。あのファイアスターターが負けかねないぐらいに――。


「……あれは」


 拘置所上空を白い機兵が通り過ぎていくのが見えた。


 貴重な飛行機兵。あれはまさか、犬塚銀の<白瑛(びゃくえい)>か?


 あんなものまで来ているなら、ファイアスターターは本当に劣勢だ。敵艦隊だけではなく、あんな不死身のバケモノまで来ているなら――。


「く、ぅ…………」


 神器を出そうと試みたが、やはり無駄だった。


 交国はオレから神器を奪った。何らかの方法で抽出しやがった。


 重要な臓器をゴッソリ失ったような感覚がする。


 実際に神器生成の役目を担う臓器があるわけではないが、それでも長年連れ添ってきた重要な部位がなくなった感覚はわかる。最悪の感覚だ。


 オレはもう終わりだ。


 元々、神器は破損して一部機能しか使えなくなっていた。


 元々終わっていた神器使いが、ただの凡人(ゴミ)になっちまった。


「お前ら……オレを、置いていけ」


 ファイアスターターの部下達に告げる。


 オレにはもう何の価値もない。


「今更、何を言っているんですか」


「アンタの意見なんてどうでもいいんですよ! 隊長の指示に従ってください!」


「お、オレは総長代理なんだろ……。オレを囮に使って、逃げ……」


「あなたはもう、囮としての価値すら無くなったんですよ!」


 そう言われ、運ばれ続ける。助けられ続ける。オレに価値はないのに。


 頼むから捨ててくれ。オレはただのゴミになったんだ。


「エデンを復活させたいなら、ファイアスターターがいるだろ……。奴なら、神器を奪われたオレなんかより……ずっと、上手くやる……」


「隊長の指示なんですよ! アンタを本当に総長代理と認めたわけじゃ――」


「ファイアスターター、逃げろっ……! 頼む、からっ……!」


 オレを置いて逃げてくれ。


 頼む。


 これ以上、惨めにしないでくれ。


 黒水の繁栄(・・)を見ただけでも、頭がおかしくなりそうなのに……神器使いとしての価値すらなくなったオレを、無理矢理……生かすなんて――。




■title:不滅艦隊旗艦<陽炎>にて

■from:炎陣・ファイアスターター


『ファイアスターター、逃げろっ……! 頼む、からっ……!』


 死にそうなカトーの言葉を鼻で笑う。


 もう遅い。吾輩は決めたのだ。


 総長(ニュクス)達が守ったお前を死なせないと。


 守ると決めたのだ。


『これは……総長代理命令、だ……!』


「阿呆が。吾輩は貴様を総長として認めない」


 ゆえに貴様の指示には従わない。


 吾輩の総長はニュクス。彼女だけだ。


 ずっと彼女に付き従って戦ってきた。


 ……それなのに守ることが出来なかった。


「吾輩は吾輩の意志によってのみ動き、吾輩が果たすべき使命を果たす」


『おまえ……』


「貴様らは、貴様らの道を征け」


 通信を切る。


「我が屍を超えて征け。戦友(とも)よ」


 拘置所の外に出てきたカトー達を確認した。


 今が好機。




■title:拘置所上空にて

■from:英雄・犬塚


 ファイアスターターが方舟を盾に、方舟を送り込んできた。


 拘置所に1隻の方舟を送り込むために、多数の方舟を犠牲にしやがった。


 どれも神器で再生成できるとはいえ、再生成さえ妨害したら痛手になるが――。


「まあ、そうするわな……!」


 拘置所に突っ込んだ方舟が<海門(ゲート)>を開く。


 その海門に向け、テロリスト共が飛び込んでいくのが見えた。


 交国本土(ここ)から逃げるとしたら、その手しかない。


 界外に逃げる分には海門も速攻開ける。


 混沌の海に逃げられたら、捕まえるのは一気に困難になるが――。


「第7艦隊、逃がすなよ」


 近海には機雷を仕掛け、周囲の方舟も界内に待避させている。


 機雷を爆破してしまえば、混沌の海は一気に荒れる。


 奴らは海の時化によって押し殺される。


 何の価値もないテロリスト共なんて、そんな処分方法でいい。


 交国本土近海が数日荒れると経済的な打撃が大きいが、こっちには黒水守がいる。黒水守の神器を使って海を鎮めてもらえばいいだけの話――。


『近海の機雷が反応しませんっ……!』


「なんだと――」


 敵の逃走経路は読んでいたが、敵はさらに上を行った。


「泥縄商事か……! 相変わらずの人命無視戦術だな……」


 おそらく、近海に仕掛けていた機雷が無力化されている。


 泥縄商事の社員が多数駆り出され、人力で(・・・)全て解除したんだろう。そいつらはもう逃げられないだろうが、奴らの目標は達成される……!


『近海に高速艇の反応を確認しました! おそらく泥縄商事の……!』


 カトー達の迎えもバッチリ用意しているわけだ。


 暗い混沌の海で、どこに出たかわからん奴らだけをピンポイントで拾うのは至難の業だ。それこそ未来でも視えてないと(・・・・・・・・・・)不可能だ。


 だが、可能性はゼロじゃない。


 その博打に勝たれたら、逃げられる。


 今からでも俺か黒水守が追えば捕捉できる可能性が――。


『させんわッ!!』


「豪華な殿だなッ……!!」


 ファイアスターターの方舟が砲撃しながら突っ込んでくる。


 コイツの攻撃は効かねえ。回避するまでもねえ。


 ただ、追撃の邪魔だ。


 第7艦隊もダメージを受けているし、俺と黒水守のどちらかが抜ければ本命を――ファイアスターターを逃がす結果に繋がりかねない。


 カトーの死刑を延期して、せっかく釣り上げた大物なのに――。


『犬塚特佐、黒水守。ファイアスターターの捕獲に集中しなさい』


「いいのか? カトーを取り逃すと交国のメンツに傷がつくぞ」


 玉帝の言葉に問いを返す。


 だが、「その程度の傷、ファイアスターターの神器で十分補えます」と返してきた。まあ確かにその通りか。


 カトーの神器はもう抽出したらしい。


 奴はもう、何の価値もないゴミテロリストだ。




■title:不滅艦隊旗艦<陽炎>にて

■from:炎陣・ファイアスターター


『カトー君達の脱出、完了したよん』


「感謝する」


 泥縄商事社長・ドーラの通信に返答する。


 奴はまだ界内に留まっているらしい。


 契約通り、カトーと吾輩の部下達を逃がすために全力を尽くしているらしい。


 外道の犯罪者とはいえ、今回ばかりは感謝しておかねば――。


「追わせんぞ、交国軍」


 カトー達は界外に逃がした。


 ここから交国の支配地域外に出るまでが大変だろうが、そこは何とかアイツらだけで切り抜けてもらうしかない。泥縄が逃走経路を確保しているはずだ。


 吾輩はここに残る。……全員助かるのは無理だ。


 殿として残って、犬塚銀と加藤睦月をここに釘付けにする。


 ダメージを負った第7艦隊はともかく、この2人は絶対に止めねば……!


「そのためにも――」


 大将首を狙う。


 交国に大混乱を引き起こすために、敵の総大将を狙う。


 我が旗艦に加藤睦月の操る海水が浸入しつつあるが――。


「もう遅い」




■title:拘置所近海にて

■from:黒水守・石守睦月


「…………!」


 ファイアスターターが砲撃を行った。


 けど、ただの砲弾じゃない。


 自分自身を(・・・・・)撃った。


「マズい――――玉帝っ!!」


 敵の狙いは、彼女だ!




■title:拘置所上空にて

■from:炎陣・ファイアスターター


 自身を砲弾として撃ち、犬塚銀と加藤睦月を振り切る。


 砲撃の衝撃で、身体中の骨がバキベキと折れていったが――構わない。


 敵の旗艦へ――玉帝のところへ向かう。


 今度は、邪魔させん。


 不要な方舟は全て解体し、再構築する。


 玉帝の船に向け、至近距離で全砲門を――。


「取らせてもらうぞ……皆の仇をッ!!」




■title:交国軍・第7艦隊旗艦<堅尾>にて

■from:二等権限者・肆號玉帝


「猿知恵ですね――神器解放(アイオーン)




■title:拘置所上空にて

■from:炎陣・ファイアスターター


「――――」


 玉帝のいる方舟に向け、全力砲撃を行おうとした。


 そのために艦隊を展開した。


 だというのに、その艦隊が抉れた(・・・)


 船首から艦の半ばに至るまで、ゴッソリと抉れた。


「な――――」


 艦隊生成が失敗した。


 オレはこれを知っている(・・・・・)


 これは神器の業だ。


 効果範囲内の物体を解体する。そんな力を持つ神器。


 それはあくまで力の一部に過ぎない。


 解体された物体は、巨大な機兵(・・・・・)として再構築される。


「貴様――」


 大きく抉れた艦隊を蹴散らし、一機の巨大機兵が顕現する。


「何故、貴様らが……カトーの神器(・・・・・・)を使えるッ!?」


 巨大機兵の手が、吾輩に伸びてきて――。




■title:交国軍・第7艦隊旗艦<堅尾>にて

■from:二等権限者・肆號玉帝


「特定人物しか使えない兵器など、兵器として不健全です」


 カトーの神器を遠隔操作する。


 生成した巨大機兵(でくのぼう)により、死にかけの不死身艦隊を蹴散らす。


 蹴散らし、その主たるファイアスターターを掴む。


『がッ……?!!』


「不健全ゆえに改めたのです。救世主(メサイア)以外でも使えるように」


 本来、神器は神器使い(メサイア)とセットで運用する必要がある。


 そうでなければ10分の1も力を引き出せない。


 ……だから神器使い達がつけあがる。


 自分達を「特別な人間」と驕り高ぶる。


 そういう態度ばかり大きな歯車達は扱い難い。


 そんな者達に頼らざるを得ないほど、プレーローマは強い。


 ですが、それは神器使いの「欠陥」を肯定する大義名分にはならない。


 許してはならない。欠陥は改善する必要がある。


「カトーの神器は元々破損していた」


 当初期待していた性能は持っていなかった。


 カトーの神器・アイオーンは特別な神器。


 エデンの免罪を行っても十分な利益がある神器――のはずだった。


 しかし、カトーは我々を騙した。……破損を隠して取引してきた。


 不良品の神器・アイオーンを取引材料にしてきた。


「これは既に不良品ですが、交国が有効活用してあげます。有り難く思いなさい」


『キサマ……! キサマァッ……!!』


「…………? ひょっとして、怒っているのですか?」


 神器の手中で藻掻くファイアスターターに対し、疑問する。


 カトーの神器は不良品ですが、ファイアスターターの神器(それ)は違う。


 貴方のそれは不良品の100倍の価値があります。貴方が大人しく軍門に下るなら殺さず、神器の所有を許してあげる程度の価値があります。


 ファイアスターターの神器を貶したわけではない。


 貶したのはカトーの神器です。あなたが怒る必要はない。


『きッ……! さまッ……! 許さ、なぁッ…………?!!』


「…………」


 ファイアスターターを握りつぶす力に、さらに力を込める。


 敵の通信機から耳障りな音が聞こえてくる。


 ……逃げたカトー達が戻ってくる様子はない。


 まあ、さすがにここで戻ってくる馬鹿ではないでしょう。


 彼ら自身にも価値がありませんし……人質を取る必要はありませんね。


『の…………呪って、やるッ……!! きさま、は……! キサマの、ねがいは……! なに、ひとつ、叶わない、よぅッ……!!』


「おかしな事を言いますね。エデンのくせに」


 私は人類のために戦っている。


 エデンは人類のために戦っていたのでしょう?


 私を呪うという事は、エデンも呪うという事ですよ。


「安心して死になさい。エデンの願いも、ついでに叶えてあげますよ」


 さらに力を込める。


 酷い音が聞こえた。


 林檎を握りつぶす音と違って、酷く耳障りな音だった。


 しかし、結果は似たようなものになりました。


『主上。ファイアスターターの艦隊消滅を確認しました』


「では、抽出作業に取りかかりましょう」


 カトーには逃げられましたが、収穫はあった。


 好きに使える神器が2つ手に入った。片方は不良品ですけどね。


『それと、泥縄商事の社長ですが……主上との通信を望んでいます』


「確保は?」


『出来ていません。時間をください』


「わかりました。繋ぎなさい」


 少しでも通信を長引かせ、近衛兵の動きを支援しましょう。


 出来れば泥縄商事の社長も確保しておきたい。


「…………」


 近衛兵の随伴ドローンから現場の映像が送られてきた。


 拘置所の瓦礫の山に、泥縄商事の社長がふてぶてしく座っている。


 部下の夜行(ナイトシフト)銃を(・・)突きつけられながら。


『やあ! お久しぶりだね玉帝ちゃ~ん』


「今回はしてやられました。ドーラ……いえ、無尽機(パンドラ)


 逃げ足が速いくせに、今回はまだ逃げてないのですね。


 そう問うと、「キミと話したかったのさ」と返してきた。


「私も交渉をしたいと考えていました。エデンにいくらで雇われたのですか?」


『2倍の金額で買収する気?』


「あなた次第で、それ以上用意しましょう」


 泥縄商事の社長(ドーラ)が嬉しそうに口笛を吹く。


 しかし、今回は雇い主を売らなかった。


 本当の雇い主かどうかはともかく――。


『お客様を売るわけないじゃ~ん。ウチは企業ですよ? 信用第一!』


「何故、エデンの仕事を請け負ったのですか? 言っておきますが、カトーにはもう何の利用価値もありませんよ。彼はもう神器使いではない。絞りカスです」


 あなた達は敵同士でしょうに。


 しかも、エデン残党には資金がない。


 ファイアスターターを担保にしたならともかく……。そのファイアスターターも交国が手中に収めた。新鮮な死体を手中に収めた。


 直ぐにでも抽出作業を行えば、彼の神器も確保できる。


「今回の作戦のために、かなりの手間をかけているでしょう。私がファイアスターターを手に入れた以上、このままでは大赤字ですよ」


『で、でも、人件費は安いから何とか……』


「相変わらず命の値段が安いようですね」


『交国ほどじゃないよ!』


「失礼な。交国は臣民を手厚く扱っています」


 例えば、軍事用の国民には十分な食事・教育を与えている。


 彼らは交国を構成する大事な国民(パーツ)ですからね。


「泥縄商事。あなた達は人命を安く取り扱っていますが、金はそれなりに大事に扱っている。あなた達を動かせる資金を、エデン残党が用意できるわけがない」


『うんうん』


「誰に雇われたのですか?」


『だから、エデンだよ!』


 嘘だ。有り得ない。


 必ず、誰かが背後で動いている。


 ……人類連盟加盟国のどこかが、何らかの意図を持って支援したのか?


 あるいは彼か――。


「誰の依頼で動いているのですか。メフィストフェレス(・・・・・・・・・)の使徒」


『…………』


「まさか、あなたの主の下知ですか?」


 泥縄商事の社長が笑みを浮かべている。


 サングラスの奥に隠れた瞳は見えない。


『玉帝ちゃんも知ってるでしょ? あたしの主はもう死んでいる』


「――――待ちなさい」


『こんな風に』


 近衛兵達が動く。


 だが、間一髪で間に合わなかった。


 夜行が発砲した。


 自分達の主に向け――命じられた通りに――発砲した。


 1体の死体が出来上がり、その部下達も後を追った。


「……また、取り逃しましたか」


 これは終わりではない。


 奴らの死体は、いずれ再び歩き始める。


 奴らは――無尽機は、そういう作りになっている。




■title:

■from:歩く死体・ヴァイオレット


 カトー特佐が収容された拘置所周辺で行われた戦い。


 激しい戦いの行く末は、「交国軍の勝利」と報道された。


 カトー特佐の生死はわかっていない。


 神器使いではない玉帝が「神器を使う」という「華々しい活躍」によって、交国がテロリスト(ファイアスターター)を討ち取ったと大々的に報道された。


 1つの戦いが終わった。


 私達の胸に、何とも言いがたいものを残して終わった。


 あの戦いについて、考える余裕はなかった。


 だって――――。



「休暇……打ち切り、ですか?」


「ああ。ネウロンへの帰還命令が出た」


 平和な時間は終わった。


 突然、何の前触れもなく終わった。






【TIPS:神器・アイオーン】

■概要

 源の魔神(アイオーン)が原典聖剣の欠片を材料に造った神器の1つ。


 源の魔神が「自分の力の完全複写品」を目指して作成した神器であり、数多ある神器の中でも別格の性能を誇っている。


 ただ、あまりにも強力な力が込められているため、神器・アイオーンの担い手であっても真の力を引き出せないと言われている。


 実際、全盛期のカトーでも神器の力の1割程度しか引き出せていなかった。真価を引き出せば世界創造すら可能だった。


 玉帝は神器・アイオーンを担い手ごと手中に収め、計画の要に組み込む事も考えていた。そのためカトーを交国に引き込むために交渉を進めさせていたが、カトーが破損を隠していた事で「不良品を売りつけられる」という結果に終わった。


 交国は神器・アイオーンの修繕も検討したが、「不可能」という結論が出ている。それでも「並みの神器」程度の力は振るえるが、それは玉帝が要求するスペックには到底足りないものである。



■神器・アイオーンの真価が引き出された事例

 神器・アイオーンを造った源の魔神はその真価を「引き出せた」と言われているが、真偽は定かではない。


 そもそも源の魔神自身が「自分自身(アイオーン)の力」を自分で振るえるため、神器の真価を発揮する必要がない。力を振るったところで「自分自身」か「神器」の力かが誰も判断できなかった。そのため真偽は定かになっていない。


 ただ、神器・アイオーンは肝心要の力は使えなかったと言われている。それは「時間」に関わる何かだったとされるが、それも定かではない。





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