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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第2.0章:ハッピーエンドにさよなら
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因果応報の代行者



■title:交国本土の幹線道路にて

■from:炎陣・ファイアスターター


「…………」


 交国本土には初めて来たが、退屈な場所だ。


 観光している暇など無く、運搬車の中に隠れているので外の景色を楽しむ事も出来ない。退屈にもなる。


 人類連盟にテロリストとして追われ続けている吾輩が、大手を振って歩ける世界などそうそうない。交国本土など敵の本拠地だ。


 我々(エデン)と交国は相容れない存在だ。


 しかし、それでも交国はエデン残党を受け入れたはずだった。


 カトーが身売りすることで、非戦闘員達を受け入れたはずだった。


 吾輩は交国の軍門に下るのを拒否したが、カトーやナルジス達は……テロリストとしての過去を清算し、交国で受け入れてもらえたはずだった。


 4年前、我々はプレーローマに負けた。


 奴らがマーレハイト共和国に仕掛けた罠にハマり、多くのエデン戦闘員が死んだ。神器使いで生き残ったのは吾輩とカトーだけだった。


 組織は存続不可能となり、総長代理のカトーはエデン解散を宣言。非戦闘員とカトー達は交国に投降し、過去の罪を清算して受け入れてもらった。


 ただ、吾輩にとって総長代理(カトー)の判断は受け入れられないものだった。


 交国はエデンの敵だ。


 敵の軍門に下るなど、あってはならない事だ。


 交国は人類連盟を牛耳る常任理事国の1つであり、奴らが苦しめてきた弱者は無数に存在する。死体になって黙した者達がいても、その怨嗟は存在し続けている。


 交国に下るという事は、その追及を諦める事に等しい。


 エデンの戦闘員として、人類連盟とも戦ってきた身としては……到底受け入れられなかった。強者に苦しめられる弱者への裏切り行為ゆえに。


 だから認められない。


 ニュクス総長に後を託された総長代理とはいえ、認められなかった。


 ただ……カトーの判断は「間違っていなかった」とも思う。


 奴だって交国に対し、思うところは沢山あったはずだ。吾輩と共に最前線で戦い、仲間や弱者の死に悔し涙を流してきた戦友だからな。


 しかし、奴は総長代理として決断せざるを得なかった。


 マーレハイトで壊滅する前から、エデンは機能不全に陥っていた。助けた流民を生かすのが精一杯で、組織としては実質死んでしまっていた。


 非戦闘員の流民達を生かしてきた戦闘員の多くが死んだ事で、エデンは本当に立ちゆかなくなってしまった。……誇り高く飢え死ぬしかなくなっていた。


『非戦闘員は総長代理(オレ)が何とかする。お前は他を頼む』


 カトーはそう言い、交国の誘いに乗った。


 神器使いである自分を売る事で、非戦闘員を守った。


 奴の判断を批判する血気盛んな者達は吾輩が引き取り、連れて行く事にした。多数の非戦闘員を手放す事が出来れば……吾輩1人でもある程度は養える。


 ああするしか無かった。


 納得は出来ないが、カトーの判断はベストだったはずだ。


 エデンが壊滅しても、その意志は絶やしてはならない。


 我らは弱者救済組織。


 因果応報の代行者である。


 組織が壊滅しても、その意志だけは絶やしてはならない。カトーと吾輩は2手に分かれ、お互いに「エデンの意志」を守ろうとした。


 苦しい決断だった。


 カトーは特に苦しかっただろう。


 仲間を守るために「交国の犬」になったのに、その仲間にすら「ニュクス総長が生きていれば、こんな事にはならなかった」と蔑まれていた。


 それでも、奴は歯を食いしばって決断したのだ。


 だというのに……交国は、カトーの決意を踏みにじった。


 エデンの火を消そうとしている。


「…………」


 端末から交国国内の報道を見る。


 どの報道も、カトーを悪く言っている。


 玉帝を殺そうとした薄汚いテロリストだと言っている。


 貴様らが、カトーの何を知っている……。


 実の姉であるニュクス総長を失い、託された組織すら解体せざるを得なくなり……それでもなお非戦闘員とナルジスを守ろうとした奴の……何を知っている。


 カトーは今、交国政府に拘束されている。


 交国領・ゲットーで反乱事件を扇動し、玉帝を暗殺しようとしたなどと言われ、近日中に処刑されようとしている。


 奴がそんな事件、起こすはずがない。


 確かに昔のカトーは「狂犬」と呼ばれ、横暴な強者相手に積極的に戦争を吹っかけていたが……それは昔の話だ。


 今の奴は死んでいったニュクス総長達から託されたものを背負い、冷静に行動していたはずだ。……野蛮なテロリストなどではなかったはずだ。


 奴が今更、玉帝暗殺事件など起こそうとするはずがない。


 おそらく冤罪だ。


 仮に本当だったとしても、正当な理由があったはずだ。


 吾輩はそう信じる。


 共に死線を潜ってきた戦友(カトー)を信じる。


「我らは……因果応報の代行者(エデン)だ」


 強きを挫き、弱きを助けなければならない。


 今のカトーは弱者だ。


 交国という強者に何もかも踏みにじられ、命すら奪われようとしている弱者だ。


 吾輩はエデンの生き残りとして……戦友として、奴を救わねばならん。


 改めてそう考えていると――。


「む……」


 乗っていた運搬車が停車した。


 道端で停まったらしい。運転席からやってきた男が声をかけてきた。


「スンマセン、お客さん。この先に検問所あるので、ここまでです」


「そうか。貴様らの社長と話は――」


「ちょうど通信来たとこっス。どうぞ」


 運転手から通信機を受け取り、画面を見る。


 そこに丸いサングラスをかけた少女が映っている。なぜか「ウェイウェーイ!」などと言い、こちらに向けてピースサインを向けている。


『ファイアスターター君、みってるぅ~? いまぁ、キミの部下達と一緒にいまぁ~す! こっちは作戦前の作業中でぇ~す! ウェイウェーイ!!』


「騒ぐな。鬱陶しい」


 不愉快な女だ。


 言動も容姿も、立場すら不愉快な女だ。


 だが、しかし……残党(われわれ)だけでカトーを救出できるほど、交国は甘くない。こんな奴の手すら借りないといけないほど、我々は弱くなった。


「こちらは限界まで移動した。いつでも動ける」


『こっちはもうちょい時間かかるよん。待ってる間、お話でもする?』


「…………。泥縄商事、吾輩の存在が交国にバレているようだな」


『あ。気づいた? いやぁ、こっちもいま気づいてさぁ』


「嘘をつけ。貴様、意図的に隠していたな」


 泥縄商事。


 数多の世界を股にかけて活動する犯罪組織。


 ある意味、人類連盟以上にろくでもない組織であり、「エデンの敵」の1つだが……今回はコイツらに頼らざるを得ない。


 仕方なく協力を要請し、交国本土侵入の手助けをしてもらった。カトー救出のために手勢を貸してもらう約束もしている。


 ただ、当初予定と異なる状況になっている。


 交国政府は吾輩が――エデンのファイアスターターが交国本土に潜り込んだ事に気づいている。


 泥縄商事が用意した経路で潜り込んだのに、こちらの動きがある程度察知されている。これは予定と違う。


 まだ襲われていない事から、完全に吾輩の位置を掴んでいるわけではない。しかし、交国本土で厳戒態勢が敷かれている以上、救出が難しくなっている。


『だってキミ、目立つ容姿じゃん。身体が神器と融合しちゃって、人間なのにロボットみたいになっちゃってるんだからさぁ……』


「吾輩の存在がバレたのはいつだ」


『多分、1時間前かな?』


 交国本土及び近海を守る交国第7艦隊が動くには十分すぎる時間だな。


『まあ心配しないで。こっちもキミの偽者を用意して攪乱しているから、交国側だってキミがどこを襲うかわかってないはずだよん』


「目星はついているだろう」


 いまこの時期にエデン残党が現れた。


 カトーが収容されている拘置所が狙われる可能性が高い。


 そう睨んでいるはずだ。実際、これから襲うつもりだからな……。


『敵の対応がちょっと早くなるだけだよ。神器使いのキミなら勝てるさ』


「貴様。吾輩を交国に売った(・・・・・・)な?」


 エデン壊滅以降、吾輩達は今日を生き抜くので手一杯だった。


 エデンの活動をする暇はろくになかった。


 ただ、だからといって罪が消えるわけではない。


 交国の軍門に下ったカトー達と違い、吾輩達は交国や人類連盟から逃げ続けている。いま活動していなくても、討っておきたい相手のはずだ。


「吾輩を殺すなり、捕まえる事に成功したら交国も人類連盟も喜ぶだろう。貴様は交国に恩が売れる」


『そんなことしないよ~! 泥縄商事(あたしたち)は確かに犯罪組織だけどね。犯罪組織である前に会社でもあるんだよ? 信用とお客様第一だよっ!』


 殊勝なことを言っているが、ヘラヘラと笑っている。


 本当にコイツが吾輩を売っていたとしても、おかしくない。


 吾輩もカトーも死ねば、エデンの火は完全に消される。エデンによる因果応報の代行が出来なくなるどころか、泥縄商事への報復も行えなくなる。


 そもそも、泥縄商事はエデンの敵だ。


 泥縄商事にとっても、エデンは「邪魔な相手」だったはずだ。


『キミの存在はバレているけど、キミのお仲間や泥縄商事まで交国本土に入り込んでいることはバレてない。囮として頑張ってちょうだいな』


「…………」


『要するにプランBだよ。こうなる可能性は考慮してたでしょ』


「泥縄商事が、吾輩達を売る可能性までは考慮していない」


『アハッ。犯罪組織相手に甘ちゃんすぎな~い? 無学な流民はこれだから』


「貴様……。吾輩はともかく、部下達まで交国に突き出したら――」


『それは絶対しない。キミ達の部下も全員生かして逃がす。カトー君と一緒に交国本土から脱出させる。それは契約書にもキチンと書いているからね』


 そこはキッチリ守るよ――などと言ってきた。


 サングラスをかけたままだが、真摯な顔で言ってきた。


 犯罪組織首領(こいつ)の言葉は信じるに値しないが――。


『どっちにしろさ……。キミはもう引き返せないんだよ、騒乱者(テロリスト)


「…………」


『キミはもう交国本土に足を踏み入れ、キミの部下達はあたしと行動している。作戦決行まであと数分。今更どうやって逃げる? カトー君を見捨てるの?』


「貴様……。本当に吾輩を売ったな?」


あたしは(・・・・)売ってないデェ~ス。真白の魔神(カミ)に誓っていいよっ』


 泥縄商事の社長(ドーラ)がケタケタと笑う。


 話にならん。


 だが……コイツの言っている事は事実だ。


 もう引き返せない。


 ずっと前から、吾輩はこうするしか無かったのだ。


 エデンに助けられ、エデンの戦闘員として戦う事を決めた日から。


 エデンで戦う以上、人類連盟から「テロリスト」と認定されるのは避けられなかった。それでも……助けられる人がいるなら悔いはなかった。


 吾輩には、この生き方しか無い。


 選べる道は1つだけ。ならば進むしかない。


 それでいい。それで、大事なものを守れるならば――。


「吾輩が生き残ったら覚悟しておけ、泥縄商事。新しい本社艦隊を用意しておけ」


『ふふっ。まあ、とりあえず契約通りに動くから信じてよ』


 泥縄商事の女社長は、指でサングラスを「くいっ」と上げ、ニヤリと笑った。


『今回の作戦は泥縄商事にとっても利益がある。交国は泥縄商事の商売を邪魔してくるから、たまには報復しないとね?』


玉帝暗殺未遂犯(カトー)を逃がして、赤っ恥をかかせる事でか」


『そうそう! 要するにキミ達の大好きな因果応報だよ! 交国は泥縄商事をイジメたから、仕返しするの! 手伝ってよ、代行者!』


「貴様らのそれは、ただの自業自得だろうが……」


『マジでキミの部下とカトー君は助けるよ。こっちは社長(あたし)がいるからねん♪ けど、キミの身はキミで守ってね?』


 吾輩に対する泥縄商事の仕事はここまで。


 交国本土への侵入経路を確保し、カトーが収容されている拘置所に出来る限り近づく。そこから先は……吾輩が自力でなんとかするしかない。


 カトー救出作戦の成否と、部下の無事は吾輩にかかっている。


 泥縄商事にはあまり期待できん。


『ちなみに、魂を売っていただければ~、さらに万全のアフターケアを――』


「不要だ。我らの魂は我ら(エデン)のモノであり、我らの征く道を決められるのは我らだけだ。泥縄商事(キサマ)社員(ドレイ)になるつもりはない」


 手もみしていた泥縄の社長が「それは残念」と言い、舌を出した。


『さて、そろそろ時間だ。こちらも準備完了。プランBで行くよん』


「……承知した」


 運転手に通信機を返し、礼を言う。


 ここから先は吾輩だけで征く。


 運搬車から下り、最寄りの街に向かう。


 街の入り口では交国軍による検問が行われている様子だが、街に人気は無い。


「やはり、避難が完了しているか……」


 あの街は、カトーのいる拘置所に一番近い。


 拘置所は大陸から離れた孤島にあるが、一番近い街はあそこだ。


 吾輩がそこを通る可能性は高いと考え、住民の避難を行っていたのだろう。……良かった。交国人とはいえ一般人は巻き込みたくない。


 住民の代わりに交国軍人が多数いるようだが――。


「問題ない」


 軍人なら、遠慮無く殺せる。


 彼らも死は覚悟しているだろう。


 吾輩も同じだ。


「交国軍! 聞こえるかッ!?」


 道路上から検問所に向け、叫ぶ。


 軍人の視線がこちらに向く。ギョッとしているのが遠目でも見えた。


 偵察用のドローンもこちらに飛んできている。


 それら全てに向け、叫ぶ。


「吾輩は! エデン第2実働部隊・隊長のファイアスターターである!」


 名乗りを上げ、進む。


「悪いが押し通らせてもらう! 命惜しくば退けッ!!」


 敵の銃器がこちらに向く。


 弾丸が飛んできたが、神器と融合した肌が弾いた。


 歩兵だけではなく、機兵が動き出している。


 アレと生身でやり合うのは、さすがに骨が折れる。


 ゆえに、使わせてもらう。


「展開せよ、神器解放(プロメテウス)ッ!!」




■title:交国本土の拘置所内の倉庫にて

■from:泥縄商事社長のドーラ


「おっ……。来た来た……」


 海を挟んで向こう側にある街。


 その方角で赤い閃光の後、爆音が響いた。


 ファイアスターターが交国軍と衝突し始めたようだ。


 こちらも動かないとねん。


「さて、エデン第2実働部隊の皆、準備出来てるかな~?」


「こちらはいつでも動けるが――」


 ファイアスターター君の部下が、銃を手に剣呑な視線を向けてきた。


「予定では泥縄商事が用意した戦力も、荷物に紛れて拘置所の倉庫で合流予定だっただろ? アンタの部下共はどこにいるんだよ……」


 一見、この場にはあたしとファイアスターター君の部下達しかいない。


 ただ、実際は他にもいる。


「合流済みだよ? はい、皆出てきてねー」


 手をパンパンと叩くと、倉庫内の箱が蠢き始めた。


 その中から武装集団がゾロゾロと出てきた。


「なっ……!? こ、こんなにいたのか……?」


「何でだ? そこの箱、さっき泥縄に言われて中身を出した(・・・・・・)のに……何も入ってない状態にしたのに、なんで人が出てくるんだよ……」


「おや。キミ達はあたしの異能(・・)を知らないんだねぇ」


 若いテロリストかな?


 古株のメンバーはわかっているらしく、表情を硬くしている。


 多分、エデンによる「泥縄商事殲滅作戦」に参加してた子達だろうね。


 おぞましいものを見る目つきで、箱からゾロゾロ現れてくるあたしの社員(ぶか)達を見ている。まあ、正体知ってるとキモく見えるよねぇ~?


「とりあえず小隊分(さんじゅうにん)用意したけど、他にも動かす予定だから安心してねん。ま、最終的に作戦成功するかはキミらの隊長次第だけどさっ」


 カトー君を逃がせるか否かは、ファイアスターター君の活躍次第。


 キミらの命も同じ。


 まあ頑張ろう。契約通り出来るだけ守るから。


「さ、行こうか。カトー総長代理救出作戦、開始だよっ」






【TIPS:泥縄商事】

■概要

 多次元世界の広域で活動する犯罪組織。ただしカヴン傘下組織ではない。


 武器、傭兵、兵站管理サービスなど「戦争に必要なもの全般」の取引を生業としている闇商事。大規模な死の商人集団。


 人類連盟から睨まれている組織とはいえ、金さえ積めば機兵でも方舟でも手配してくれるため、国家ですら泥縄商事と関係を結ぶ事も珍しくない。


 規模が大きい事もあって人類連盟でも潰せずにいる。


 構成員ならぬ「社員」達の「社長」に対する忠誠心は非常に低く(・・・・・)、いつ空中分解してもおかしくない組織。だというのに分裂もせず、大組織のまま活動し続けている。ただし内紛はちょくちょく起きている。



■後進世界への介入

 泥縄商事は特に「後進世界の紛争」を煽っている。


 槍や弓で戦っている後進世界に機兵を融通し、パワーバランスをひっくり返すという大人げない介入を行い、武器弾薬提供の対価に「その世界の採掘権」「違法な武器工場建設協力」「奴隷取引」などを取り付けている。


 人類連盟が介入した時にはもう、泥縄商事はさっさと逃げ出した後。人類連盟の常任理事国が本気を出しても泥縄商事は滅ぼせずにいる。


 ただ、人連加盟国にとって「後進世界への介入」はその世界の支配の足がかりとなる。そのため泥縄商事が起こす騒乱は、ある意味では人連に都合がいい。


 人連加盟国の中には第三者を通じて泥縄商事を動かし、後進世界の治安を意図的に悪化させた後、正規軍による介入・支配を行う――という国家も存在する。交国もたまに使っているが、証拠を掴ませず、しらばっくれている。


 だからこそ泥縄商事は人連に滅ぼされずに済んでいる――なんて事はなく、泥縄商事はしばしば人連の思惑を超えるため、人連も泥縄商事討伐を試みている。


 泥縄商事がしぶというえに、人連加盟国が裏で仕事を回してしまう事もあり、未だ滅ぼせずにいるが。識者達は「仕事を回してしまっている時点で、本気で討伐しようとしていない」と批判している。



■エデンと泥縄商事

 弱者救済を掲げる<エデン>と、弱者を食い物にしている<泥縄商事>は長年に渡って戦い続けてきた。


 エデンが泥縄商事の「本社艦隊」を滅ぼした事もあり、それで大損害を負った泥縄商事は一時、倒産の危機に瀕した事もあった。


 それでも何とかしぶとく復活し、せっせと悪事を働いているが、泥縄商事の社員にエデンを恨む者は多い。泥縄の社長自身が「うおおおお! エデン! 許さへんッ!」と宣言している。


 ただ、泥縄商事は金さえ出せば犬のように懐いてくるため、エデンが金さえ出せば泥縄商事をアゴで使う事も不可能ではない。


 もっとも、エデンは万年金欠組織であり、マーレハイト共和国の戦いで壊滅的打撃を負った以降は、さらに経済的な余裕がなくなっている。


 組織解散後もファイアスターター率いる残党がいるが、そちらも金銭的に余裕のある者達ではない。そのため多くの国が「泥縄商事とエデンが手を結ぶなど、絶対に有り得ない」と考えていた。





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