カッコわるい男達
■title:港湾都市<黒水>の交国軍保養所にて
■from:死にたがりのラート
ヴィオラに抱きしめられて、顔がめちゃくちゃポカポカする。
こっちから抱きしめ返すと、胸がドキドキして苦しくなった。
熱いし苦しいのに、もっとギュッとしてたい。
結構な時間、ギュッとし合っていると、ヴィオラがそっと離れた。
「…………」
ヴィオラが離れていった空間に、夜の空気が流れ込んでくる。
その冷たさが、余計に名残惜しさを強めてきた。
「…………」
「…………」
「……ヴィオラ、めちゃくちゃ顔赤くねえか……?」
「なっ……!!」
暗闇の中、ヴィオラの顔をよく見ると顔真っ赤になっていた。
ヴィオラは両手をバタバタ動かしつつ、「これは医療行為の副作用ですっ……! 仕方のないことなんですっ……!」などと口走った。
「ラートさんだって顔赤いですよっ!」
「うっ……。だ、だろうな……。メチャクチャ身体がポカポカする……」
「ねっ!? そうなるでしょっ!? これはですねっ、そこまで効果の高い医療行為なんです……! ぜんぜんっ、やましい行為ではないんですっ!」
ヴィオラが「わかりましたか?」と言いながら指を突きつけてきたので、コクコクと頷いておく。疑ったら怒られそうだし……。
「ま……また、ギュッとしあいましょうねっ? これ、医療行為ですからっ……。必要なことだから、またやりましょうねっ!?」
「おっ、おうっ……!」
「ではっ、おやすみなさいっ……!」
「おやすみっ……!!」
ヴィオラは何故か慌ただしく去っていった。
送ってやりたかったが、胸がドキドキしっぱなしで身体がおかしい。
ドッと疲れ、近くのベンチに腰掛ける。疲れたといっても……悪い疲れではない気がする。でも、足がフニャフニャになる疲れだ……。
まだドキドキしている胸をさすりつつ、何とか落ち着こうと試みる。そうしていると、誰かが保養所の建物からトコトコやってきた――。
「ヴィオラ――――じゃねえ、フェルグスっ!?」
「…………おう」
ヴィオラが戻ってきたのかと思ったが、全然違った。
フェルグスが、何故か不機嫌そうな顔でこっちにやってきた。
顔がまた火照り出す。まさか、俺らが抱きしめ合ってたの見られてたのか?
見てたのか? と聞くと、フェルグスは嫌そうで――それでいて気まずそうな表情を浮かべながら「仕方ねえだろ……」とこぼした。
「部屋にヴィオラ姉もアンタもいなくなってたから、どこ行ったのかと思って探しにきて……。庭に2人分の魂が観えたから見に来たら……」
「お、俺とヴィオラを見つけた、と」
「おう……」
「は、話も聞こえてたのかっ……?」
フェルグスは手を振りつつ、「いや、さすがにそこまでは……」と言った。
言いつつ、俺の隣に座ってきた。
「医療行為云々の話しか聞こえてねえ。……なにやってんだよアンタら」
「それは、そのぅ……」
「…………ハァ。まあいいや。……こっちはヒヤヒヤしてたんだからなっ」
フェルグスは俺の足を軽く蹴りつつ、「お前から抱きしめに行って、ヴィオラ姉が嫌がってたらオレは絶対許してなかったぞ」と言った。
「ヴィオラ姉からガバッと抱きしめに行って……お前も、ヴィオラ姉に優しくしてたから……。まあ、許してやるけどよっ……!」
「メチャクチャ見られてた……!」
「そっちがダラダラとイチャイチャしてんのが悪いんだろぉ……!?」
オレだって見たくなかったよっ! なんて言われた。
なんか……よくわからんが、ごめん。
「……お前にも、ちゃんと言っておいた方がいいよな」
「あん?」
「どういう経緯で、医療行為が発生したかなんだが――」
過去の話をする。
俺の過去の話を。
フェルグスは最初、どうでもよさそうに聞いていたが、次第に真面目な表情になって最後まで黙って聞いてくれた。
「……で、ヴィオラ姉はアンタを悪くないって言ったわけだな」
「うん……」
「実際、悪くねえだろ。悪いと思ってんのはアンタぐらいだよ」
「そんなことは……無い」
久常中佐は俺が悪いと思っているはずだ。
攻略戦の酷い状況と、「中佐」の職務の重さや、「玉帝の子」という立場の重さに心をやられてしまったんだと思う。
あの人も……被害者なんだ。多分……。
「アンタが幸せになったら、昔の仲間も喜んでくれるよ」
「そんなことは……」
「は? お前、昔の仲間のこと、悪く考えてんの? お前の不幸を願う性格の悪い集団だと思ってんの?」
「そんなことねえよっ……! 皆、俺の家族みたいに大事な人達で……!」
すごく大事な人達だった。
皆とずっと一緒にいたかった。
それなのに、俺だけ生き残っちまって……。
「家族なら、アンタの幸せを願ってるだろ」
「…………」
「その人達のためにも、幸せになればいいじゃん。その方が喜ぶ人達だろ?」
「……そうかも、しれないけど……」
「…………。ま、いいや」
フェルグスはベンチに横になり、空を見上げた。
俺の太ももに足を置きつつ、嘆息した。
「ヴィオラ姉が、なんとかしてくれるだろ」
「……ヴィオラ、俺のこと『情けない男』と思ったかなぁ……?」
「ハァ?」
「だって、俺……カッコ悪いだろ? カッコ良いとこ1つもないだろ?」
俺は今までずっと虚勢を張っていただけ。
お前らやヴィオラ相手に「頼りがいのある交国軍人」のフリをしていただけ。
全部ウソなんだ。「ラート軍曹」なんて存在は――。
軍曹の皮の下には、「オズワルド・ラート」という情けない男しかいないんだ。
「カッコ悪い奴って、バレちまったんだ」
「まあ確かに……今のアンタ、しんなりしてて情けない雰囲気たっぷりだな」
「うぅ……」
「けど、ヴィオラ姉は……そういうのも好きだと思うぞ」
「そっ、そうなのかっ?」
フェルグスに顔を近づいて問いかけると、「キモい。顔近づけんな」と手で顔を押し返された。
「ヴィオラ姉、お世話大好き人間だし……。アンタのこと、世話のしがいのある……かわいいやつだって……思ってんじゃねえの……?」
「そ、そうかなぁ…………」
「…………。ヴィオラ姉は、アンタにもっと頼ってほしいんだと思う。アンタの弱さを見て、『守ってあげたい』って強く思ってんじゃねえの?」
フェルグスの言葉を受け止め、よく考えてみる。
けど、よくわからなかった。
情けない男なんて、ウケる要素ないだろ――と思った。
それを素直に伝えると、フェルグスは起き上がった。
イライラした様子で起き上がってきた。
「なんでわかんねえかなぁ~……! このクソオークはよぉ~……!! 味覚と痛覚だけじゃなくて、感情も死んでんのか……!?」
「ごっ、ごめんっ……!」
でも、俺はそこまでおかしいこと言ってるか?
「ヴィオラ姉は、アンタのこと守りたいんだよっ……!」
「な、なんで? ヴィオラの方が賢いけど、腕っ節はさすがに俺の方が上だぞっ? お前らに対して『守ってあげたい』と思うならともかく、俺はおかしいだろ?」
「おかしくねーよっ! ばかっ!」
フェルグスはイライラがさらに増しているらしく、立ち上がった。
頭をワシャワシャと掻きつつ、苛立った様子で「何でオレがこんな……気を揉まないといけねーんだよっ……!」とボヤき、言葉を続けた。
「何でわかんねーんだよっ!? ヴィオラ姉は、お前のことっ……!」
「…………?」
「っ……! くっ……! あぁぁぁっ……! もうっ……!!」
フェルグスの手が伸びてくる。
叩かれるかと思って、少し身構えていると――小さな手が俺の肩に置かれた。
フェルグスは正面から俺を睨みつつ、口を開いた。
「要するに、ヴィオラ姉は……! お前のこと『好き』ってことだよっ!」
「は? はあ……?」
「言っとくけど、この『好き』はヴィオラ姉がオレ達…………アル達に向けてる『好き』とは、違うからなっ!? ……特別な、好きだ」
「特別って――」
「さすがに、ここまで言えばわかるだろ!?」
頷く。わかる。フェルグスが言いたい事は、一応わかるが――。
「いや、さすがにそれはねえだろ……」
「なんでだよ!? わかれよ!」
「俺は戦うしか能がねえバカだ」
今までずっと軍人としての人生を歩んできた。
軍人に特化した人生だ。それはこれからもそうだろう。
その事に後悔はないけど――。
「ヴィオラと俺じゃ、釣り合いが取れねえだろ……」
俺は不細工だ。同じオーク相手ならともかく、それ以外の種族には怖がられる強面だ。慣れてもらったら「アホ面」って言ってもらえる事もあるけど。
どっちにしろ、不細工だ。イケメンじゃねえ。
「ヴィオラは可愛い。可愛いうえに優しくて、頭もメチャクチャ良い。技術者とか研究者としてやっていけそうで……あんな気立てが良ければ、相手もよりどりみどりだろ? 俺なんかじゃ――」
「ばか! ヴィオラ姉が可愛くて優しくて頭良いのなんて当たり前だろっ!?」
フェルグスは俺の肩を持って揺さぶりつつ、語りかけてくる。
何故か、必死の様子で――。
「他の誰かと比べたら、確かにお前はヴィオラ姉と釣り合ってねえかもだけど……重要なのは本人達の気持ちだろ!? お前、ヴィオラ姉のこと嫌いなのか!?」
「す、好きだよっ……!」
あまりにも必死の様子だから、俺もそれにつられた。
釣り合ってないのはわかってる。
でも、惹かれているのは事実だ。
「そりゃ……好きだよっ! ヴィオラのこと……! でもっ……」
俺の気持ちは決まってる。
けど、それは重要な話じゃねえ。
「ヴィオラは、さすがに俺のこと別に……そんな……」
「どうでもいいって思ってたら、あんな風に抱きしめたりしねーよっ!」
「い、いやっ、でもっ……ハグぐらい、お前ら相手にもしてるだろ?」
よくしているのを見かける。
ニコニコ笑顔を浮かべたヴィオラが、ギューッ! と子供達を抱きしめているのは何度も見てきた。グローニャも同じテンションでハグを返していた。
フェルグスとか、アルとか、ロッカは恥ずかしがってたけど――。
「あんなの、ヴィオラにとってフツーのことで……」
「フツーじゃない。ヴィオラ姉、顔真っ赤にしてただろっ?」
フェルグスは建物に入っていくヴィオラの横顔を見たらしい。
オレからチラッと見えたヴィオラ姉は、耳まで赤くしてたぞ――と言ってきた。
「オレ達相手に……あんな、反応……するわけ、ねえじゃん」
「そりゃ……俺相手には慣れてないだけだって……」
「いい加減、わかれよバカっ! ヴィオラ姉はお前のこと好きなんだよっ!」
「そんなの、お前にわかる話じゃないだろっ!」
フェルグスは俺の両頬に手を伸ばし、俺に視線を逸らさないよう促してきた。
その手を退けてもらい、言う。
俺の気持ちは、俺にしかわからない。
俺はヴィオラが好きだよ、そりゃあ好きになっちゃうよっ!
ヴィオラ優しいし可愛いし……子供達のこと大事にしてるしっ……! か弱いくせに、子供達を救うために頑張ってる姿……カッコいいもん! そりゃ惚れるよ!
でも、ヴィオラの気持ちは、ヴィオラにしかわからない。
「お前はヴィオラじゃない。ヴィオラの気持ちなんて、わからないだろっ!?」
俺の言葉は正しい。
正論だ。
そう思って言ったのに――。
「わかるよっ!!」
フェルグスは、そう叫んできた。
■title:港湾都市<黒水>の交国軍保養所にて
■from:フェルグス・マクロイヒ
「わかるんだよっ! オレはお前よりヴィオラ姉と付き合い長いんだ!」
ずっと傍にいた――つもりだった。
ヴィオラ姉が……オレのこと、「弟」としか見てなくても……それでも……。
「ずっと見てたから、わかるんだよっ……!」
悔しいけど、わかっちゃうんだよ。
お前と話している時のヴィオラ姉が、すごく楽しそうだってこと。
お前と一緒にいるヴィオラ姉が、お前に寄り添って信頼預けてることも。
全部……全部見てきた。
全部わかってる。
お前に対するヴィオラ姉の振るまいは、お前に対してだけのモノってこと。
……オレのことは、同じように扱ってくれないってこと……。
「オレには、わかっちまうんだよっ……。ヴィオラ姉がアンタに向ける視線が、オレらに向けるものとは別物だって……」
「…………」
「お前は、ヴィオラ姉の特別なんだ」
認めたくない。
イヤだ。いやだ、いやだ、いやだ、いやだ……!
そんなのイヤでも……事実だってわかっちまうから……。
オレじゃ、敵わないから……。
「ヴィオラ姉は、お前のこと好きなんだよ……」
「ふぇ、フェルグス……?」
ラートがオレの顔を見ないよう、手のひらで目に覆いをしてやる。
いま、見られるの、ぜったいにイヤだ。
それだけは許せない。それだけは、ムリだ。
ヴィオラ姉は……コイツと一緒の方が……幸せに、なれるんだ。
「お前と話してると、イライラする……」
「す、すまん……。ええっと……?」
「とにかく、わかれよっ! オレより年上のくせに……! 女の子の気持ちとか、ちゃんと……見てやれよっ! ばかっ……!」
自分の気持ちは、自分だけのものだ。
オレの気持ちは、オレだけのものだ。
こいつにはわかりっこない。
ヴィオラ姉のことも、きっと理解できないだろうよ。
けど、ちゃんと真っ直ぐ見てたら……わかることもあるんだよ。
全部わからなくても、それでも……わかっちまうんだよ。
「もう寝る。おやすみ」
「お、おうっ……」
オレを送って行こうとするラートに、「ついてくんな!」と叫ぶ。
いま一緒に来られたら、きっと耐えられない。
「……また明日な」
お前に対して怒ってるわけじゃない。
それを伝えるためにも、何とか言葉を絞り出す。
……多分、なんとかギリギリ涙声には聞こえなかったと思う。
軽く走って保養所の中に入っていくと、マーリンが「にゃぁん」と鳴きながらオレの胸に飛び込んで来た。
それを抱き留めつつ、物陰で立ち止まる。
マーリンをギュッと抱きしめて、堪える。
『兄弟。……よく頑張ったな』
エレインもやってきて、オレに声をかけてきた。
妙に優しい声で、イライラする。
……イライラするのに、目がキュッと熱くなってきた。
ガマンしてたものが、ポロリと――。
「どっか行けぇっ……! ばかっ……!」
『カッコ良かったぞ』
「うるせぇ~っ……!!」
オレのどこがカッコ良いんだよ。
カッコ悪いからダメなんだ。
ラートみたいになれないから……オレは『特別』になれなかったんだ。
アイツみたいに……信頼してもらえなかったから……。
「下手なお世辞、やめろっ……。ばぁか……! ばぁ~かっ……!」
『世辞ではない。私は、お前の全てを好ましく思っている』
「おまえなんかに……好かれても……うれしくねーや……」
『そうか? 私は兄弟のことが大好きだぞ』
『ふんっ……!』
負けだ。
完全に、オレの負けだ。
それを認めたら……ちょっとだけ、楽になった。
■title:港湾都市<黒水>の交国軍保養所にて
■from:死にたがりのラート
駆け去って行くフェルグスを見送った後、またベンチに腰掛けた。
ヴィオラが俺のことを、特別に思っている?
そんなわけない。
俺なんかとヴィオラじゃ、全然釣り合わない。
「…………」
釣り合わないとしても、嬉しく思ってしまう。
もし……本当にヴィオラが俺を特別に想ってくれているなら……すごく嬉しい。
アイツと一緒になれたら、きっと……もっと嬉しい。
「…………はぁ」
けど、そんな未来は存在しない。
俺は交国軍人で、ヴィオラは特別行動兵だ。
交国がアルやフェルグスにウソをついているのは確定していて……このままじゃ、もっとキツい目にあう可能性が高い。
子供達を戦場から――いや、交国から逃がしてやらないといけない。
ヴィオラは子供達についていく。逃がした後も大変だからな。子供達だけじゃ……交国から逃げた後、野垂れ死んでしまうかもしれない。
でも、ヴィオラがいれば、きっと安心だろう。
「…………」
俺は一緒にいけない。
ヴィオラを選べない。
その時点で、俺じゃダメなんだ。
俺には家族がいる。交国に母ちゃんと弟を置いていけないし……俺の都合で2人と一緒に交国の外に逃げるなんて許されない事だ。
それに、俺は俺なりに軍人仕事に誇りを持っている。
今後もずっと、交国軍で戦っていきたいと思っている。
交国は確かに腐っている。どこかが腐っている。けど、俺が頑張っていれば……そのうち、国の内側から腐っているところを直せるかもしれない。
戦い続けていれば……中尉達の仇も取れるかもしれない。
国のために、人類のために、家族のために、皆のために戦い続けなきゃ。
「……大丈夫。ヴィオラ達なら、きっと上手くやれる」
ヴィオラは可愛いし頭良いしな。
逃げた先で、めちゃくちゃいい男と出会えるだろう。
そしたら、そいつと一緒になって……家庭作ったりして……。
「……………………あぁぁ…………」
顔面を両手で覆う。
いま考えたのは、ヴィオラが幸せそうにしている姿のはず。
好きな女が幸せになった姿。
それを考えただけなのに、めちゃくちゃ……嫌な気分になった。
ヴィオラに幸せになってほしい。
本気でそう思っているのに、今の想像で……めちゃくちゃ嫌な気分になった。
ヴィオラの隣にいるのが、俺の知らない奴と想像したら――。
「…………ハァ~……」
心臓が、ギュッと締め付けられる気持ちになった。
「……オークに生まれて良かった」
俺達は痛みを感じない。
それなのに、これだけ苦しいんだ。
俺、オークじゃなかったら……今ので死んでたかも。
「交国軍人で、オークだから……俺は、幸せなんだ」
皆のために戦える。
これほど素晴らしいことはない。
オーク以外に生まれていたら、弱っちい俺はもう死んでいただろう。
オークという下駄を履いていることで、何とかなっているんだ。
「……これでいいんだ」
ヴィオラと子供達を逃がす方法を、何とか考えよう。
それは交国に逆らう行為かもしれない。
それでも、アイツらも幸せにしてやりたいんだよ。
全部守りたいんだ。国も家族もアイツらも。
全部何とかする方法……考えないと。
…………このまま、待っているだけじゃ、多分ダメだ。
「待っているうちに……カトー特佐は捕まった」
このまま流された先に、酷い運命が待っているなら行動しなきゃ。
流されて、これ以上状況が悪くなる前に……何とかしないと。
俺の行動で、運命を変えるんだ。
どうすりゃいいのかわからないけど、俺にだって出来ることはあるはずだ。




