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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第2.0章:ハッピーエンドにさよなら
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お子様の逢い引き



■title:港湾都市<黒水>の交国軍保養所にて

■from:死にたがりのラート


 皆が戻ってきてくれた事で、保養所の警備体制を強化できた。


 さすがに悪人共も……交国軍の保養所には突撃してこないと思うが――。


「見張っておくか」


 ヴィオラ達がいるフロアを巡回したり、建物の外を見て警戒する。


 誘拐犯は捕まったとはいえ、色々と大変な状況だ。


 悪人共が来ないにしても、誰か巡回していた方がヴィオラ達も安心して眠れるだろう。そう思いながら巡回していると――。


「ラートさん……?」


「おう、ヴィオラ。便所か」


「や、そうじゃなくて……」


 部屋から出てきたヴィオラが恥ずかしそうに笑う。


 どうやら眠れないらしい。


 ちょっとお話しませんか――と誘われ、2人で廊下のソファに座る事にした。……ヴィオラは少し疲れた顔しているが、それでも眠れないらしい。


「まあ、いまは休暇中なんだ。夜中に眠れなくても、昼間寝るのもアリだぞ」


「すみません……」


「謝るなって。ああ、そういえば――」


 ヴィオラの顔を見ていると、実は気になっていた事を思い出した。


 気になっていたけど、言える雰囲気じゃなかったから言わずにいたんだが――。


「今日のお前、メチャクチャ可愛くなかったか?」


「は? えっ? へぇ!?」


「いや、いつも可愛いと思うけど、今日は特にスゴかったというか――」


 黒水に戻ってきて、ヴィオラと再会した時から思っていたんだ。


 な~んか……前と雰囲気違うんだよな。


 たった数日会っていなかっただけなのに……。


「あっ! そういや、今日は初めてみる服装だったな!?」


「は、はい……」


 ヴィオラは視線を泳がせつつ、「皆さんのカンパで服を買っていただいてぇ……」と漏らした。副長に服屋に連れていってもらったらしい。


「すげー可愛かった、他の服も買ったのか?」


「ぬぁっ…………ナイショ、ですぅ……」


「明日の楽しみにしとけ、ってことか? へへっ、いいねぇ」


 ヴィオラ可愛いもんな~。


 休暇中だから、いつもよりずっとオシャレしてくれそう。


 明日の服装を考えてウキウキしていると、ヴィオラはなぜか頬を赤らめながら「明日はいつもの修道服(コスプレ)にしますぅ……」なんて言ってきた。


 どうせなら買った服を見せてくれよ~、と泣き真似しながら懇願する。


 ヴィオラは何故かメチャクチャ狼狽えていたが、それでも最後には「わかりましたよぅ……」と言ってくれた。居心地悪そうに髪をイジりながら。


「……ラートさんはズルいです。奇襲はズルいですっ……」


「はぁ? ええっと……ごめん?」


「ぬぅ…………」


 ヴィオラはしばらく「ぬぅ」と唸るだけだったが、謝り続けていると許してくれたのか、ちゃんと話に応じてくれるようになった。


 ヴィオラからも話題を振ってくれた。


「今日の誘拐犯さん達……本当は何者なんでしょうか?」


「わからん。けど、あとの捜査は警備隊とかに任せるしかないだろ」


 黒水警備隊はあくまで黒水の警備隊。


 領主である黒水守のおかげで、黒水での捜査権限も与えられているようだが……黒水の外の事になると警備隊の手には負えなくなってくる。


 警備隊長が言っていた「黒水外にいる交国人の嫌がらせ」だった場合、まともに捜査できなくて完全に迷宮入りするかもなー……。


 まあ、ちゃんとした捜査が行われるのを信じるしか無い。


「あの人達、私だけを連れて行こうとしてましたよね……?」


「そう……だな」


「ひょっとして、私の過去を知っている人達だったり……?」


 ヴィオラが軽く身を乗り出し、問いかけてきた。


 その可能性もあるかもしれないが――。


「ヴィオラの過去を知っていたとしても、それがどうして誘拐に繋がるんだ?」


「それは……」


「本当に知っているなら、フツーに声かければ良かっただろ? 『オレオレ、オレだよオレ』って言いながらさ」


「そんな、詐欺の手口みたいな……」


「まあ、ともかく考え過ぎんな。いま俺達にわかる範囲じゃ、どれだけ考えてもわかりっこねえよ」


 考えすぎて嫌な考えばかり浮かんでくると、ヴィオラも不安なはずだ。


「ここは交国本土。交国の本拠地だ。ここでムチャやっているような奴らがいたら、交国政府も黙ってねえよ」


 あんまり火遊びが過ぎると、交国政府が全力で動き始めるはずだ。


 交国にもメンツがある。今はカトー特佐絡みで忙しいと思うが、その混乱の隙に好き勝手やる奴がいるなら全力で締め上げてくるはずだ。


 黒水守も良い人っぽいし……きっと大丈夫だ。


 フェルグスや俺のこと見逃してくれたしな。特佐との関係は複雑っぽいし、「ファンってなんだよ」とも思うが……善人なのは確かだろう。


「それに俺達もいる。お前達全員、守ってみせる」


 ヴィオラの手を取りつつ、そう言い聞かせる。


 カトー特佐絡みの話はさすがにまだ心配だが……誘拐犯如きなら、隊長率いる星屑隊がいればどうとでもなる。機兵無くてもきっと大丈夫だ。


「ありがとうございます……。でも、無理しないでくださいね……」


 ヴィオラが微笑み、俺の手を握り返してきた。


 無骨な俺の手と違って、すげー華奢な手。


 震えていたりはしないが……それでも多分、不安でいっぱいのはずだ。


 俺からも握って「大丈夫」と言い聞かせる。


「あと、私の事は後回しにしてください」


「えぇ? なんでだよぅ」


「子供達を最優先でお願いします」


 ヴィオラは真っ直ぐ俺を見つめながら、言葉を続けてきた。


「私と子供達。両方が危ない時は、子供達優先で助けてください。誘拐の時とかは……私がさらわれても、子供達の安全確保を第一に――」


「いや、両方助ける」


「……ラートさん達が強くても、どうしても無理な時はありますよ」


 だから子供達優先で――と懇願された。


 嫌だ。全員守る。


 そう言ったが、ヴィオラはまったく譲ってくれなかった。


「わ……わかったよ。本当にどうしようもなくなった時はな?」


「ありがとうございます。……これで安心して眠れるかもです」


「本当にどうしようもなくなる前に全員助けるから、もっと安心してくれ!」


「はいっ」


 ヴィオラがニコニコと笑いつつ、俺の手をニギニギしてきた。


 ちょっとドギマギしつつ、ちょっと……ちょっとだけ指に力を込める。


 ヴィオラの柔らかくて細い手の感触を、ちょっとだけ確かめる。


 ちゃんとここにいる。ヴィオラは無事だ。無事なんだけど――。


「今日はごめん」


「え?」


「いや、前々から守るつもりだったけど……今日は守れなかったじゃん」


 ヴィオラを危ない目にあわせちまった。


 誘拐犯から何とか取り返せたものの、少しケガさせた。


 ヴィオラは俺達と違って丈夫じゃないのに……。


 俺の言葉を聞いたヴィオラは苦笑し、「いやいや、今日のはメチャクチャ守ってもらえたカウントですよっ」と言ってくれたが……俺は納得できない。


「詫びとして、俺になんか出来ることねえか? 何でもするから」


「な、何でもですか……」


「おうっ。何でも言ってくれ」


 両腕を広げ、そう宣言する。


 ヴィオラはそわそわしつつ、何を言うか迷っているみたいだったが――。


「…………じゃあ、」


「おっ? んおっ……!?」


「こ……これで……」


 ヴィオラが、何故か抱きついてきた。


 両腕を広げていた俺に対して身を寄せ、腰にキュッと手を回してきた。


「ヴィオラ……!?」


「……ギュッとしてください。……な、何でもしてくれるんですよねっ……?」


「おぉぉ…………」


 さっき以上にドギマギしつつ、ヴィオラを抱きしめる。


 力を込めるのが怖い。


 俺なんかがギュッとしたら、壊れちまいそうなほど華奢だ……!


「ら……ラートさんっ。もっとギュッてしてくださいっ……」


「こ、これ以上かっ……!?」


 俺の肩に頭を預けていたヴィオラが、耳元で喋ってきた。


 めちゃくちゃこそばゆい。ムズムズする……!


 頭がどうにかなりそうだ。クラクラする……。


 俺が気絶しそうになっていると、ヴィオラは解放してくれた。


 ちょっとあっち向いててください――と言い、俺の顔をグイッと押し、視線を無理矢理変えてきた。何でかわからんが……。


「…………」


「…………」


 抱きしめ合うの、めちゃくちゃ良かった……。


 心臓バクバクでヤバい感じだが……すげー良かった。


 ヴィオラが耳元でコソッと喋ってきたのも……すげー良かった。


 しばらく向こう向いていると、ヴィオラが「もういいですよ」と言ってくれた。もう顔を見てもいいらしい。


「な、なあ、ヴィオラ……」


「な、なんですかぁっ……!? 何でもって言ったのは、ラートさんですよっ?」


 何故かちょっと怒ってるヴィオラに告げる。


 言うか迷ったが、気になったので聞いてみる。


「お前、なんか顔赤くね!?」


「なっ……!! ら、ラートさんほどじゃないですよっ!?」


「えぇ~っ……!? お、おれ、顔赤いかっ……!?」


「ええ、ええっ! それはもう、林檎のように真っ赤ですとも……!」


「じゃあお前も一緒じゃん! というか、今のなんだよっ!?」


「うるさい」


 近くの扉が開き、そこから「うるさい」と声が聞こえた。


 ヴィオラと2人、ギョッとなりつつ声の方向を見る。


 隊長がいた。


 枕を抱え、ナイトキャップを被った隊長が機嫌悪そうに目を細めている。


「きさまら……。いま何時だと思っている……ころすぞ」


「「す、すみません……」」


「起きていても構わんが声を潜めろ。せめて、ロビーに行け……ころすぞ」


 2人で「失礼しました……」と頭を下げると、隊長はパタンと扉を閉めた。


 声を潜めつつ、ヴィオラを言葉を交わす。


「いまのはラートさんの所為ですよっ……!?」


「元を正せばお前が変なことするから~っ……」


 抗議すると、ヴィオラはまた視線を泳がせ、「私はオキシトシン目的でハグしただけですしぃ~……」などと言いやがった。


「なんだよ、オキキキキンって……」


「オキシトシンです。こう……脳が幸せ……じゃなくてっ……! 心を安定させるためにはハグでオキシトシン出すのがいいんですよっ……」


「そ、そうなのか?」


 すげえ、科学的根拠がある行動だったのか。


 やっぱりヴィオラは頭がいいな……。


 ヴィオラはそわそわしつつも、「おかげで落ち着いてきたので……お部屋に戻って大人しくしてますねっ……」と言って立ち上がった。


 見送るためについていく。


 マジで困ってる事あったら、何でも言ってくれと言う。


「力になりたいんだ。守りたいんだ、お前を」


 真面目にそう言うと、ヴィオラはくすぐったそうに笑みを浮かべた。


 ありがとうございます――と言って、自分の部屋の扉を開いた。


「いつでも頼ってくれよな」


「はい。……じゃあ、その……もう1回だけいいですか? オキシトシン……」


「おっ……。おうっ。ドンと来いっ……!」


 両腕を広げ、待ち構える。


 軍学校の格闘技の授業より緊張する。教官のタックルより強いぞ、これは。


 強いけど……めちゃくちゃいい。オキなんちゃら最高……!!




■title:港湾都市<黒水>の交国軍保養所にて

■from:狂犬・フェルグス


「…………」


 やっぱ師匠が捕まるのはおかしい。


 交国は前からずっと「おかしい」と思ってきたけど、やっぱおかしいままだった。師匠は良い人なのに……絶対、なんかおかしい。


「…………」


 アル達が危険になると大変だから、師匠のとこに行くのは……やっぱダメだ。


 すげー薄情かもだけど……オレは、やっぱ、アル達の方が心配だ。


 心の中で師匠に「ごめん」と謝る。


 でも、オレ様に出来ることをやって、何とか師匠の援護を……!


「あっ。くそっ……開かねえ……」


 部屋から出ようと思ったけど、出れねえ!


 鍵が閉まってる。それも内側から閉まる鍵にされてる。


 巫術で鍵に憑依する事も出来るけど、鍵には混沌機関とかついてないし、憑依したところで動かせねえ。どうしよ……。


「くそ~っ……」


「おーい、コラー……」


「ひっ……!」


「なぁ~に抜け出そうとしてんだぁ?」


 同室の人間――副長が起きてきた。


 寝たから、この隙に部屋から出てやろうと思ったのに……!


 副長につまみ上げられ、ベッドの方に連れて行かれる。


 くっそー……! 力じゃ勝てないし、こいつ怖いっ……!


「なんで副長と同じ部屋なんだよ~っ……!!」


「だってお前、カトー特佐のとこに行こうとするだろ……」


「違うって! さすがに、いま師匠のとこ行くのヤバいってわかったもん!」


 師匠のとこに行くつもりじゃない、と説明する。


 本当にそんなつもりじゃなかったんだ。


「師匠の無実を証明するために、色々調べようと思ってたんだ」


「色々って?」


「例えば、町の人に話を聞くとかさ……!」


 良い案は思い浮かばないから、とりあえず誰かに話を聞きに行こうと思ってたんだが――その考えは副長に鼻で笑われた。


 んなことしても、カトー特佐はどうにもできねえよと笑われた。


「お……オレだって、それだけじゃダメなの、わかってるっ……!」


「…………」


「けど……けどっ……! オレに優しくしてくれた師匠を、このまま見捨てるのなんて……あんまりにも、ズルいし……ダサいだろっ……!?」


 自分が情けなくて、目元と頭がカーッと熱くなる。


 副長がため息ついて、「わかった。泣くな」と言ってきた。


「泣いてねえしっ……!」


 目元をグシグシと拭う。


 ホントに泣いてねえもんっ! ちょっと……ちょっと熱いだけだっ!


「あのな、フェルグス。世の中にはどうしようもねえ事もあるんだ」


 副長はオレをベッドの上に乗せ、向かいのベッドの縁に座った。


 そんで、いつものヘラヘラ笑いじゃなくて、真面目な顔で語りかけてきた。


「カトー特佐の件はそれだ。理不尽だと思うが、あの人の事は諦めろ」


「なんでだよ~っ……」


「交国の強さはお前もわかってるだろ」


 わかってる……つもりだ。


 少なくともネウロンよりずっと強い。


 ネウロン旅団で戦っていた時から、たくさんの機兵と船を持っている交国軍の強さは一応わかっているつもりだった。


 けど、オレはわかってなかった。


 黒水みたいな街、ネウロンにはない。


 少なくとも交国が来る前のネウロンにはなかったはずだ。黒水には毎日、たくさんの方舟が飛んでくる。あんなの何隻も持っている交国の強さはメチャクチャだ。


 それを見ても、完全にはわかってない。


 スゴいって事しかわかってない。


 交国が「どう強い」とか「どうしてそこまで強くなれたか」とかわからない。それって「本当は理解できてない」って状態なんだろう。


 けど、「スゴくて強い」ことはわかる。


 師匠みたいな神器使いが、あっさり捕まっちまうぐらい……交国は強くてスゴい。あの羊飼いの誘いに乗っていても……多分、交国には……。


「交国は強くて理不尽だ。その理不尽さは、強いから罷り通る理だ」


「…………」


「交国は巨大な兵器みたいなもんだ。プレーローマ打倒という命令に従って、ひたすら戦い続ける兵器……。生身の人間が1人2人立ち向かったところで、どうしようもない相手なんだよ」


「だから、師匠を見捨てろ。忘れろって事か?」


「いや、忘れるな」


「…………?」


 副長が何言いたいかわからない。


 けど……顔は真面目なままだ。


「忘れるな。その悔しさを。憎しみを」


「副長?」


「お前みたいに『交国はおかしい』って思っている人間は、他にもいる」


「えっと……?」


「だから、今は耐えろ」


 副長は淡々とそう言った後、立ち上がってオレの肩を叩いてきた。


 いつもの笑みを浮かべ、話しかけてきた。いつもみたいな明るい声色で。


「まあ、つまり、弟達を巻き込みたくねえなら、変なことするなって話だ!」


「う、うん……?」


「いまお前が動いても、何の意味もない。カトー特佐の件で周囲に色々聞いて回るのも良くない。大人しくしていろ。わかったな?」


「ん…………」


「よしっ、じゃあ、気分を変えるためにご褒美をやろう」


 副長は「行くぞ」と言い、廊下に続く扉の方へ歩き出した。


 外に連れ出してくれるらしい。


「一応、オレらは休暇中なんだ。夜のドライブに行こうぜ」


「どらいぶ?」


「車で走りに行くんだよ。昼間とは違う気分が味わえるし、それに――」


 交国の街を見学できる。


 交国を見れば、交国の「強さ」の理解が強まるぞ。


 そう言われた。


 それは……悪くないかも。


 いずれ、交国と戦わないといけなくなった時……参考になるのかも……?


「こっそり行くぞ。ヴィオラに見つかったら怒られるかもだし」


「う、うん……」


「途中でなんか菓子とか買ってやるよ」


 副長の後ろを歩きつつ、ちょっとドキドキする。


 こんな夜中に出歩くなんて、確かにヴィオラ姉に怒られるかも……!


 で、でも、こっちは副長いるんだし……大丈夫――。


「ちょっ……止まれ」


「んにっ……!?」


 ドキドキワクワクしながら歩いていると、副長が止まった。


 廊下の曲がり角で立ち止まって、オレの進路を手で遮ってきた。その手が顔にあたり、ちょっとうめいちゃった……。


 なんだよ~……と思いながら廊下の先を見ると――。


「――――」


 ヴィオラ姉と、ラートがいた。




■title:港湾都市<黒水>の交国軍保養所にて

■from:肉嫌いのチェーン


「おぉっ……!?」


 ラートとヴィオラが抱きしめ合ってる!


 しばらく抱きしめあっていたが、離れた。


 離れた後も、2人共照れ顔を浮かべていた。


 2人揃ってそわそわしつつ、嬉しそうにしてやがる。


 まあ、あれぐらいの仲になっててもおかしくねえか。いやはや、若いねぇ!


「おっ……? ふぇ、フェルグス?」


 2人に見とれていると、フェルグスの姿が消えていた。


 慌てて探しに行くと、大人しく部屋に戻っていた。


 戻っていたんだが――。


「おーい……」


「――――」


 毛布被ったまま、ピクリとも動かなくなってる。


 あ~……ええっと……これ、オレ悪くねえよな……? じ、事故だよな?





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