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7年前、僕らは名誉オークだった  作者: ▲■▲
第2.0章:ハッピーエンドにさよなら
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TIPS:交国について


【TIPS:交国について】

■概要

 人類連盟の常任理事国の1つであり、人類文明指折りの超巨大国家。


 人類の敵(プレーローマ)に抗う人類の守護者であり、対プレーローマを理由に人類を虐げる圧政者でもある。「人類を虐げる」という意味では人類の敵だが、純粋な敵ではない。


 交国には交国なりに大義名分がある。


 それは歪んでいるが、交国なりの理屈で動いている。


 交国は人類文明の中でも特に精強な軍事力を持っているが、軍事力一辺倒の国家ではない。多くの支配地域と搾取により、経済力でも強大な力を持っている。


 侵略行為によって領土を広げ、現在は178の世界に交国領を持っている。間接統治している国家も含めれば、さらに多くの世界を支配下に置いている。



■中央世界<帆布(はんぷ)

 一般に「交国本土」と呼ばれる世界には<帆布>という名がついている。この名はネウロン連邦のあった<ネウロン>に相当する世界の名称である。


 帆布には交国首都があり、交国最高指導者である玉帝も住んでいる事から交国にとっての中央世界――主幹を担う世界となっている。


 交国は沢山の世界を支配しているが、中央世界は建国最初期からずっと帆布のまま。ただし遷都は4度行っている。



■交国首都<白元(びゃくがん)

 交国の現在の首都。交国は「3度目の遷都で白元を首都とした」と語っているが、実際は違う。本当は「4度目の遷都」である。


 交国政府が隠しているのは「最初の首都」である。


 交国が建国された最初期は、現在の<黒水(くろうず)>に当たる場所に首都があった。しかし戦闘の影響で混沌があふれ出し、居住が困難になって「最初の首都」は放棄された。交国政府はその事実を可能な限り隠している。



■交国の統治形式

 交国は「直接統治」と「間接統治」の両方を行っている。


 交国の政の中心は<交国中央評議会>にあり、その中央評議会に所属する官僚達が各地に派遣され、「直接統治」を行っている。


 現地の有力者を通じて支配する「間接統治」も行っているが、その間接統治にも大抵の場合は中央評議会所属の官僚が補佐兼監視としてつけられる事が多い。



■交国中央評議会

 交国領及び交国保護領、交国が実効支配している地域の統治の大方針について検討・議論・決定を行う機関。ただし事案によっては最終決定は玉帝が行う。


 交国の支配地域の政は中央評議会の意向が色濃く影響する。現地の有力者を立てている間接統治形式の支配地域ですら、中央評議会の決定には逆らえない。


 交国中央評議会の本部も、交国首都に置かれている。



■領主

 交国の間接統治方法の1つ。勲功を立てた者に対して封土として与えられた土地を経営している者達。交国内でも廃れつつある統治方法。


 交国が今よりずっと小さかった時、玉帝は<神器使い>や<各世界の有力者>に対し、領主として土地を任せていた。


 領主の権限は一個人だけではなく、企業・組織に対して与えられる事もある。領地経営で成果を出している者に関しては世界を1つ丸ごと任されている事もある。


 領主達も交国中央評議会の方針には逆らえないが、大きな裁量を与えられている。ただしその分厳しい目で見られており、少しでも怪しい動きがあれば「叛意有り」として交国軍を派遣される事もある。


 実際に叛意を持ち、プレーローマと裏で通じていた領主の動きが判明した際は、特佐長官主導で特佐部隊が派遣され、領主の斬首作戦が行われた事もある。


 実際には「叛意」と呼べるほどのものは持っていないが、交国政府にとって都合が悪くなった領主に冤罪を被せ、領地と地位を取り上げる事もある。


 近年は新たに領主として土地を与えられる者は出ていなかったが、交国本土の<黒水>の混沌沈静化等の勲功によって1人の神器使いが<黒水守>として黒水を与えられる事になった。


 その神器使いは「元流民」だったため、「流民に領地経営など出来るはずがない」「直ぐに領地を取り上げられるだろう」と言われていた。経歴的にも問題のある人物のため、領主就任も反対意見が多かったが、玉帝が押し切った。


 周囲の心配を余所に黒水は右肩上がりの発展を続けている。そう遠くないうちに交国本土最大の港湾都市として成長すると言われている。


 黒水の成長の陰には領主である<黒水守>の手腕――ではなく、黒水守の妻の手腕が大きく影響している。新たに生まれ変わった黒水の利用価値を担保に投資を呼び込み、それによって黒水をさらに発展させている。


 発展のために不足している労働力に関しては、流民や異世界人を活用している。異世界人はともかく、流民を交国本土で労働させる事に関しては難色を示している者が多い。



■交国によるネウロン統治

 交国は新暦1241年にネウロンへ交国軍を派遣し、ネウロン連邦を脅しつけながら実効支配を強めていった。


 ネウロン魔物事件の混乱により、その支配は一時緩んだ。しかし交国政府はタルタリカによる虐殺によって「ネウロンの国家は機能不全に陥っている」と語り、ネウロンを交国の保護領として編入。事件前より強い支配体制を築いた。


 現在のネウロンは交国中央評議会所属の官僚によって統治されており、ネウロン旅団・旅団長も強い発言力を持っている。シオン教団も解体された事でネウロンの民衆を導くネウロンの国家・組織は失われた。


 ただ、ネウロンの<メリヤス王国>の第二王女をネウロン外に逃した<マーレハイト亡命政府>は交国によるネウロン支配を糾弾し、「メリヤス王国は未だ健在」と主張している。


 マーレハイト亡命政府そのものが国家として人類連盟に承認されていないため、誰も彼らの言葉に耳を貸していない。


 しかし、マーレハイトが「ネウロンの王族」を擁している事実は交国にとって都合の悪いもののため、交国政府もメリヤス王国・第二王女の足取りを追っている。追いつつ、ネウロン人に対しては「王女はネウロンを見捨てて逃げた」と喧伝し、王家の信用を失墜させようとしている。


 多くのネウロン人が自分達の主権を諦めつつある。


 魔物事件で荒れたネウロンは、交国の力無しでは立ちゆかないのが現状である。交国の支配地域政策の影響もあり、ネウロン人達もその事実を認識している。


 ただ、ネウロン人に怒りが無いわけではない。


 彼らは「交国が強制移住させてきた異世界人との軋轢」や「ネウロン旅団の横暴」などにより、不満をため込み続けている。



■交国の対プレーローマ政策

 交国は新暦753年に生まれた国家で、領土拡大・国力増強のために侵略戦争を繰り返したことで人類連盟に睨まれていた。


 現在は人類連盟を屈服させて主導権を握っているが、当時は劇的な侵略行為から「プレーローマが対人類用に作った傀儡国家」と言われていた。


 ただ、交国は建国初期から一貫してプレーローマに対して厳しい態度を貫いており、「人類の守護者」として一定の評価を集めている。


 侵略戦争を繰り返し続けている事で、その足下には死体と怨嗟が積み重なり続けているが、「人類のため」という大義名分を掲げて愚直に戦い続けている。



■交国の対カヴン政策

 交国と流民犯罪組織<カヴン>は敵対している。


 陰では<カヴン>傘下の海賊組織<ロレンス>と手を組み、裏取引や談合を繰り返していたが、そのロレンスとの関係も「石守回路」の死を皮切りに破綻した。


 ともかく、交国は<カヴン>及びその傘下組織に厳しい対応を繰り返している。組織の戦闘員はもちろんの事、組織が保護している非戦闘員に対する虐殺行為を行う事もある。


 それでも玉帝はカヴンの大首領<夢葬の魔神>との協力関係を望んでいる。その力を借り、交国をさらに強大なモノに仕上げようとしている。


 もっとも、夢葬の魔神が現の権力闘争や救済にあまり興味がないため、国家・組織間の協力関係を築けずにいる。


 ただ、夢葬の魔神が府月に玉帝を招き、2人でアップルパイを振る舞いあったり、茶会を開いたりなど個人的な交友関係は続いている。玉帝はその中で何とか夢葬の魔神の協力を取り付けようとしているが、夢葬の魔神はのほほんと受け流し続けている。




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