表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/158

25.イベント完了の報酬は

「さてと……無事『呪いの魔道具』を止めたというが」と、お爺ちゃんからの質問。


「これが例の『魔導石』です。多分この『魔導石』自体にも呪いが掛かっているらしくって……」


 そうなのだ、こいつの処分に困っている。因みに計ったら2.1インチあった。馬鹿じゃねーの?


 古来より大きな宝石には、そういった呪いが掛かるらしい。有名な物だと『ホープダイヤ』がある。嘘か誠かマリーアントワネットを呪い殺したとか何とか。


 今はスミソニアン博物館にあるが、アメリカが所有して戦争に負けたとか……一種のロマンではある。


 という訳で可及的速やかにこの『魔導石』を封印する、つまり本部のリズさんに丸投げしたい。本部の周りには人が居ないので、そういう意味でも安全だろう。


 ……そこまで行く間に私に呪いが掛かりそうなので、困っている訳だ。



「ふぅむ、ちょうど良い。わし等にとってはそれほど必要ではないし、これをやろう」と、お爺さんがバッグを取り出した。二人でそれを見て固まった。


『マジックバック』である。しかも四十個の倉庫に繋がっている。国宝じゃなくて世界遺産に入りそうな貴重品だ。中を覗いてみる。


 ……様々な大きさの『魔導石』に各種魔道具。果てはカシミヤ生地から織物まで、ガッチリ物が詰め込まれている。


「……お、お爺さん。こんな貴重な物貰えませんよ。お返ししますっ」と、言って突き返そうとした私に、

「『墓所』に埋葬されておった物が殆どじゃ。どちらにしろ、わし等には不要じゃ。……そうじゃなあ『救って頂いたお礼としては、ショボいですけど』じゃったかな?」


 ぐっ、それは最初に会った時の私の言葉だ。その言葉を出されて、断る事など出来まい。


「分かりました。ここをしっかり建国するまで、放しませんからね。私は商人ですから、対価を払う義務があります!」

「そうじゃのう、わし等の縁はそう簡単に切れそうもないか……老い先短い老人には厳しいのぅ」


 その言葉に思わず皆が笑った。

 


『マジックバックに入れれば良い』という発想はなかった。


 そういう訳で大きな『魔導石』をバックに入れた。因みにジェームスは、東西の設計思想の違う魔道具に夢中だ。まともな返事は無理だろう。


「それで清との講和も決まりましたし、そのうち交易隊を出したいと思います」

「ふむ、バックに入れた商品では足らんかのう?」

「いえ。そうではなくて、看板商品を作りたくて」と、私が提案する。


 清は人口大国である。河川は流れているが、綺麗な水が手に入りにくいだろう。


「『浄水の魔道具』ここで作りませんか?」

「はあ?」と、ジェームスとお爺さんが同じ反応をする。


「あの魔道具は結構構造が単純で、製品の質が少し低くはなりますが、問題なく使える筈です」

「ああ、なるほどな。俺が少し作り方を教えてやれば、内職出来るな」


 そういう事。私が本部に行っている間に進めて欲しいのだ。


「OK、店長。それなら何とかなる。まあ、三人位手先の器用な奴が居れば大丈夫だ。爺さん手配してくれ」

「なるほど。まだこちらに来て間もない者から、希望者を募るとしよう」


 という事で、次来る時は中国方面に交易とぶらり旅だ。準備を進めておこう。先に本部に寄って、例の『魔導石』を封印して貰おう。


 

「リーズさーん、遊びましょ!」と、本部の玄関で叫んでみる。

「は~ぁ~い~」と、打てば響く太鼓の様にリズさんが現れる。


「という訳で、この『魔導石』を封印して下さい。絶対使っちゃ駄目ですよ」と説明した。


 なんというか「押すなよ、押すなよ」のコント並みにフラグが経ちそう。


「ふ~ん、確かに良くない気配がするわね~。じゃあ、其処の机の引き出しに入れて~」

 私が準備OKと言うと、呪文が始まる。この前より若干短めの詠唱後、小さな輪が出来た。


「小さい物なら、この位で良いのよ~」との事。ともかくこれで一安心。


「あ、それでですね。遊牧民の村から、交易隊を出そうと思っているんですが」

「私は店番やりたくないわ~」何かトラウマでもあったのかな?


「グレッグさんに、三カ月ほどお任せしようかと思います」

「分かったわ~。じゃあ、商品を多めに渡しておいて~」という事で、こちらの要件は終了。


 リズさんに挨拶して、ロンドンに向かう。



「すみませんが、延長でお願いします」と、私は店番中のグレッグさんにお願いした。

「……どうせそんな事じゃないかとは思っていたさ」と、少し諦め顔で了承してくれた。

「三カ月もあれば、中国方面の交易も終わります。ジェームスが魔道具を見たいらしくて」


 グレッグさんが口を開く。


「随分とアイツと仲が良いみたいじゃないか。そんなに二人きりになりたいか?」

「そ、そんな理由じゃなくてですね」と、否定しようとすると

「俺はどちらかと言うと、お前らが一緒になる方が面白いと思ってな」


 グレッグさんは続けて「あの『墓所』で、店長がジェームスの事を良く理解しているなあ、と皆で呆れていたんだぜ」と言う。えっ、あれってジェームスに呆れたんじゃなかったの? 解せぬ。


「……まだ、そういう方面は考えてなくてですね。えーっと」としどろもどろになる。


「すまん、別に無理強いする訳じゃない。ジェームスの奴、結構悩んでいてな。『最近店長がよそよそしい』だったか?」

「えっ、そんな話していたんですか?」

「ああ、フランスとの交渉頃かな。『いつも一定の距離を取られる』とか言っていたぞ」とグレッグさんが笑う。


 恥ずかしい……いままでの、そういう風に見られてたんだ。まあ、ちょっと意識しよう。流石に告白するつもりはないが……。そんなこんなで、心のどこかに、もやっとしたものを残したまま、遊牧民の村へ向かう。


 無意識にやらかしていたらしい。少し心の整理が必要だろう。


 しかし、全員から「もう結婚しちゃえよ」オーラが出ていたとは……。どちらにしろ……とっても恥ずかしいなあ、と思った。


 遊牧民の村では、ジェームスを中心に輪になって魔道具の作り方を教えているようだ。


 そのうち、この村に『青い鳥工房 アジア支店』が出来そうだな、と私は思いを馳せた。

 お決まりのお宝タイムです。後は、恋愛方面を少し。


 段々と、リズさんと主人公のタガが外れて来たようです。ギャグパートなので致し方なし。


 あと、グレッグさんは良いキャラしてきました。


 恋愛関係は、思い出したように進めます。結構後々まで続くイベントですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ