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詩❲情景❳

passing by

作者: 日浦海里

通りすぎてく景色がひとつ

見たことのある見慣れぬ景色


大通り沿いの小さなお店

帰り道によく立ち寄った場所


たった一杯の珈琲で

何時間も話し込んだり

記念の仕掛けをお願いしたり

店員さんとも顔馴染みになり

寄らない日でも声だけかけてた


窓から見下ろす景色の中では

いつもと何かが違って見えて

けれど本当に変わってしまったのは

景色ではなくて私の世界

私の目に映る私の世界


流れ去ってゆく景色がひとつ

知っているはずの知らない景色


川沿いにある小さなベンチ

夕日が星へと変わっていく場所


雨上がりの日は虹を見上げて

月の無い夜は星空見上げて

初めて想いを言葉にしたのも

初めて温もり求めたときも

初めて涙を流したときも

この小さなベンチに座ってだった


窓から見下ろす景色の中では

いつもと何かが違って見えて

けれど本当に変わってしまったのは

景色ではなくて私の世界

この胸の内の壊れた世界


流れる景色に全てがあって

流れる涙と共に置いて


通りすぎてく景色がひとつ

思い出と共に忘れた景色

褪せて

薄れてくのに

決して消えはしないもの

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― 新着の感想 ―
[良い点] > けれど本当に変わってしまったのは 景色ではなくて私の世界 この言葉に、確かになぁと共感してしまいました [一言] 暮らす場所もライフステージによって変わっていき、移りゆく景色、目に映…
[良い点] 代わる景色の流れに時を見る。 毎日見ている景色にも違いがあるのに気付かぬ変化。 如何に自分が見えてる世界が狭きものかと そこに気付けるのは代わった事を知れた時 通りすがりの店にも代わらぬ…
[良い点]  いろいろと考えました。  毎日眺める光景は、劇的に変わることはない  (建物が取り壊されるとか、道路が造られる  とかは別にして)。  だけど、数年前と今は、きっと何かが違って  いるの…
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