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裏庭の魔女  作者: 岡田 ゆき
第三章 蟲の楽園からの来訪者
87/198

5−5

 無機質な空間にリリーナは倒れて眠っていた。


 幾つもの茨で縛られた白い扉の先に居たフローラも、ゆっくりと目を覚ます。立ち上がり、扉の前に立った。


 僅かに出来た扉の隙間から、リリーナを覗く。


「……………私には魅了の魔法をかけるしか出来なかった」


 長く柔らかなウェーブのかかったローズピンクの髪が揺れる。


「死にたくなかったから、それしか方法が無いと思ったから」


 遠くからリリーナを見下ろすと、彼女は安心しながらも疲れた顔で眠っていた。


「どうして。どうしてアナタには出来たの…………」


 すると、一本の茨の弦が静かに消えた。

 音を立てずに。


 だが、フローラの居る扉の先の音は僅かにだが大きくリリーナの方へ漏れてきた。


 バチッバチと熱く弾く炎、それと、人々の言葉にならない叫び声が。


 フローラはそっと扉を閉める。孤独を背中一杯に抱え込むように頭を垂れながら。




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