【第二章までのあらすじと登場人物】
ロナール国の三大貴族の娘、リリーナターシャ・ロズウェルは物心付いた頃から植物と会話が出来、両親は魔法を使えないが彼女は密かに魔法を使いながら庭いじりをしていた。ある日、植物の世話を生き甲斐とする彼女は貴族の娘であることを隠し、リリーナターシャ・アジュールとして王城庭師になることに。
魔法の知識が皆無の彼女のために、国の第二王子の赤髪のアレスフレイムが彼女に魔法の知識を与えながら国の難題を共に解決していく関係に。次第に彼は彼女に特別な感情を抱いていることに気が付く。
次第にリリーナは自身の強大な魔力の秘密を解き明かしていた。それは2000年前に生きた魔女、フローラに関係する。フローラが2000年の時を経て何故か彼女の中に棲み着いていたのだ。
彼女と深く関わっていくうちに、アレスフレイムとその側近のノインも魔力の強い植物限定だが植物と会話が出来る力を身に付ける。特に魔力の強い植物、白薔薇姫にフローラからリリーナを守り抜くとアレスフレイムは誓った。
好戦家でアレスフレイムの実父である愚王カヴィタス等が不穏な動きを見せる中、彼等の次世代たちが平和な世界を築くと決意。だが、竜騎士を備える大陸の最北にある大国ゲルーが戦争を引き起こそうとする動きも。
激動の時代が訪れようとするが、アレスフレイムは裏庭でリリーナのさり気ない仕草に心を動かされ、思わず彼女に唇を重ねた。だが、彼女はキス自体を知らず、アレスフレイムは“特別な挨拶”だと誤魔化した。恋愛に関する単語が辞書に全くない彼女だが、彼との時間を穏やかに過ごして行ったのだった。
【第二章までの登場人物】
リリーナターシャ・アジュール(本名ロズウェル) 属性:全
隠れ令嬢で品位や教養はあるが、基本的に土いじり以外興味無し。ロナール国では女性はスカートを履くのが常識だが、合理的では無いため白いシャツに黒いつなぎ姿でいる。自分の身体に棲み着いている2000年前に生きた魔女フローラについて探ろうとする。
アレスフレイム・ロナール 属性:火
ロナール国第二王子。剣術も魔力も優れ、戦争では必ず敵の大将を打つため、国の英雄とされている。リリーナを心から愛し、守ろうと決意。
ノイン・マーライ 属性:水
アレスフレイムの専属騎士。彼と同い年で、執務も熟す真面目な青年。アレスフレイムが超不機嫌になると、彼の胃が比例して痛くなる。
エドガー・ジーブル
三大貴族のジーブル家の子息。父親は国王派で、領地は武器の生産を担っている。だが、彼自身は争いの無い平和を望み、親に悟られないようにしながらアレスフレイムと手を取り合う。
マルスブルー・ロナール 属性・水
ロナール国王太子。爽やかで優しい性格ではあるが、優柔不断なところや自己肯定感が低い面もある。だが、時期国王に即位することを見据えて変えていこうと決意。
スティラフィリー・クリエット
王太子妃。三大貴族の一つ、クリエット家の令嬢出身。控え目な性格ではあるが、いざというときにマルスブルーを支える心の芯が強い面も持つ。ゲルーの侵入者により、致命傷を負ったがリリーナに助けられた。
オスカー 属性・土
マルスブルーの専属騎士。温厚なマルスブルーとは違い、従業員が非常識な行動をすれば厳しく叱る。
レイトス・ロズウェル
三大貴族、ロズウェル家の当主でリリーナの父親。言葉数が少ないことから、沈黙のロズウェルなどと呼ばれている。
ヴィック
王城料理人。男性ではあるが、心は女性。厨房が裏庭に近く、リリーナとは友人として共に支え合う。
カブ
裏庭の主。白銀の大木の切り株。口数はかなり少なく、彼が何の種類の植物かリリーナはわからないため、カブと呼んでいる。
白薔薇姫
中庭の主。表向きはお転婆な姫君だが、あまり確信的なことは言わないもののリリーナに助言をしながら見守る。
カジュ
中庭に生えている木。葉を多く茂らせ、おおらかな性格。彼の葉は分身で、リリーナとアレスフレイムがそれぞれ持ったり、城の内部等に隠し入れたりと活躍している。
フローラ 属性・全
2000年前に生きた魔女。太陽の丘の魔女と呼ばれ、太陽の丘から地上へ降りた後に彼女が原因で戦争が起こり、大地は焼け野原になったと言われている。それも、彼女の恋が原因で起きた争いだと…。