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魔物討伐会(4)

 日も落ちた夜の森は昼間よりも不気味な雰囲気を放っています。風にのって魔物の気配がヒシヒシと伝わってきます。今か今かと獲物を待っています。ですがそれはこちらも同じこと。

 狩って、狩って、狩り尽くしますわ!


 形式上というか何というか、国が手動するものだからか開戦の合図がかけられます。

 壇上には魔塔の団長ハクマン様。冒険者ギルドのギルドマスター。王国騎士団の副団長が並び立つ。

 開戦の合図はハクマン団長が行います。


「今回は例年より魔物の活動が活発であり、数も多い。強さもそれに比例する。心して掛かってほしい。ルールは去年と同じ。狩った魔物の素材は国、冒険者ギルドで買い取る。自身の力を試す者、素材を売って大金を稼ぐ者、各々理由や目的があってここに居るだろう。しかし、これだけは忘れるな。死ぬな! 以上だ! 転移魔法を発動する!」


 この森は常に強力な結界で覆われている。魔物を一匹も外へ出さないために。魔塔の戦力を総動員といきたいところですがそれだと国の守りが薄くなってしまいます。ではどうやって結界を維持しているのかというと魔法具の出番です。

 結界を発動し、維持し続ける魔法具。しかも魔物の攻撃にも耐える強度。これがあるからこの森から魔物が溢れ出ることはありません。魔法具には魔力を込める供給班がいます。これは魔塔の新人さんが担当する仕事の一つ。私やお兄様達も師匠に連れられてやりました。懐かしいですわ。

 まあ、完全に安全というわけではありませんが。

 そして転移魔法。この結界で覆われた森の中に転移するための魔法具がいくつも設置されています。ここからそこへ飛べるようになっていてとても便利です。

 昔はそんなものはなく、いちいち結界を開いていたようですが魔物が出てこようとしたことがあったのでこの形に変化させたようです。魔法具の製作者には感謝ですわね。


 足元に転移陣が現れます。それが光を放ち、結界内へと転移します。

 真っ先に感じる魔物達の魔力。魔物達の息づかい、視線。そして、響く獣の咆哮と悲鳴。


「わあああぁ!!」


 早速ですか。今回が初めての新人さんでしょうか? そんなに叫んでは魔物の餌食になりますよ。まあ、頑張れる範囲で頑張って下さい。


「さてと、私も暴れさせてもらいますわ!」


 数匹の魔物が私の周囲を囲んでいる。動きからして狼型の魔物でしょうか? 姿を表すのを待ってから攻撃のための魔法を準備して構える。というのが基本かつスマートなやり方のなのでしょうが、そんな面倒なことはしませんわ。終わったら全て元に戻すので一気に吹き飛ばしますわ!


風の刃(ウィンドカッター)!」


 私は風の魔法で狼型の魔物を撃退しました。とはいえ、この群れは恐らく偵察隊。本隊は様子を窺ってることでしょう。それならば、自分から出向くまで。誰かに取られる前に取ってしまいましょう!

 本陣に向かって私は走ります。ほんの少し風の魔法を纏うことで早く走れるようになります。そして予想通り本隊が待ち構えていました。数は見た限りでは二十ほど。ですが気配はそれ以上。それならば、魔力探知の魔法を発動します。これで目に見えない魔物を感知することができます。

 魔力探知でわかった群れの数は五十少々。随分大きな群れですね。これほどの群れを統率できるなんてどんな相手か楽しみですわ!


 どうやら群れは三つのグループに分けられていてそれぞれ統率者のリーダーがいるようです。 本陣にたどり着くためには彼らを倒していく必要がありますね。それならばさっと片付けてしまいましょう。

 周囲に人はいませんし、少しくらい地形を変えても問題ありませんよね。後で元に戻しますから。

 私は風を巻き上げ、大地ごと抉り出し木々と魔物をまとめて竜巻の渦に放り込んだ。その結果、大半の魔物は息絶え、生き残りはしたが、立っているのがやっとの状態。それでも向かってくるので返り討ちにします。そして、傍観していた群れのリーダーが姿を現します。巨大狼が私の前に立ち塞がります。爪も牙も大きく出て鋭い。当たったら即死間違いなし。悪くなった足場など物ともせず猛スピードで近づいてきます。大きいのに素早い。これは中々手強そうですわ。ですが、私の敵ではありませんわ。

 何度か巨大狼を躱し、攻防を繰り広げます。


「申し訳ありませんがそろそろ終わりにしましょうか。あまり時間をかけては他の魔物が狩られてしまいます。それでばつまらないですわ」


 私は指をパチンと鳴らします。すると巨大狼の魔物は意識を無くしその場に倒れ込む。

 私がしたのは音を増幅させる魔法。狼は耳が良いのでこれで鼓膜を破壊。気を失ったとこでとどめを刺す。これで私の勝利は決まりました。


「ふぅ、最初からこれとは死人が多そうですわ。それにライウス様達も。どうなっても構わないのですが……」


 狩り終えた魔物に印がついていることを確認して転移する。そうしながらライウス様達のことを考え、名案が浮かびました。


「そうですわ。それがいいですわ。そうと決まれば善は急げですわ!」


 魔物を狩りつつ、ライウス様達のところ向かうことにしました。

 どうなるか楽しみですわ。

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