授業中
ぼんやりと授業を聞く。
聞くといっても眠たいから半分聞き流している。
周りもなんか似たような反応のクラスメイトが多い。
ふと真上のクラスの姉ちゃんのことを思い出した。
姉ちゃん、大丈夫かな。
その時、窓の外から大声が聞こえてきた。
大音量の声に寝ていたクラスメイトまでもがびっくりして飛び起きる。
「いやだぁあ!!まーくんのとこに行くぅうぅう!!」
あれは姉ちゃんじゃない。
いいか俺、騙されるな。
姉ちゃんはあんな大声で泣き叫ぶことはしない。
多分彼氏の名前が同名なだけで、どこぞのメンヘラ女が彼氏恋しさに授業中に発作起こして叫んでるだけだ。
「うぅう…!じゃあたまくんを呼んで!!たまくんなら私の気持ちもわかってくれるからぁあぁあ!!」
訂正、姉だった。
なにをしているんだあのバカ姉は。
頭を抱えたくなる。
その大声にクラスメイトもざわざわしだす。
「うわぁああぁああぁあん!!」
「わ、わかった、ちょっと待ってろ」
嫌な予感と冷や汗が同時にきた。
その数分後。
がらりと教室の扉が開いて姉の担任の先生が困ったように顔を出した。
「あー、愛音?ちょっといいか?」
クラスメイトに哀れみの視線を向けられながら教室を進む。
とりあえず会ったら頭をはたいてやろうと思った。