あのこねこちゃんはいま・・・
ごはんとねどこがあればきっとしあわせなねこのおはなし
「絵本」タッチでお届けいたします(ΦωΦ){ひらがなだよ(ほぼ)
あたしはこねこちゃん
みんながそうよぶから
ほんとうのなまえは知らない
ママとはぐれてまよいねこになって
こうばんにいったけど
じぶんのなまえもママのなまえもおうちの場所も言えなくて
おまわりさんはおてあげ
あたしはだれ?
どこのこ?
あるひ固くてひんやりしたはこにいれられて
ブーンブーンてうなる乗り物に乗せられた
バタンっておとがしたらまっくらになってこわかった
どこにつれてかれるんだろ?
すてられちゃうのかな?
くらくてこわくてニーニー泣いてた
いつのまにか疲れて眠ってて
またバタンって音がして目が覚めた
まぶしい~
あたしははこにいれたままおろされた
「ケイトラ××××…」
だれかのこえがきこえた
ケイトラって!?
たしかママもトラってよばれてた!
もしかしてママのこと?
ママいるの?
ママ~ママ~どこ?
いくら呼んでもママは現れなかった
その日からあたしはママ(仮)のうちの子になった
あたしのママじゃないけど
そのひとがじぶんのこと「ママ」って言ってるから「ママ」
でも本当のママじゃないから「ママ(仮)」
「ナノハ」
だれかがそのひとのことをそうよんだ
ママ(仮)は「ナノハ」っていうらしい
きょうからそう呼ぼう
「ニャーニャ(ナノハ)」
「ん? なあに?」
ちょっと呼んでみただけだってば
ナノハはふしぎそうにあたしを見ていた
ナノハはやさしい
ごはんもおやつもくれるから好き
ふさふさした棒のおもちゃでいつもあそんでくれる
このまえからだにひもをまきつけられておそとにおでかけした
「おさんぽ」っていうらしい
おさんぽ大好き
いろんな子に会えるから
会えるのはほとんど犬だけど
ちっちゃい子はやさしい
おともだちもできた
ちわぷーの「タピちゃん」3さい、おとこのこ
きいてかくにんしたわけじゃないけど
よこからちらってみえちゃったから・・・
ごめんねタピちゃんω
ちっちゃいこどもがあそんでるとこにもいった
こうえんていうらしい
そこの木でできたイスにナノハがこしかけて
そのよこにあたしがちょこんとすわってやすんでたら
だれかがあたしのことをじーっと見てきた
だれかな? ってさがしてみたら
しましまのおおきなねこがこっちをにらんでた
こわい~!
ナノハに抱きついたら
「どうしたの?」ってだっこして守ってくれた
「二―二―、二―二―……!」
こわがってだきついてるのにナノハは
「かわいい~」ってにこーっとしてよろこんでた
なぜ?
そんでそのひのよるいっしょにすんでるもうひとりがいえにかえってくると
ナノハがうれしそうにそのひとにはなした
「しげる、きいてきいて」
「ん?」
「今日おさんぽいったらね、この子あたしにがしーってしがみついて甘えてきたの。ネコなのに
めずらしくない? かわいくな~い?」
「へえ~」
「なにその薄い反応、もっとおどろいてよ」
しげるはあまりきょうみなさそう
服をぬぎちらかして、フカフカのいすにすわり
いつも見ている動くものがうつるはこに四角いはこをむけてぽちっとした
「ん?」
「っっ~!」
ナノハがむすーっとした顔でしげるにしがみついた
「こうやってされたら、かわいくない?」
「かわ、いい……」
「やっと通じた?」
そしたらそこから二人はじゃれあいはじめて
あたしはねむくなったからてきとうなとこでねころんでねむった
「ごはんだよ~」
あさになった
きょうもナノハがごはんをくれたからしあわせ
ナノハ大好き
ママ(仮)はとってもやさしいひと
もうひとり(しげる)もたまに遊んでくれるから好き
きょうはいい天気
ナノハまたおさんぽつれてってくれるかな
がしってしたらよろこぶんだよね?
じゃあまたしてあげよーっと
そういえば
ママどうしてるかな?
あのこねこちゃんは、どうやら楽しくやっているようですよママ(ねこ)