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7.ある意味やんちゃで片付けたい

気付けば詰め放題状態でした(趣味を)

待ちに待った瞬間というのは心が躍るものである。

講義終了の合図とともに部屋を飛び出し廊下を駆け抜け階段を身軽に跳び下りて、最高速度で食堂に駆け込みにこやかにお会計を済ませ―――――そうして今、私は念願を前にして、お一人様御用達と名高い窓側カウンター席の端っこでうきうきと手を合わせていた。


「いっただっきまーす!」


浮かれていようが祈りは祈り、込めた気持ちは平素と変わらず糧への感謝に満ちている。次々と食堂に雪崩れ込んでくる他の生徒たちの羨望の眼差しをひしひしと肌で感じつつ、しかし先着十名の誉れは残念ながら譲れない。こちとら『廊下を走るな』という張り紙を尻目に誰よりも早いスタートダッシュからの全力疾走で真っ先に食堂の扉を潜った本日のランチ一番乗りである。何一つとして恥じることなど無いので心の底から堂々と誇るぞ。でも廊下を走ったのはごめんなさい。反省はしている。後悔はしてない。だって譲れない戦いだったんです。ホントに。


「は………速い………!」

「食堂から一番遠い筈の錬金術棟からまさかの堂々一着ゴールだと………!?」

「いったいどんなコース取りを………!?」


収容人数の増加に伴ってざわざわとし始めた喧騒の中、戦慄気味の感嘆が注文待機列あたりから聞こえた気もしたが敢えてスルー。何が勝敗を分けたかなんて説明してやる必要はない―――――今、私が向き合うべきは、そんなものではないのだから。

なんのために頑張ったかなんて、そんなの決まっているだろう。


はじめまして。会いたかったぞ―――――念願の月一限定ランチ!


泣いても笑っても十食限定、早い者勝ち弱肉強食、パン食べ放題野菜取り放題スープ飲み放題ドリンクバー付き、選べるサイドメニューと当日の入荷状況に応じた特選シークレットメインに加えて気合いの入ったデザート三種盛りとまさにランチセットの頂点に相応しい豪華絢爛たる品揃え。その名もそのまんま『王様のランチ』―――――食べ放題系の品目が多く交ざっている関係でカロリー面は流石に度外視としても、すべて栄養バランスをしっかり考慮した上で非常に丁寧に作られている。味については言うまでもない。そしてこれだけボリューム満点なのにお値段はたったの五百マニー。すごい。出血大奉仕だね食堂のおばちゃん! 採算とれる? 大丈夫? 学生としてはありがたい価格設定だけどもうちょっとくらい払わせてくれてもいいんだよ、とは思わなくもない。

何はともあれ今日も今日とて美味しいランチをありがとうございます。冷める前に、はい実食。


「ああ、僕はなんて運の良い男なんだろう。日頃の行いの賜物だろうか、それとも神の祝福だろうか。運命という偶然の奇跡を信じられずにはいられないよ、この身に齎された幸運に感謝を―――――本当に、なんて素晴らしい人生なんだろう! 君のように清く気高く美しい人に出会えるなんて!!!」


うきうき気分でにこにこしながら、まずはスープに口を付ける。本日の食堂オリジナルスープは一見透明なのに多彩な味わい。出汁に染み出た素材の旨味が複雑に絡み合っている。器にたっぷりの根菜と葉野菜が舌で潰せるくらいの柔らかさなのは、きっとたっぷり時間を掛けてぐつぐつと灰汁を取りながらじっくりと火を通してくれたんだろう。形は残しつつ味の浸透率はばっちり。更に食感を残した方が美味しさを感じるであろう食材は後入れで対応しているあたりがお見事。ベーコンの塩味もちょうどいい。いくらでも飲める。おかわり確定。ありがとう飲み放題制度。白パンを浸して二度美味しい。神では?


「しかし、同時になんて悲劇なんだろう! どんな言葉を連ねたところで君の美しさを称えきれやしない、どんなに言葉を尽くしても君に届けたい想いに足りない! 焼けるようなこの焦燥を僕は一体どうすればいいんだ! 自分が不甲斐なくてならない!!!」


スープを完食してしまったのでおかわりはあとでするとして、次。贅沢にも生牛肉の薄切りをふんだんに載せたカルパッチョ風サラダ。並べられたお肉の上を粉雪のような繊細さで彩るチーズが美しい。余すところなく全体をごっそりとフォークで掬い上げ、切れ込みを入れたライ麦のパンにひたすらぎゅうぎゅう詰め込んだ。具がこぼれたりしないよう、挟んだパンを両手で潰しながら大胆かつ豪快にばくんと一口―――――あ、バター塗り忘れた。いっそ今からでも追加しようか。いや待て。カルパッチョサラダにもともとかかっていた食堂謹製ドレッシングを信じろ。信じて咀嚼したら美味しかった。野菜とお肉と粉チーズが争うことなくライ麦パンと共存している。信じる者は救われる、とかいう“王国”の格言的な何かはどうやら正しかったらしい。これはこのままで食べるとして、気になった追加調味料の可能性についてはあとでじっくり試すとしよう。だってパンもお野菜も心行くまで取り放題。焦らなくていい。最高では?


「とても陳腐に聞こえるだろうが、それでも敢えて言わせておくれ。君は本当に美しいのだと! 過去から現在までくまなく探せど、君を超え得る芸術はこの世に存在しないのだと! 何気なく其処に佇む存在そのものが奇跡なのだと! まさに神が創り給うた至高、君という存在に比べれば、この世に生み出されたありとあらゆる芸術作はその価値も意義も悉く失くして忘れ去られるだけの紛い物に過ぎない! ああ、なんて罪作りな人なんだ―――――僕はここに断言しよう。過去に名を馳せた偉大なる芸術の先駆者たちは君という至高を目の当たりに出来なかった不幸を悔やみ、時代を呪い、今頃は昏い冥府の底で泣き濡れているに違いないと!」


カリッとした食感に目を閉じて、感想と感動を噛み締める。揚げたてのお芋が過去最高に好みな仕上がりで自然と涙が出そうになった。さっぱりした中にも濃厚さを醸すカルパッチョサンドからの揚げ物の油。塩に混ぜられた隠し味のピリッとした酸味と辛味が程良い揚げ芋のほっくりとした旨味。サイドメニューを君に決めて良かった。なんて抜群の安定感。なんとも落ち着く安心感。正直言うともっと欲しい。なんでこれ取り放題じゃないんですか食堂のおばちゃん。美味しいからか。病みつきになるからか。じゃぁしょうがないわ。実際あったら一人で狩り尽くすしかないもんこれ。


「この胸の高鳴りを抑えることなんか出来やしない、どうか、今にも溢れそうな君への想いを伝えることを許して欲しい!」


揚げ芋大好き。

周囲の声はシャットアウトでひたすらランチを堪能する私は、もう脳内で食レポしている時間さえもが勿体無いので「美味しい」以外の言語機能を悉く放棄するに至った。美味しい。メインまでまだ辿り着いてないのに美味しいが氾濫して困る。“王様”の名に恥じないランチに拍手喝采したい気分だけれどそんな暇があるなら食べるわ。揚げ芋もう無くなっちゃった。早いよ。


「ああ、凛としながら儚くもある白皙の美貌は雪のよう。涼やかな目元に澄んだ瞳、ひとたび目が合った瞬間に僕の心は君のものだ! 君が意図せず奪ってしまったものを返せだなんて言う気はないさ、そんな野暮で無粋な真似は男が廃ってしまうからね―――――ただ、その何者をも寄せ付けない真っ直ぐな眼差しを独り占め出来るというのなら、僕はなんだってするだろう! この身この命を差し出したとて惜しいことなど何もない!」


うん、迫真の演技なのは分かったから舞台稽古なら他所でやっていただきたい。

さっきからやたらと耳に五月蠅い芝居じみた大仰な台詞は右から左に抜けていく。ここは食堂。食事をする場所。間違っても演劇場ではないが、指摘してやる義理もなければ私にはまったく関係ないので心の底からどうでもいい。


「そして何より人目を引くのは! まさに『妖精』と呼ぶに相応しいその美しいプラチナブロンド! 君の持つ稀有で不思議な色彩の前にはかの有名な美の女神ですら膝を折るに違いない!!! まさしく神秘! 人類は今! “北”の地が育んだ芸術を見ている!!!」


我関せずの防壁を突き破った大声が不愉快に鼓膜を揺らすあたり、どうやら芝居は佳境らしい。熱の入り方が違う。何処でやってるんだすげぇ五月蠅い。そろそろ苦情とか入らないかな。知ったこっちゃないのでメインに挑もう。


「ふっ―――――つれない人。恥ずかしがっているのかい? 今まで君に面と向かってその美貌を褒め称えた男はきっと居なかったんだろうね。けれど、彼らを責めないでやってくれ。正面から君に見詰められてしまえば最後、その幻想的な美しさに飲み込まれてひとつも言葉が出て来ない気持ちが僕にはよぅく分かるから」


よく分からん演目については放っといて、お待たせ、本日のランチの主役!

ずっと気になってはいたけれど、お楽しみはとっておこうの精神で我慢していた“王様のランチ”のメインディッシュ。ランチプレートの上で圧倒的な存在感を放っているこいつを無視するのは至難の業だったと言わざるを得ない。うきうき、わくわく、手を伸ばし―――――それが、わしっと掴まれた。


「は?」


脈絡なく、唐突に、横から急に伸びて来た誰かの両手に捕まって力強く包まれた私の左手が、ぐぃっとそちらに引き寄せられる。思わず唇からこぼれた音は我ながら間抜けではあったが、いつの間にやら私の左隣に陣取っていた男子生徒の熱っぽい視線が自分を射抜いていると気付いた瞬間どうしようもなく嫌な予感がした。


「美しい君、運命の人――――――ああ、麗しのリューリ嬢! この想いをどうか受け入れて欲しい、僕はこんなにも君に熱く恋い焦がれているんだ!!!」

「イヤだ」


即答した。

捻りもへったくれもないストレートな拒否であり、相手の希望には添えないというはっきりとした拒絶である。自分に向けられている視線と感情を真っ向から堂々と断ち切らんとする、それはちっとも甘やかさのない確固とした意思の明示だった。


「一人で盛り上がってるところ悪いが、私は嫌だ。興味ない」


間髪入れずに言葉を継げば、不自然な間がぽっかりと空いた。それを好機と言わんばかりにお断りの文言を追加する。


「せっかくだけど、運命だとか想いだとかそういうよく分からんもんは要らない。知らない人から突然にそんなこと言われても困る。私に対してそういう期待はするだけ無駄だから諦めてくれ」


一応、あくまで主観的にではあるが、誠意を尽くして断った。食事を邪魔されて業腹ではあったが、物理に訴え出る前に対話で解決を図ろうとはした。したのだ。したんだよ。一応。これでも。


「―――――と、いうわけで、いい加減さっさと手を放してくれ。食べ難いから。邪魔だから」


あと、単純に知らん奴の人肌が不愉快、というストレートな本音は流石に言わないでおいたけれども。

引き続きランチを楽しみたい、メインディッシュを食べたいのだと、思い付いた理由を片っ端から丁寧に付け足してまで捕らえられた手を引き戻そうとする。ぐぐ、と込められた力がちっとも緩む気配がなくて、私の眉間にはっきりと不機嫌をあらわす皺が寄った。


「おい、お前ふざけるな。放せ。怒るぞ。断っただろ。気持ち悪いからさっさと放せ」


二度も我慢する殊勝さの持ち合わせはないので、これ以上私の食事の邪魔をするのなら少々過剰な防衛も辞さない。

そんな物騒さを前面に押し出して目を眇めたこちらの言葉にまったく耳を傾ける気がないのか、蕩けるような表情で男子生徒はずずぃっと私に顔を寄せて来た。近い。


「恥ずかしが」

「近い」

「どうか照れな」

「放せ」

「ああ、ハニー。心にも無いことを言わないでおく」


「五月蠅ぇ邪魔だ!!!!!」


怒号とともに繰り出した左手が、男子生徒の両手にがっちりと包み込まれていた状態のまま勢い任せにふるった一撃が、初対面とは思えない密接距離にまで迫っていた人の話を聞かない恋愛脳の顔面を強襲して酷く鈍い音を立てる。結果的に拘束が緩んだのか私の手は無事自由になったが、こんなことならもっと早くに殴って解決しておけばよかった、と紳士的に対応しようとした自分に若干の苛立ちを覚えた。ちなみに本気で殴ったら鼻骨を粉砕しかねないので可能な限り手加減はしたぞ。

皮膚にまとわりつくような感覚を雑に振り払って誤魔化して、濡れたおしぼりで拭き拭きと掴まれた左手を清めておく。なんとなくでしかない気休めであっても無いよりましだ。ああくそ、腹立つ。

勢い余ってがったーん! と後ろに倒れた男子生徒には元から微塵も興味などない。が、これの転倒に巻き込まれた人が居たならその責任は私にある。もっと上手く処理すれば良かった。反省。


「隣と後ろと―――――あとこの辺の席の人、ごめん。今のに巻き込まれて怪我とかしてない?」

「ええ。問題なくってよ」


思えばすっかり聞き慣れた気がする平静極まる声がして、ぱちぱちと瞬いた視界の中心には案の定フローレン嬢が優雅に典雅に立っていた。パスタランチが載ったトレーを両手にしっかりと持った姿で、いつものようにチーム・フローレンを従えて泰然と私に話し掛ける姿は誰がどう見ても遅れて来た主演女優の貫禄である。ただそこに居るだけで場が華やぐってすごいなこの人。


「皆さまも、よろしくて?」


にっこりと非の打ち所がない微笑みを湛えてゆるりと周囲を一瞥した彼女は、こくこくと遠巻きにこちらを取り囲んでいたギャラリー各位から無言の首肯を受け取って「結構」と満足げに事態をおさめた。

いつの間にやら私の周囲一帯にはそもそも人の気配がなく、恋愛脳の転倒に巻き込まれた憐れな被害者など皆無で、テーブル席もカウンター席もがらんと空いた状態だったからそれに関しては助かったと思う。

ていうかこれ、もしかしなくても皆してちゃっかり避難とかしてない? その上で安全圏からのんびりとショータイム感覚で見てたりしない?


「うんうん。今回はよく我慢した方だなー、リューリ・ベル。偉いぞう」


普通に見てました、とカミングアウトしたのは空いていた近隣のテーブル席にランチトレーを置いた王子様だった。なんでそんな上から目線なんだよと問いたい。余談だがトレーに載っていたのは婚約者のフローレン嬢とまったく同じパスタランチである。やっぱ絶対仲良しさんだろ。

どうやら彼らは全員揃ってつい今し方食堂にやって来たらしく、フローレン嬢もまた王子様の隣にことりと自分のトレーを置いた。自然な動作で王子様がすっと音もなく引いた椅子にゆったりと腰を落ち着けた彼女は、そこで何を言うでもなくただ軽く右手を持ち上げて滑らかな所作でさっと振るう。

チーム・フローレンの皆さんが、近場のテーブル席を占領してから各々ランチを置き去りにして私の方にやって来た。統率のとれた動きだった。


「こちら、フィンガーボールでございます。指を洗うためのものですので、どうかお飲みにはなられませんよう」

「清潔なナプキンでございます。水気を拭き取る際はこちらを」

「食堂の方からのご厚意で、“王様のランチ”のメインディッシュ―――――ロブスターのグリルをお持ちしました。そちらの冷めてしまったものとお取り替えしますわね」


こと、と水入りの陶器製ボウルを置いたお嬢さんが一礼して下がり、きっちりと巻かれた状態のナプキンを小さなトレーに三つセットして恭しく差し出してきたお嬢さんもまた一礼して下がり、最後に控えていたお嬢さんが私の目の前で冷めてしまったメインディッシュの皿を手早く交換して一歩下がった。そのまま三人横一列に並んでまったく同時に腰を折る。この間、僅か十数秒。角度も完璧に揃っていた。流れるような連携プレーにはびっくりするほど無駄がない。

実際びっくりしていた私は、何をどう反応したらいいのか分からず呆然とした眼差しで彼女たちを眺めるしかなかった。


「えーと………ありがとう?」


とりあえず、親切にしてもらったことだけは分かる。フローレン嬢の差し金なのは間違いようもないのだけれど、なにがどうしてそうなったのかはまるで理解が及ばない。というか、今気付いたのだけれど―――――私、そういえばチーム・フローレンのお嬢さん方の名前を誰一人として知らないわ。どうしよう。とても気まずい。いくらなんでも失礼な気がする。知らない相手ではないのだし、これを機にちゃんと覚えよう。

殊勝な心掛けで彼女たちの名前を尋ねた私はしかし、一様に晴れやかな笑顔を浮かべた彼女たちの言葉に心底混乱する破目になる。


「お気になさらず、リューリ・ベルさん。私どものことはどうか番号で認識してください。私のことは十一番、と」

「同じく、十二番とお呼びいただきたく」

「十三番でございます」

「待って待って待って待って」


聞き捨てならないというよりも純粋に意味が分からないよ番号って何。何の番号!?

どうしてそんな何の衒いもなく謎の自己紹介が出来るんだ。認識番号で呼ばれたがるお嬢さん方ってなんなんだ。

どうなってるんだ王国民、という驚愕を込めてフローレン嬢を見遣れば彼女は優雅にランチをしていた。その隣に座す王子様は私の視線に気付いたらしく、ガンバレ、みたいな生温さで細めた眼差しを返してくる。ふざけるな。どういうことだ。


「フローレン。リューリ・ベルがいつになく切迫した目でお前のことガン見してるぞう? あんまり見たことない類の珍しい表情してるから、見ておかないと損な気がする」

「悪趣味でしてよ馬鹿殿下。王族としての品位を疑われる発言をするのはお控えになってくださいまし―――――もっとも存在そのものの時点で既に手遅れなのですけれど」

「もしかしなくても認識が酷い! うんまぁぶっちゃけ知ってたけれども!」

「リューリさん。当人たちたっての希望ですので、よろしければ何も考えず番号呼びで対応してくださいます? 特に深い意味はないので。ええ。はい。本当に」

「わぁ。まさかの鮮やかなシカト」


しょぼん、とする王子様をナチュラルにスルーしながら助け舟ともとれなくもないコメントをくれたフローレン嬢だが、彼女にしては珍しいことにほんのちょっとだけ目が泳いでいた。声に説得力がなかったともいう。

私はチーム・フローレンこと十一番十二番十三番―――そういえばなんで二桁台スタートなんだろう―――のお嬢さん方に向き直り、真顔で聞きたいことを聞いた。


「深い意味ないのに番号呼びがいいのか?」

「はい。是非とも番号で」


三人の中での代表なのか、十一番さんがにこやかに頷く。思わず半目になった私は止めればいいのに深追いした。


「その心は?」

「ただただ純粋に誠実に、推しに存在を認識されないまま全力で推していきたいだけです」

「ごめんちょっと久し振りにこっちの言語が分からない」


ここまでまったく理解出来ないのは本当に久し振りな気がするぞ。オシってなんだ。まさかあれか。宿屋のチビちゃんが読書中に叫んでた「オシが尊い!」と同じあれなのか。なんなんだよオシって。あのとき奇声にたじろかずチビちゃんに聞いておけばよかった。

そして私はまったく分かっていないのに、うんうんと頷いている人がギャラリー(まだ居たのかよ)の中に散見されるのはどういうことなんだ説明しろ。何その謎の一体感。膨れ上がる疑問に戸惑う私にしれっと声を掛けたのは、自分の席から動くことなく無駄にきらきらしい笑顔を浮かべた輝ける王子様だった。


「リューリ・ベル。気持ちは痛い程よく分かるしその反応はもっともなんだが、どうもフローレンさえ匙投げてるっぽい気配がするから追究しない方向で頼む―――――せっかく交換してもらったメインディッシュ、美味しいうちに食べたいだろう?」


文字通り、私は「はっ!」とした。王子様にしてはいいこと言う。まったくもってその通り、食べるなら美味しいうちに食べたい。チーム・フローレンの皆さんにもう一度お礼をしたあとで、本当に待たせてすまなかったとメインディッシュのとても立派な甲殻類ことロブスターとやら(二匹。交換してもらう前と今目の前にあるやつ)に心の底から詫びを入れた。


「あらためまして、いただきます」


今度こそ、と伸ばした手は何者にも阻まれることはない。お皿の上で綺麗に縦割りされた半身をそっと持ち上げて、バターとガーリックの香りに心を躍らせながらてきぱきと殻を取り外す。発色も鮮やかなそれはあらかじめ用意されていた殻入れの容器に放り込み、露出させた白く肉厚な身を一思いに大きくがぶり―――――なんと。予想外なことにものすごく、懐かしいような味がする。縦半分にぱっかーん、した状態でサイズも違うからまったく気付かなかったけど、もしかしてこれ故郷でよく食べたお馴染み食材の湖底エビでは? 王国語で言うところのザリガニでは? 

環境次第でこんなに大きく育つんだなぁ、などと呑気にもぐもぐしていた私の肩が、突如がっしりと掴まれた。なんだよ、と横目で睨めば鼻から一筋の血を垂らした男子が引き攣った半笑いを浮かべている。


「お転婆なんだね、ハニー」

「誰が蜂蜜だこの野郎」


何言ってんだお前まだ居たのか、という気持ちを込めて紡いだ言葉は冷めていた。どうやら昏倒から回復したらしいが、どうして真っ向からフラれて殴られたのに未だこの場に留まるのだろう。愛を叫び続けていれば届くと信じているのだろうか。だとしたら鼻で笑うしかない。いますぐ捨てろ。そんな幻想。

馴れ馴れしく肩に乗せられた手を鬱陶しげに鋭く睨めば相手は慌てて引っ込めたけれど、私の両手がロブスターで塞がっている現状なにもされないと高を括っているのか一向に離れる素振りをみせない。

君のことが好きなんだ、と男子生徒は声高に大仰な愛を叫んでいる。私には届かないけれど。いくら見た目を褒められたところでそんなもの腹の足しにならない。故郷に帰れば個人の美醜も善悪も何も関係ない、ただ“狩猟の民”にとっての日常が待っているのだと懐かしい気持ちでロブスターを咀嚼していた。


そう言えば―――――誰かに巻き込まれるかたちではなく、自分自身が“恋愛脳”に絡まれるのはこれが初めてだった気もする。


「ワイルドにロブスターと戯れる君も、もちろん素敵だとは思うのだけれど………出来れば美しい女性には、もっと美しいものに触れてより美しく居て欲しい―――――そう、たとえば輝く宝石。雪原に儚く溶けて消えてしまいそうな君を見付けられる目印になるような、その素晴らしいプラチナブロンドによく映える色鮮やかな珍しい輝石をあしらった特別なアクセサリーを贈ろう!!!」

「………は? お前、何考えてるんだ? 宝石ってあれだろう? なんかキラキラした感じの石。要らないぞそんなの。綺麗なだけの石なんかもらっても使い道がない。王国民にとって高価な品だろうが私たちにとってはただの石だ。その辺に転がってる石の方がまだ投擲用に使えそうで便利、くらいの感覚だぞ。装飾品? そのうち“北”に帰る私にそんなものを贈って何になるんだ―――――というか、人間が雪に溶けるわけないだろ。好きだ好きだって言う割には相手への理解度ゼロだなお前。結構はっきり言ってるのに聞く耳持たない姿勢が気に食わない。ポジティブと無神経を履き違えてる感じが生理的に無理。相容れない。迷惑だ。どっか行け名前も知らん脳味噌お花畑野郎」

「ほ、宝石がお気に召さないのなら、君に似合う豪華なドレスを仕立てよう! それを着て一緒に食事に行こうじゃないか! 王都の高級レストランに行けばささくれ立った君だってきっとすぐに機嫌を直して僕の想いを受け入れてくれるさ!!!!!」

「はぁ? 高級レストランとか正気かお前? そんな格式張ったところにこんなマナーを覚える気のない“辺境民”を連れて行く気か。きちんとルールとマナーを守って王都の高級レストランで食事を楽しむ他のお客に迷惑だろうが―――――そもそも、私はこの“学園”内から許可なく外出したり出来ない。そういう約束になってる筈だ」


噛んで含めるように言い、甲殻類の身を噛み締める度に故郷を思い出す味がする。食べやすいサイズに千切るだなんてお上品な工程は知らん。マナーは最初から投げている。ただ食べ物と真摯に向き合い感謝する気持ちがあればいい。そういう思考で生きてきて、その果てに今も生きている。これまでも―――――これからも。

ぎろ、と睨む目に力を込めたら鼻血を垂らした間抜け面が凍った。


「おい。私にとって必要ないものを勝手に宛てがおうとするのを止めろ。お前の理想を押し付けるのは止めろ。私はお前に興味がない。お前が散々褒め称えた美しさ云々もどうでもいい。言っておくが私たち“北の民”に美醜の概念そのものはあってもそこに価値なんてモンはないぞ。見た目が綺麗。それがどうした。とても美人。だからなんだ。あの地で暮らしている生き物たちは食材の見た目なんか気にしない。私たちもだ。お互い『食える』か『食えないか』、大多数はその二通りだ。極論で言えば生きるか死ぬかだ。今はたまたまこちらに来ているだけの私はそのうち“北”に帰る“狩猟の民”のひとりでしかない。だから、“王国”の“学園”に居ようが恋だの愛だの関心がない。お前に惹かれる要素もない。そんなモンは何処にもない。いい加減にしろ恋愛脳―――――人の話も聞かないで寒い台詞ばっか並べやがって、誰がプラチナブロンドだ。これどう見ても白だろうが!!!」

「シリアスっぽい言い分のラストになんでそれ選んじゃったのお前!?!?」


キレ気味に声を荒げた私以上の声量が、真後ろから勢いよく飛んでくる。気軽に顔をそちらに向けたら、思わず口に出しちゃったよといった様子の王子様が椅子から腰を浮かせているところだった。あ、フローレン嬢が着席したままちょっとだけ肩をこけさせてる。なんでだろ。

ひょいひょい食べていたロブスターの半身を完食したところでもう半分を手に取りつつ、中途半端に後ろを向いた腰が痛くなりそうな姿勢で私は飄々と肩を竦めた。


「いや、だって白は白だろ。もし“学園”で『綺麗なプラチナブロンドの君』とかなんとかダサい台詞でナンパされたらとりあえず再起不能になるまで強めに扱き下ろしといた方がいいよ、小説に出て来るそういうタイプってだいたいロクな男じゃないし現実にいたらクサくて寒くてひたすら鬱陶しいだけだろうし―――――って、私の髪は『ずぇったい白だね!』って断言してくれた宿屋のチビちゃんが力説してたし」

「絶対、の言い切り方にすごい圧を感じるあたり、もしや宿屋のチビちゃんとやらは訓練された白髪推しなのでは………?」

「殿下」


恐る恐る、と呟いた王子様に対して素早く視線を飛ばすフローレン嬢は、たぶんお口にチャックしなさい的な意思を込めていたんだと思う。彼女に免じてここは流そう―――――別に、その隣のテーブル席でチーム・フローレンのお嬢さん方が宿屋のチビちゃんに対してシンパシーを抱いていそうな雰囲気を察知したわけではない。断じて。

ロブスターの殻をてきぱき剥き剥き取り外して身を出す片手間で、じわじわと思い出してきたチビちゃんの台詞を補足程度に口にする。


「あと、そういうのはどうせ私の見た目に釣られて『美形の恋人を側に置くことで自分が優越感に浸りたいだけの思い込みの激しい陶酔型の自己中クソ野郎』だろうから遠慮は要らないとも言ってた」

「アドバイスがやたら具体的過ぎてお幾つなんだよ宿屋のチビちゃん! 実は前から思っていたけどチビっ子説すら危うくない!?!?」

「まぁ。おチビさんが相手とは言え女性の年齢を勘繰るなんて最低ですわね、馬鹿殿下」

「酷ッ! 自分だけちゃっかりいい顔しようとしてる! フローレンだって実はちょっと気になってるくせに宿屋のチビちゃん!!!」

「お黙りになって馬鹿王子―――――お夕飯のセロリのサラダ、シェフに頼んで殿下の分だけ三倍くらい増量してもらいます?」

「な………何故お前が私も知らなかった本日の我が家の夕食メニューを知っているんだフローレン………?」

「あら。知っている、だなんて大袈裟でしてよ―――――私が『セロリのサラダ』だと言ったらセロリのサラダになるだけですもの」

「ええい、そんないい笑顔で王城の厨房を掌握しましたよ発言するやつがあるか―――――っ!!! セロリのサラダは通常盛りで勘弁してください」

「はいはい。無しにして、とは言わずにちゃんと食べる気概を見せたところを評価して………そうですね、ここは通常の五割増し程度で手を打つことにいたしましょう」

「三倍率が実質半分になったヤッター………って結局増量はする方向!?」


婚約者コントが絶好調なようで何よりですね平和だ平和だ。フローレン嬢と王子様の小気味良い遣り取りを観客気分で眺めつつ、ぷりぷりのロブスターを頬張る私は既に恋愛脳の存在を完全に葬り去っていた―――――あそこまで言われてまだ言い寄って来るなんて流石にないだろ、と思っていたので。


「ああ、こんなにも深く愛しているのにどうしてちっとも分かってくれないんだ! リューリ嬢! 確かに僕は君のことをまだよく知らないかもしれないが、それは君が僕のことをよく知らないのと同じこと! 必要なのは歩み寄りだ! そういうわけで積極的に相互理解を深めようじゃないか! まずは互いをよく知るためにお友達から始め」

「だから嫌だって散々言ってるだろお前ホントいい加減にしろ」


私の王国語がおかしいのか全然話が通じない。もうどうしたらいいんだよコイツ。本気で殴って黙らせて外に捨てて来ればいい? げんなりを通り越してげっそりした気分で、人知れずそっと拳を固める私である。

ところでロブスター食べ終わっちゃったから、デザートでしめる前にスープのおかわり取りに行きたいんだけど。ついでにパンも追加したい。


「何故だい!? あの悪評高き狂犬のベッカロッシとは趣味の悪いゲテモノ料理であろうと親し気にテーブルを共にしていたというのに、僕が差し向けた善意の第三者に口を挟まれてもあの野蛮人ばかりを気に掛けていたというのに!!! 何故ここまであからさまな愛の言葉を囁く異性にちっとも靡く素振りがないんだ!? 大抵の女子は夢見がちと相場が決まっているからこういう展開に憧れている筈では!? いくら“辺境民”とは言えどもこの手応えのなさはなんなんだ! も、もしやリューリ嬢―――――君、いや貴様、前から噂されていた通り実は中性的に顔の整った無駄に綺麗な男なのでは!?!?」


ガタガタガタガタガタッ!


やたらとすごい音がした。四方八方からである。さながら一斉に椅子が動いたような、やけに統一感のある一瞬の騒々しさだった。剣呑に尖って張り詰めた空気が爆発的な速度で食堂に広がっていく。

何事、と思わず身構えた私の耳に、大いに呆れ果てた様子の淡々とした声が届いた。騒々しさとは対極にある、随分と冷静かつ厳かな響きで。


「愚か者―――――お前は今、世の女性陣の大多数とリューリ・ベル・ファンクラブ会員の悉くを思いっきり敵に回した」


王子様の今の発言は聞かなかったことにしよう。

私の判断は迅速だった。どうしてだかは自分でもまったくもって不明だけれど、その方が精神衛生上健やかでいられる気がしたので聞かなかったことにする。ふぁんくらぶ、なんて知らない知らない。ロブスター美味しかったなー。

現実逃避がてら別のことでも考えていよう―――――ん? あれ? なんか引っ掛かるな。

なんだろう、と考えたところで答えは出て来なかったけれど。


「なるほどなァ? じゃぁアレか、つまりスターゲイジー・パイ食ってたときにメチェナーテの馬鹿けしかけて間接的に俺に喧嘩売って来たのはテメェってことで間違いねぇと―――――白昼堂々カミングアウトとはいい度胸じゃねぇかよ、クソッタレ」

「えっ………げぁぁぁぁぁぁベッカロッシあぁぁぁぁ!?!?」


売られた喧嘩は高値で買うぞ、と言わんばかりに現れたセスが、お前はどっから出て来たんだよと問い質したくなる唐突さで恋愛脳の頭に手を掛けている。林檎を平然と握り潰せる力で頭蓋をみしみし軋ませているのか、鷲掴みにされている側の絶叫は悲痛だった。何よりセスの顔が怖い。元々凶悪な眼光が更に取り返しのつかないレベルで凶暴な光を帯びている。

急過ぎて、流石にちょっと驚いた。思わず点になった目を数回ぱちぱちさせたところで光景にまったく変化はない。

あれでもちょっと待ってこれ―――――もしかして、めんどくさいやつこのままセスが引き取ってくれるなら私もう何もしなくてよくない?

そんな前向きな発想で、からっぽのスープボウルを手に私はのんびりと席を立った。しかしあまりにも悲鳴が五月蠅くて不快指数が閾値を超える。これは流石に今までの比でなく食堂全体にご迷惑だ。


「おい、セス。とりあえずそれ五月蠅いからやるなら外でやってくれ。それかとっとと黙らせる方向でよろしく」

「あ? テメェに言われんでもこんな雑魚すぐシメ………あー。そんなことより、おい、リューリ。林檎ジャムとか引き取る気ねぇ? 大瓶だから結構でけぇンだけどよ」

「ある。もらう。大丈夫。食べる」


本日何度目か忘れたが、間違いなく一番晴れやかな気分で一も二もなく即答した。おかわりスープに向いていた意識が一気にジャムに傾いた瞬間である。しかしセスが林檎ジャムとはどんな組み合わせだ。なんか笑える。


「あ、分かった―――――さては林檎割る練習したんだなセス。合計何個失敗したんだ?」

「やかましい。十三個目には成功させたわ」

「つまりジャムは十三個分の潰された林檎のなれの果て………」

「真っ二つにした十三個目は俺がそのまま食ったから、厳密には十二個分だけどな」

「食べ甲斐ありそうだから何でもいい」

「テメェも大概ブレねぇよな、マジで」

「セスもリューリ・ベルもなんでそんなカオスな状況で雑談に興じられるんだろうなぁ」


ぎりぎりと五指に力を込め続けているのか、痛みを訴える恋愛脳の叫びは途切れることなく続いている。それに掻き消されることもなく、たまたま拾えた王子様の台詞はやけに達観した様子だった。カオスってなんのことだろう。音の響き的にかぼす、とかいう柑橘系の仲間あたりか?


「はいはい、セスもリューリさんも、それくらいになさいまし」


ぱん、ぱん。

軽く掌を打ち鳴らして間に入ったのはフローレン嬢である。いつの間にやら席を立ち、涼やかな一瞥だけで矛を収めろと促す彼女は緩慢な仕草で頭を振った。


「これ以上は控えなさいな、セス。流石に今、ここで暴れるのはよろしくなくてよ」


時間と場所が望ましくない、と静かに諭したフローレン嬢に、セスは何も言わなかった。舌打ちすらなく速やかに掴んでいた恋愛脳系大馬鹿野郎の頭部をぱっと解放し、一目で不完全燃焼と分かる渋面で明後日の方角を睨んでいる。

林檎よろしく頭蓋骨がごしゃっ、となる未来を回避した男子生徒はと言えば、心底ほっとした様子で情けなくしりもちをついていた。どうも腰が抜けたらしい。乾きかけた鼻血の跡が、痛々しくも間抜けに映った。まぁ殴ったの私なんだけどな。折ってはいないからセーフと思いたい。


「けれど、このままではおさまりがつかない、という気持ちも理解出来ますわ。ええ、ええ―――――双方ね?」


滑らかな動作で私たちに向けて一歩踏み出したお嬢様が謳う。確信的な言い回しで、どこか面白がっているように。だけど、薄皮一枚剥いだ向こうにはびっしりと棘があるような、そんな不穏さを醸しつつ。


「ですので、お互い納得いくよう落とし所を設けましょう。ええ、きちんと目に見えるかたちで」


何かあっても、なにはともあれ、フローレン嬢が出て来たならもう落着でいいだろう―――――と、大雑把に判断した私は、セスに林檎ジャムを要求してからスープのおかわりを取りに向かう。

追加のパンをどれにしようか悩む足取りは弾んでいたが、もはや誰にも邪魔されない。


「と、いうわけで―――――この件、私が預りますわ。準備に少々お時間をいただくことにはなりますが、大人しくお待ちくださいましね? 文句は一切受け付けなくてよ」

「わぁ。フローレン、なんかすっごい機嫌悪い」


そこそこ取っ散らかったままの現状を無視してライ麦パンと雑穀パンと白パンを食べようと元気よく歩を進める私は、興味を失くしていたが故にフローレン嬢の審判を見事に聞き逃していた。


「え、なにこのふっわふわのパンさっきまでなかっ………チーズ蒸しパン!? これも食べていいの!? しかも出来立て! ありがとうおばちゃん! え? 大丈夫デザートは別腹だから!!!」


今日も元気に食事が美味しい。

うん。次の月一限定ランチも、食べられる機会に恵まれたなら全力で取りに行くとしよう。そう決意した私だった。


夏バテでげんなりしながら美味しいものに思いを馳せる、ってなんか不思議な感じですね……冷房の効いた部屋に居るのに思考が散らかるのは何故だ。

連日厳しい暑さが続いたり台風がコンニチハしたりする日々ですが、皆さまも何卒ご自愛くださいまし。

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