EP015 忌まわしきコンビニ
市街地とは言っても、秩父である。
高層ビルが建っているワケでもないし、道沿いに低層な店舗や家屋が並んでいるだけである。
この秩父市街地では、食料の調達と軽く休憩を挟むつもりだ。
ちらほらとコンビニを見かけるが、土地柄のせいか、どこも駐車スペースがだだっ広かった。
まあ、焦ることもあるまい。
今朝のように、早々に地元のコンビニに立ち寄るよりも、ギリギリのところで食料を調達した方が、僅かとはいえ鮮度も保たれ、移動荷重の節約にも繋がるということを学んだのだから。
ギコギコ…
だがその余裕は、早くも数分後には消え去っていた。逆に焦りの色が濃くなってきていた。
ここは秩父市街地なのだ。
そのことが意味する最も重要な点は、予定として立ち寄ることができる最後の市街地であるということだ!
そしてそのことは同時に、この市街地で立ち寄るコンビニが、事実上、確実に食料を調達し得る最後の店舗であるということをも意味している。
一旦、山に侵入してしまえば、自販機ですらなかなか見つけられないであろう。コンビニともなれば、もはや砂漠でオアシスを発見するが如きレベルと言っても過言ではないということだ!
これまでの道のりとは勝手がまるで異なるのである!
周囲を見渡せば、街並みが先ほどよりも寂れてきていた。もう直ぐ本格的な山に差し掛かりそうな雰囲気…。
し!しまったっ!!!さっきのコンビニに寄っておくべきだった!
だがしかし…戻るのは気が進まない。
何故なら、引き返して食材調達してから再びこの場所まで戻って来た後、少し進んだ先に万が一コンビニを発見してしまったなら、引き返した距離の分だけ移動荷重と時間の損失であり、何よりも精神的ショックが大きいからである。
悩んでいる暇があったら、さっさと戻ればそれだけ早くメンタルの安寧が取り戻せるのだし、何をそんな細かいことに拘っているのだ!という自分も居るが、ここで引き返すという行為自体が、何故か人生を逆行するかのような気持ちへと大きく飛躍させてリンクせしめる自分もいるのだ。
ここは…退かぬ!!!退いてはならぬ局面!!!
信じるんだ!
秩父を信じるんだ!
天佑神助に期待して突き進む。
そんな余市の願いが秩父の神様に通じたのかは分からないが、少し進むと、何と!コンビニを捕捉した!
だだっ広い駐車スペースの右奥に、慎ましげに店舗が佇んでいた!
見慣れぬ配色の店舗だが、コンビニには違わない!おそらくは山に入る前に寄ることができる正真正銘の最後の店舗だろう!
悩んだ分だけ感動も一入である。
フ…フフフ。オレの人生は順調だ!
そう。この時の余市は、些細なコトとはいえ自分の読みが正しかったことに浮かれていた。
だが結果として、やはり引き返しておくべきだったのだ。
この秩父市街地最後の恵みのコンビニが、忌まわしきコンビニへと変貌を遂げてしまうような、想定外の事件が勃発してしまったからである…。まあ、刺激的な褒美も用意されてはいたのだが。
駐車場の中を走り、店舗の前面ガラスのまん前に駐輪した。
幾ら治安の良い日本とはいえ、万が一は有り得る。
店内からもよく見える店舗前面のウィンドウ越しに駐輪しておけば安心だし、徒歩での移動距離も僅かとはいえ節約できるのだ。
傍には高そうなロードバイクが立て掛けてあった。
改めて自分のボロいママチャリと比較してみると、その違いに驚かされる。
最初に目を惹いたのは、そのサドルだ!
非常に細くて薄い!中央部には、サドルを分断するかのような細い穴まで開いていた!屁を逃がすための趣向だろうか?だとしたら、後ろを走る者の立場からすれば忌々しき事態である。
ハンドルの形状も明らかに異なり、カゴはおろか泥除けやスタンドすら付いていない。
深紅の鮮やかなボディは、塗料だけでなくその素材からして既に異なっていることが、素人目にも明らかだった。
この2台は本当に同じ自転車と言うカテゴリーなのか!?次元が違い過ぎるだろ!
車で言えば、フェラーリと軽トラ、動物カテゴリーならチーターとカピバラくらいの差はありそうである。
地元民がコンビニに寄っただけなら、こんなママチャリでもどうということはないし、劣等感を抱いたり恥じるべきことでもない。至って自然である。
だが、この2台はどちらも、これから山を制覇しようという共通の志を掲げて停まっているのである!
…オレはひょっとしたら秩父の山々を激しくナメていたのではあるまいか?
これまでのなだらかな山道は、景色がたまたま山であっただけで、飯能市にある丘に過ぎなかったのでは!?
そしてこれからが真に山と呼ぶに相応しい、険しき山岳地帯なのでは…いや、きっとそうなのだろう。
このロードバイクの持ち主にだけは、リュックに鞄という出で立ちでママチャリに跨るこのオレの勇姿を目撃されたくはない!…見せてはならぬのだ!
否!待て待て!オレはどうかしているぞ。
一転して心を鎮め冷静になる。
今は…今だけはそんなコトはどうでもいいジャマイカ!?
どうせ二度と会わない名も無きコンビニ客同士さ。変な目で見られたって気にしないしぃ!
そうさ!どうというコトではないのだ!
ブハハハハッ!侮るでないわ!我はそこまで小さい男ではないわっ!
が、しかし!
無情にもそれは起こってしまった。
ロードバイクの持ち主が店舗から出て来て、早速、余市とママチャリのお笑いコンビを見つけてしまったのではない。
コトはもっともっと深刻かつ重篤だったのだ!
駐輪して顔を上げた刹那、目の前のウィンドウ越しに立ち読みをしている見覚えのある顔を発見したのだ。
一応、断わっておくが、パキケファロサウルス2号などではない。
ひととして確実に見覚えのある顔だったのである。
その顔はほぼ同時に余市の存在にも気付いたようで、一拍置いた後『おおっ』というようなリアクションを返してきた。
一瞬、誰だったか思い出せず固まっていると、中のその人物は他にも連れが居たらしく、更に男ひとり女ふたりが集まってきた。
そして後から来た男は余市を指さして、もうひとりの女と何やらゲラゲラと笑い始めている。
残りの女は、水族館で何か奇妙な深海魚でも発見したかのような顔をして、水槽の向こうから余市魚を物静かに観察している、といった風情だ。
計4名の男女。
流石に余市もここにきて漸くコイツらがどこの馬の骨なのかを思い出した!
同じ高校の同級生たちだっ!!!
あろうことか男ふたりに至っては、余市の高校3年次のクラスメイトである!!!
つまり…最悪の展開である。最も恐れていたことが起きてしまったのだ。
絶対に起きてはならぬことがっ!!!
青天の霹靂とはまさにこのような時のために使う言葉なのだろう…。
やはり…あの時!
県道126号沿いのあの狭山市の公園で、ゴルバチョフ君のウンを落としたのは失敗だったのだ!
信じられない光景に顔面蒼白で立ち尽くすも、この非常事態に脳が自動運転の警戒モードに移行したらしく、勝手にフル回転して敵の情報を掻き集め始めた!
余市のデータベースより収集された敵情報は次の通りである。
◇立ち読みしていた男:
角倉欽瓶/通称=角瓶。欽ちゃん。
進路は、爽やかかつナンパなイメージの難関私立のA大。
高校三年間、野球部に所属し主将も務めた。
体育会系の肩書と、チャラいながらも日焼けした男らしい顔立ちから女にはモテやがっていたようだ。
腹筋の割れたSixPackが自慢で、夏場などは教室でもよく露出させていたハラスメント野郎。
学内で美人として周知されていた野球部の女子マネと関係を結んだが、直後にそのマネージャーが部を辞めたことから、弄ぶだけ弄んで振ったに違いないと一部の非リア充たちの間で陰口が囁かれた時期もあった。
しかし、女子どもからの人気が落ちた様子はなかった…ぐぬぬぅ。
つまり余市とは、陰と陽、北斗と南斗、風紀委員長と不良番長、サトウキビとハバネロ、歌謡曲とデスメタル!ピチピチギャルとよぼよぼジジイ!カワイイあの娘の陰毛と政治家の耳毛…もっとも対極に位置していたクラスメイトと言っても過言ではないだろう。
現役で難易度の高い大学に受かっていることを考えると、裏でせこせこと勉強もしていた姑息なヤツのようだ。文武両道ってか?今時、流行らねーんだYO!
因みに余市のことを、貧弱な上に成績も悪い怯懦な部類のダメ人間と見下しており、普段はほとんど絡まないが掃除などでたまに一緒になると、全部余市に押し付けてくる嫌なヤツだった。
しかし、団体スポーツで培ったのか仲間内での信頼は厚かった様子…。
◇ゲラゲラ指をさして笑っていた男:
竹中鶴彦/通称=竹鶴。鶴くん。
進路は、金持ちボッチャン大学として有名なそこそこのレベルの私立S大学。
部活は科学部だったと思うが、ほとんど参加していなかったようだ。
見た目は眼鏡を掛けた長身の優等生といった印象だが、多少天然が入っており奇矯な行動や言動もしばしば見受けられる。
しかし家がスゲー金持ちなため全てノープロブレム。広東語で言うならモーマンタイだ。
顔は普通だが背が高く金持ちなため、故にやはり女にはモテやがっていたようだ。
高校1年の夏に女子体操服を盗んで見つかったが、親が大枚を叩いて揉み消したという噂アリ。
そんな竹鶴だが、余市のことを変態扱いして頻繁に絡んできていた。捏造された上に魔改造まで施された、愉快かつキモイ余市の変態像を、女子共に触れまわって笑いをとったりと非常に性質が悪い。
自分の方が成績が良かったくせに、余市のことを『(皮が15センチ近くも伸びる)博士』と呼んでからかったりしていた。小学生かよ!せめて5センチくらいで勘弁して欲しかったが、女子どもは皆、信じて疑わなかった様子…。
角瓶とは中学も同じだったらしく腐れ縁のような態度で接しているが、仲が良いのも確かなようだ。
◇一緒になってゲラゲラ笑っていた女:
白州茉莉花/通称=マリカ。白州さん。
違うクラスだった女子。
進路はどこかの大学だか短大かどっかだと思うがよく知らない。
部活は放送部で、ラジオのパーソナリティのように喋くりながら、個人的な趣味なのかよくHIPHOPやらR&Bなどをチョイスして流していた。ボカロ曲やアニソンもたまに流してくれてはいたが…。
見た目カワイイが派出でケバイ。緩いウェーブの掛かったミディアムロングの明るい髪がいかにも遊んでいそうなイメージだ。スカートも常に短かった。男心を弄びやがって!
どっかの事務所にでも登録しているのか、ファッション雑誌などに載ることもあったようだ。
3年間でクラスが一緒になったことはなかったし、直接、余市と話したことも無かった筈。
余市から見て一番遠い存在の女子という感じ。
トキメキゾーンからは流石に外れるが、カワイイ見た目とエロい雰囲気がそそることは確か。悔しいが余市の三次元オカズゾーンには喰い込んできてしまう逸材であると認めざるを得まい!
次元を問わず、余市は強い気性の女性に惹かれる傾向にあるので、そういう意味では下僕にされるならマリカのようなタイプも吝かではない…のかもしれない。
廊下などで見かけても男とばかり絡んでいる印象で、仲間内でTwerkingダンスなどして狭い廊下を我が物顔で通せんぼしていた時などは、小心者の余市はわざわざ階を移動して教室に戻らなければならなかった。
竹鶴のことを鶴くんと呼んでいる。付き合っているのか、ただの友達なのか、はたまたセフレなのかオナホなのかは余市のレベルでは分からない。(余市的オカズ偏差値/70 トキメキ偏差値/62)
◇深海魚である余市魚を無表情で観察していた女:
宝樹響/通称=響さん。
ひとクラスしかない難関の理数クラスに籍を置いていた。
進路は国内最高学府であるT大の理科Ⅱ類…。
因みに虚しい余談だが、生物関連に興味があった余市も、神童として崇められていた中学時代までは当然のように同大学の同学部に進むつもりでいた!
部活はマリカと同じく放送部だったが、響は生徒会にも所属していた。
校内放送では何度も声を聞いたことがあるが、普段喋っている印象がない。
学年でもトップを争う碩学さ故に、余市でも流石にその存在は遠目に存じ上げていた。
ストレートロングの黒髪が印象的な、容姿端麗な大和撫子である。
マリカが高級デミグラスソースなら、響は差し詰め生産量限定の本醸造特級醤油といったところだろう。
男子からの注目度は高かったが、雑魚を寄せ付けぬ凛としたオーラのためか、浮いた話を耳にしたことはなかった。
放送時の音声を録音して、多目的使用することが一部の男子の中で流行ったことがある。
皆が名前を『さん』の敬称を付けで呼んでいる。乱暴な印象の角瓶、金持ちで周囲を見下しがちな竹鶴、礼儀をまるで知らなさそうなマリカまでもがそのように呼んでいるのには、かなりの違和感を覚える…。
余市とは、会話はおろか目すら合ったことも無かった筈。
普段、無口で何を考えているのかよく分からず、それでいて頗る優秀という点に於いては、どことなく妹の峡香と通ずる印象を受ける。
個人的な趣向から山崎凛にはやや及ばないものの、オカズは勿論トキメキゾーンにも喰い込めるやもしれぬ恐ろしい子!(余市的オカズ偏差値/72 トキメキ偏差値/69)
といった感じの4人である。
因みに余市が通っていた高校は、県立の共学校としては最難関高である。
余市も中学生時代までは地域の浮きこぼれとして名を馳せ、どこで電話番号を調べたのか、あちこちの有名予備校からお誘いが掛かるほどであったが、マジノ線を越えてからは抜け出せぬ闇へと嵌っていき、受験直前期には全くといって良いほど勉強していなかった。
しかし、それでも余りある学力の貯金のお陰で、第一志望校には難なく合格できたのである。
担任教師は、更に厳しい都内私立校なども勧めてきたが、家から近いというアドバンテージを突き崩すまでには至らなかった。
高校に上がってからの余市の、嘘のような劣化っぷりについては既に述べた通りである…。
さて、4人は買い物を終えたのか連れ立って店の外に出てきた。
「これはこれは、博士ではあーりませんかー」
早速、長身でひょろっとした竹鶴が、上半身を曲げて覗き込むようにして絡んできた。
眼鏡をかけた逆三角形の顔は、トンボと言うよりもカマキリといった風貌である。
「お前、こんなトコで何してんの?」
角瓶が続く。ふたりともニヤニヤしている。
「つーか、何でチャリなの!?ウケるんですけどー!」
とマリカ。3人爆笑。響は興味なさそうに後ろを向いている。
「サイクリング…だよ」
小さく答えた。
そして足早に店内に入ろうとしたが、角瓶が行く手を塞ぐ。
「おいおい、焦んなって」
がっしりとした体躯に威圧感を覚える。
胸ポケットから煙草を取り出すと、口に咥えて素早く火を点けた。
そして煙をあからさまに余市の顔に吐きながら、
「こんなボロチャリ転がしてサイクリングはねーだろう?ちょっとムリありすぎんだろコレ?」
ママチャリのタイヤを爪先で小突いてきた。
そして、前カゴの荷物と余市の背中の巨大なリュックに気付くと、
「さてはお前…家出か?そうだろ?」
「ぎゃははは!!!」
3人再び大爆笑。
「腹イテー!博士、受験失敗したくらいで家出って正気か?元気出せよぉ~。一応同じ人類じゃねーか!」
竹鶴も調子に乗って余市の背中を叩いてくる。
「関係ないだろ!ただのサイクリングを兼ねた旅行だよ」
ムッとして返すと
「ふーん、旅行ねぇ。チャリでボッチでどこ行くんですかぁ?センパイ」
マリカが舐め切った口調で訊いてきた。何が先輩だ!同級生じゃねーか!
だが不覚にも、伸縮性のあるニットチュニックで強調されし胸の膨らみに少し見入ってしまう…。
「別に決めてないよ…山の方。もういいだろ!どいてくれよ」
すかさず角瓶が、
「てか既にもう山だろ。何?お前、秩父人なの?チゲーよな?確か学校の近くに住んでたよな?」
マリカがまた割り込む。
「大宮からここまでママチャリで来たってこと!?ドン引きなんですケドーー!ぎゃはは!!!」
竹鶴が続く。
「なるほど…キノコの研究か何かだね?そうだろ博士?伸びるキノコの研究!ゲロっちまえよぉ」
「ぎゃははは!!超ウケるー!鶴くんサイコーッ!!」
3人三度大爆笑。
こいつら好き放題に、オレという名のコンテンツを無料で楽しみやがって!
余市は不機嫌さを思わず顔に出した。
そして意を決して文句のひとつでも言い返そうと顔をあげると、それまで黙っていた響がひと言。
「行くよ」
笑いを遮るかのように小さくポツリと言った。
すると驚いたことに、3人は我に返ったかのように笑うのをピタリとやめたのである。
余市は意表を突かれ響の方を見る。気付けば響も沈んだ目で静かに余市を見つめていた。
まさか…笑いの方ではなく、オレのこれから始まろうとしていた怒涛の反撃を遮ったというのか?
響は直ぐにまた背中を向けると、つかつかと歩き出した。
「しゃーねーな」
「自殺だけはゼッテーすんなよ…ぷぷぷ!キノコ好きに悪いヤツはいねーよ!オレが保障する!」
「そんじゃ良い旅を~毒キノコに注意だよぉー。あ!博士だから大丈夫か!きゃはは!!」
3人もそれぞれ言い残し、響について去っていった。
4人の中で一番の優等生で無口で大人しいイメージの響が、この場をひと言で切ったことに余市は少なからず驚いていた。
この中でカラーもひとりだけ浮いたような存在で、傍目から見ると不良に付き合わされている優等生にしか見えないが、実は不良を束ねる裏番だったってことか!?まさか危険なヨーヨーとか隠し持ってたりして!
在学中は気付かなかったが、裏ではそんな序列になっていたのだろうか?女番長響…か、オレとしてはスケパンの方が理想なのだが…なんちゃって!
…考え過ぎだな。まぁ、どうでもいいいし。カースト最上位のリア充たちの序列なんぞオレには関係ねー!カーストの内容よりもスカートの内側の方が…。
さてと。
4人は竹鶴が運転する左ハンドルのRV車に乗り込んでいった。
やつら、ドライブか?
それにしては買い出し荷物多かったな、バーベキューでもするんかな?
てか、よく見れば国産車のエンブレムじゃねーか!
並行輸入や逆輸入って何かメリットあんのか?どんだけだよ!
…どちらにしても嫌なやつらだ。
竹鶴の買ったばかりと思われるRV車を横目で見送った後、何気なく自分の錆びたママチャリに目を落とす。そして溜息。
はぁ~…しかし、こんなコトってあるんだな、ビックリしたなぁ!もう!
ハッ!しまった!!!
意識を集中するのを忘れていた…。
三次元の…それも知っている中でもトップクラスの女子ふたりを目の前にして!みすみす見逃すなんて!
何たる不覚!ぐぬぬぬぬぅ!!!




