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オタクが消えた世界よりこんにちは  作者: 神山一起
第1章 オタクの消えた世界
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08話 World manipulation ー空間操作。

「でも、ヒナ本当に空間操作できるのよね。」


「はい。できます。」


天使のヒナが持つ特殊能力の一つに空間操作というのがあるらしい。


ヒナが言うには、空間操作というものはその名のとおり空間を操作することだ。


半径1㎞の空間内に存在するもの全てを自由に操作することができる。人間の全ての機能を自由に操作することもできるし、車だって、体育館の照明とかも全て思いのままに操作することができるらしいのだ。空間内に存在するものすべてに、絶対服従を強要するらしいのだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺達は体育館へと向かった。体育館は次の時間の全校集会のためにすでに開いていた。幸い、今日は晴れていたので体育の授業もグラウンドで行われて いるみたいだ。―掛け声が聞こえてくる。


舞台裏へと直結している体育館の裏側の扉から こっそりと中に入る。 中は閑散としていて、誰もいないような感じがした。


「どうやら中には誰もいないみたいですね・・・」

「いや、まだ早いわ。誰かいると私の直感が言っているもの。」


この人、いったいなんなんだよ。自分の直感よりも、天使の言っていることを信じましょうよ。




「おい、そこの生徒!!今授業中だろ、ここで何をしている!!」


完全に不意打ちであった。

俺達の背中の方から声が聞こえる。

しかも、その声は俺がよく見聞きする声であった。

―俺の担任だった。声だけでわかる。

俺の担任は体育教師だから、バレるとかなり怒られるだろう。


絢音とヒナも俺と動揺に静止していた。背中を振り替えることな く、そのままのであった。



絢音はヒナに黙ったまま手で合図をした。  

ヒナは右手を開き、なにか念力のようなものに力を込める。

ヒナの右手には光が宿り、それを握り潰す。


担任の声はピタリと止んだ。俺が後ろを振り返ると、そこには全くもって動かない担任がい た。


「止まってる・・・」

「空間操作で先生の空間を支配しました。」


先生の空間だけ全くもって無のような、空気も動いてないような感じがする。


「一宮、見た?。これがヒナの力よ。すごいでしょ。」

我が物の能力かのような言い方で絢音は言ってくるんだけど。


「でも、絢音だって、初めて見たんじゃないのか?。」

絢音とヒナは2人、目を合わせニコッとしてから俺の方見てくる。


「一宮で一回試させてもらったのよ。」



「えっ・・・」




ヒナが空間操作の説明をしてくれた時、私は直ぐには信じることができなかった。やはり、天使なんて存在は簡単には信じることはできないし、まして空間操作なんて信じられるわけなかった。私は、ヒナのことをリア充達が送り込んだスパイなんじゃないかと思ったわ。


だから、私はヒナの能力を確認したかったの。

でも、自分にやられるのも嫌だったから。

だれか都合のよい人はいないかと探したわ。

「都合のよい人間なんて、俺しかいないじゃんか。」

「さすが、一宮ね。よくわかってるじゃない。」


絢音さん、絢音さん

すっごいニコニコしててひたすらに怖いです。


私はヒナにお願いしたわ。ヒナは従順な子だから、何も文句を言うことなく、直ぐにやって くれたの。


いやヒナも、そこもうちょっと渋ってくれよ。



――――――――


ヒナが右手を大きく拡げ、力を込めた。なにか光りのようなもの が出て来て、それが手で握り潰されたとき、


一宮は全くもって動かなくなってしまった。


「スゴーイ、すごいはははxyz。ヒナ、これは本当に凄い。」

「そう言っていただき、ヒナも大変光栄です。」


「ヒナ。記憶を消すことってできるの?」

「はい。範囲内にいる物なら、都合のよいように自由に記憶を操作することができますよ。なんでも可能です。」


―ーーーーーーーーーーー


「だから、俺はそのことを覚えてないのか。」

「はい、そうです。ごめんなさい。」

「いやいや、ヒナは全くもって悪くないよ。」

ヒナの頭をポンポンとなで、そして絢音の方へと視線を移す。


「なに見てんのよ。私が悪いみたいになるじゃない。」


あなたがただひたすらに悪いんです。




「すげぇーな、ヒナ。なんでもできるじゃないか。じゃあ、担任が俺達のことを見た記憶も消せるっていうことだよな。」

「はい。そうです。望くんのお役にたてることができて、ヒナも非常に嬉しいです。」


ヒナの笑顔には花の美しさの同等の価値、それ以上の価値があった。ー絢音乙葉とは比べられない。


「なにニヤッとしてるのよ一宮くん。キモいわよ。」


「してねぇよ!」


お前には俺の気持ちは分からないだろとひたすらに思ってしまう。



俺らが確認したところ体育館にはこれ以上、人がいないようだったので隠れることにした。

絢音の意見で、俺達はカーテンの中に隠れることにした。なぜか若干密着気味なんだが。


「一宮くん。あなたの手が私の身体に触れてるんだけど、セクハラは止めてくれない。」


絢音にそう言われたので俺は右側へと寄ろうとする。


「一宮。なに右側に寄ろうとしてんのよ。」


なんで俺が真ん中を陣取ってるんだよ。

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