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三人の精霊と俺の契約事情  作者: 望月 まーゆ
コーヒーぶれいく
52/217

S・また明日で終わる今日

ショートストーリー

バスルームに湯気が立ち込める中、人影が一つ、 更に小さな人影が三つ。


「あたま洗ってよお、りさ」

「毎日 毎日、そろそろ一人で洗えるようになりなさいよお」


溜め息混じりに言葉を返しながらエルザの背後に回り湯船のお湯をすくいエルザのふわふわウエーブの髪の毛を濡らす。


「エルザちゃんは、いつまで経っても甘え坊さんね」


二人の光景を見ていたミーナが身体を洗いながら微笑ましく見ている。


ここは、ミーナの喫茶店の二階にある自宅のバスルームだ。


精霊たちは、そのまま湯船には浸かるには大き過ぎるのでミーナのお兄さんが専用のお風呂桶を作ってくれてそれにお湯を入れて浸かっている。


「シルフィーちゃんって眼鏡取ると本当、美人よねえ」

「えっ・・・そんなことないわよ」


湯船に顔を半分沈めて照れる


「本当よ。 それに胸も大きいし」

「みーなもおっぱい大きいの」

「エルザちゃんも、幼児体形なのに意外にも胸があってビックリ」

「えっへん」


頭をリサに洗ってもらいながら胸をゆさゆさ揺らすエルザ。


「ーーーー」


一人、エルザの頭洗いながら面白くない顔をするリサ。


「りさ、 おっぱいぺったんこなの」


リサの顔が真っ赤に染まる。


「うー、 今から大っきくなるんだからね!これ以上言ったら頭洗ってやらないぞお」


ワザと力強くごしごしエルザの頭を洗う。


「ごめん、ごめんなの。 痛いの」


「リサは、可愛いし面倒見も良いからね。女の子は胸の大きさより中身の美しさよ」


ミーナは、リサに微笑みかける。


「ぶーっ、 せめてもう少し欲しかったよお」


そう言いながらエルザの頭にお湯をかけてシャンプーの泡を洗い流している。


「胸を揉むと大きくなるらしいですわよ」


背後からシルフィーがリサの小さな胸を鷲掴みにして揉む。


「きゃーやめてよお」


「良いでわないか、良いでわないか」


どっかの悪徳代官のような口調で顔をニヤつかせて小さな胸を揉み続ける。


「あらあら」


ミーナは、そんな二人のやりとりを湯船にゆっくりと浸かりながら笑って見ていた。


エルザは、しゃがみ込み込んで髪の毛を洗い流し終わるのをまだかまだかと待っていた。


「りさあ、もう目を開けていいの?」


バスルームの響く声は外まで聞こえるんではないかと思う位賑やかだった。


★ ★ ★


ミーナは、いつもこの瞬間が嫌いだ。


精霊たちと出逢ってから今日までの時間が凄く楽しいし、充実した毎日を過ごしている。


小さな頃から友達と遊ぶよりも喫茶店の手伝いをしたミーナにとっては、初めてと言ってもいい友達が精霊たちなのだ。


精霊たちが帰ってしまうこの瞬間がミーナにとって一番悲しい時間なのだ。


隣に住んでいて、いつでも会えるのになぜか凄く胸が痛む。


「ミーナまた明日ねえ」

「バイバイなの」

「お邪魔いたしましたわ」


精霊たちは笑顔で手を振り家へと向かう。



ミーナは、手を振りながら去って行く三人の精霊たちを見送りながら寂しさが溢れ出してきた。



凄く平凡な毎日だけどかけがえのない一日。


明日も明後日も毎日一緒に笑っていようね。


ずっと、ずっと大切な友達だよ。


「また明日ねえ」


ミーナは、三人の精霊たちに手を振った。






おわり。

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