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三人の精霊と俺の契約事情  作者: 望月 まーゆ
三人の精霊と精霊ミリア物語
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精霊ミリア物語③

そこにいた誰もがその異様な雰囲気と凶々しいオーラに気付いていた。


サタンから放つ異様なオーラのせいなのか、先程まで恐怖が和らいだ学生達もまた金縛りにあったかの様に動けなくなってしまった。


そんな中でもルナとミリアは大丈夫だよと言い聞かせるかの様に、みんなの前に立ち励ます。


「私たちがついてる! 絶対にみんなを助ける。 だからみんなは助けを呼んで来てね」


ルナは笑顔でみんなに呼びかけた。 それは学校生活では一度もみんなには見せた事のない表情だった。


「ミリアいくよ! 全力でサポートお願いね」


「分かったわ。 後ろは任せて」


二人は目を閉じ大きく深呼吸すると一気に魔力を解放した。


二人の周りを魔力のオーラが包み込む。


「これは素晴らしい。 是非頂きたい魔力デスね。 生け捕りにして魔界に持ち帰っても良いですネ。 そうですね、 二人の内どちらか一人でも生け捕りに出来れば良しとしましょうカ」


おもちゃを与えられた子供のようにはしゃぐサタン。


「天に輝く光の化身よ、 我にチカラを与えたまえ・・・我が名はルナ、 月の精霊の名の元にーー」


全身を包んでいたオーラがルナの右手の集まるーーそして悪魔族に向かって一気に魔力を解放する。


「朽ち果てろ!!ーーー星屑流星群(シャイニングレイ)


天より無数の光の流星が降り注ぎ悪魔族に突き刺さるーーもはや回避不可能に近い状態だ。


「今のうちにみんなは逃げてーー」


ミリアは千載一遇のチャンスを逃すまいと

みんなに避難するように促す。


言われるがままに他の学生達は心配そうにミリアとルナを見つめながら素早くその場を立ち去った。


「みんな避難したわ。 どう? 倒したの」


砂ぼこりが舞い上がり敵の姿が見えず生存確認が出来ないでいるが、 あの凶々しいオーラはまだ感じられる。


「残念ね・・・アイツと二体ほど倒し損ねたみたい」


「流石にタフね、 ルナの魔法をまともに受けてまだ生きてるなんて・・・」


砂ぼこりが晴れ、 その中からニヤニヤと口元を緩めたサタンが姿を現した。


「まずまずデスね。 少しはやれるみたいデスが所詮はお子様の魔法デス」


サタンは平然とし何もなかったように振る舞っている。神秘の森に着く前のサタンなら今の一撃で致命傷は避けられなかったが、精霊たちの大量の魔力を吸収した事により、以前よりも数段パワーアップしているのだ。


「嘘でしょ・・・無傷なんて・・・」


ルナはありえないといった表情で驚きを隠せないでいた。


「ルナ、 とりあえずその他の悪魔族を倒しそのあとにアイツの事を何とかしましょう」


その言葉にルナは笑顔で頷き二人でパチンと手を合わせた。


一人では多分動揺して何も考えられなかったかもしれないけど、 ミリアが隣にいる事を今すごく頼もしく思う。


「お前らやってしまえ! そうだな・・・

先ずは、 後ろの震えて動けなくなってる奴を狙え」


後ろで動けなくなってる奴?


まさかーーーー?!


ルナとミリアは慌てて振り返ると背後に小さくなって怯えて(おびえて)いる精霊がいた。


「エルザ、 あなた何でまだここに」


エルザはあまりの恐怖に身体が震え動けなくなっていて逃げ遅れてしまったのだ。


更にそこにーーーー、



「エルザあ、何処どこ)なの?」



最悪のことにリサとシルフィーもエルザを探しに戻ってきてしまった。


「ーー くっ、あのバカたち何で・・・」


ルナは足枷を付けられた気分だった。


「ルナ、私が何とかみんなを守るから貴女はアイツだけに集中して」


困惑するルナにフォローを入れて少しでも敵に集中してほしいと願うミリアの気遣いだ。


「ーーあのバカたちは任せたわ」


込み上げる怒りを抑えながらミリアを信じ託したルナだった。


「お前ら、 みんな生け捕りにしろ」


一斉にデビルはミリアの方に向かって襲いかかる。


「生け捕り、イケドリ、魔力食わせろ」

「ひぁははははははははああああ」



「大地の母よ、 我は大地の子その声に答えよ。 大地の盾ーー 発動!!」


薄茶色の不思議な空間を自分の前に作り出し敵の攻撃を防いでいる。


「あなた達何やってる? 早く逃げなさい」


「うん。 ゴメンねミリア。 すぐにエルザを連れて行くから」


リサは申し訳なさそうに声のトーンを下げて静かに言った。


「こわくて・・・こわくて・・・うごけなくなっちゃったなの」


リサに安心してホッとしたのか泣きながら抱きつくエルザ。


「何をやってるんデス。 そんな防御魔法とっとと砕いてしまうのデス」


痺れを切らし苛立ち(いらだち)始めたサタンはだんだんと表情に怒りがあらわになっていた。


「余所見をしてるんじゃない! お前の相手は私だ!! 天使の梯子(エタニティーバースト)


ルナの両掌から凄まじい光の閃光がサタンを襲う。


「ーー やったか・・・ん?」


周りの雰囲気が微妙におかしい事に気づく。


サタンは魔法の直撃を受け多少なりともダメージをくらったにも関わらず高々に笑っているーー 何で?


「クックック。 オマエら良くやったのデス」



私を見て笑ってない・・・背後(うしろ)



リサ、エルザ、シルフィーが泣き叫んでいる。


何泣いてるのよーー 三バカ。

ホント、 ウザいのよ。




ねえ、 ミリアは?





ミリアは何処なの?










ミリア・・・













返事してよ














みりあ・・・・・・

































ーー 悪魔族にミリアは連れ去られた ーー

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