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三人の精霊と俺の契約事情  作者: 望月 まーゆ
三人の精霊と精霊ミリア物語
165/217

穢れ〜プロローグ〜

数ヶ月後の未来の話

「ルナは?ルナはどこ?」


危機迫る様子で三人に詰め寄るミリア。


「ルナは・・・」


ためらうエルザ。


三人は顔を見合わせるが言葉が出ない。


「ハッキリしなさいよ!昔から変わらないわね。ルナは何処なのよ?私やっと精霊に戻れたのよ」


「ルナはもういないよ・・・」


リサはハッキリした口調で答えた。


「えっ、ここにはいないって事?どこに行ったら会えるの?」


リサは首を横に振り、


「ルナはパートナーとの契約が切れたのよ」


「どういうこと?」


ミリアは不機嫌に目を細めリサを睨みつける。


「あなたも少しは察しなさいよ!パートナーとの契約が切れた意味をーー」


シルフィーがリサの前に出て眼鏡を押さえながらミリアに言い放つ。


「じゃあルナは・・・」


ミリアはわなわなと唇を震わせた。


「ルナは消えちゃったの」


エルザは涙を浮かべた。


「あなた達何もしなかったの?ルナが消えちゃうのただ見てたの」


「違うよ。そういうんじゃなくてーー」


「あなた達は、いつもそうよね?邪魔ばかりするし、いざとなれば見て見ぬふり。あの時のまま何も変わってない」


「違うって!!」


「何が違うのよ!ルナに会いたくて会いたくてやっと元に戻れたのに。絶対許さないから」


「ミリア・・・」


ミリアは振り返らず、


「あなた達って本当に成長しないわね!いつも私とルナの邪魔ばかりして。三バカはいつまで経っても三バカのまま。よく人間と契約出来たものね・・・。本当ウザい。あなた達絶対に許さないから!!」


ゆっくりと振り返り三人を睨み付けるミリア。その瞳は完全に消しきれなかった悪魔の部分のミリアがそこには居た。


三人はその瞳を見た瞬間、背筋が凍るのが分かった。


「ハハハはははははは、私は何の為にここへ戻ってきたの?ずっとルナが待っていてくれるって信じてたのに。私の勝手な思い過ぎしだったの?勘違い・・・馬鹿みたい、馬鹿みたい、馬鹿みたい、バカみたい、バカミタイ」


髪の毛を搔きむしりながら叫び声を上げるミリアその異常性に三人は言葉を失う。


「な、、何コレ・・・私じゃない私が私を支配する・・・ヤダやめてよ・・・私また悪魔になんてなりたくないよ」


叫んだと思ったら今度は泣き叫ぶミリア。

三人は口をポカンと開けたまま動けないでいる。


「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、イヤだ、イヤだ

怖いよ、怖いよ。助けて、助けて、助けて、お願いします、お願いします、お願い・・・ヴィル助けてーーーー!!」


カチ、カチ、カチ、カチ、ミリアの頭の中で時計の針が動く音がする。今まで噛み合わなかった歯車が音を立てて動き出す。


頭の中でカウントダウンの数字が浮かび上がる。














嫌だ。


















いやあ。















いやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ














ボーン、ボーン、ボーン

時計の音が鳴り響く。



「・・・ミリア?」



ミリアはゆっくりと顔を上げ、髪を掻き上げながら振り返る。三人の精霊にはスローモーションのようにゆっくりとした時間が流れる。



「あははは。私また悪魔に戻っちゃった」



ーーそこには、三人の精霊には知らないミリアが立っていた。






ーー 悪魔ミリア降臨 ーー

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