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三人の精霊と俺の契約事情  作者: 望月 まーゆ
ふわふわタイム
164/217

S.タピオカミルクティー

平穏な日常。

ある日のミーナの喫茶店にて。



「たちおか・・・なの?」


「ち・が・う!タピオカ!!」


「うんんんんんん」


リサが「ち、ち、ち」と人指しを立てながらエルザに向かって得意げに言う。エルザを顔を膨らまし悔しそうに口を尖らせている。


「それにしても、とても美味しいですわ」


怪しげな黒い塊が入っているドリンクをストローで飲み。笑顔を浮かべるシルフィー。


「な、、何?その怪しげな黒い物体は??」


アーサーは初めて見るタピオカに軽べつ的な冷ややかな視線を注ぐ。


「タチオカなの。もちもちなの」


「TA・PI・O・KA!言い方をカタカナにしても間違ってる!!」


「あううう・・・なの」


リサの鋭いツッコミに後退りするエルザ。


( カタカナの言い方って・・・)

思わずツッコミを入れたいけど我慢してスルーしたシルフィーだった。


「干しぶどうじゃないの?本当に美味しいの」


アーサーはじーーーっと、目を細めてシルフィーの飲むタピオカミルクティに視線を注ぐ。


自分の飲んでいる姿をじっと見つめられてシルフィーは照れ臭そうに顔を真っ赤にしている。


「帝国の女子には今凄く人気で、タピオカ専門店も出来る程なんですよ。この大きな黒い粒が印象的ですよね。コレは謂わゆるデンプンです。もちもちした食感でほんのり甘いんですよ。アーサーさんもどーですか?」


エプロン姿のミーナがアーサーに挽きたてのコーヒーを運びながら、タピオカについて説明する。ミーナはいろんな地域に足を運び、料理の研究をしている。最近の料理のトレンドをいち早く取り入れている。


「・・・僕はコーヒーでお腹いっぱいだよ」


顔が引きつるアーサー。

ーーそれを見て、


「ええ、これ本当に凄く美味しいのにタチオカ」


エルザが人指しを立て「ち、ちっ」と得意げに、


「TA・CHI・O・KAなの!!」


「もーどっちでも良いーー!!」


シルフィーの雄叫びがミーナの喫茶店に響いた。



ーー そんな平穏な日常である。ーー

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