表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三人の精霊と俺の契約事情  作者: 望月 まーゆ
三人の精霊とカタリナ公国の書
117/217

兄妹


レオンが駆け付けたーー。


レオンが声をかけようとした瞬間、

ソフィアは刺されたーー、


ソフィアの腹から大量の血が噴き出る。



レオンがソフィアを大事そうに抱き抱える。




「ソフィア、ソフィア・・・」


レオンが目から涙を流しソフィアを抱き抱えるーー。


「レオン・・・やっと会えたね」


ソフィアは嬉しそうに微笑む。


「そふぃあ・・・」


レオンは涙を抑えきれない。


「・・・名前で呼んでくれて嬉しい」


ソフィアは満遍の笑みで微笑む。


「あのね・・・叔父さまが最後に・・教えてくれたの・・私とレオンのこと」


「・・・え?僕とソフィアの何を?」


「レオンもやぱり知らなかったのね・・・」


「私とレオンはーーゴホ、ゴホ・・・」


「ソフィア・・無理しちゃダメだ。喋らなくていい」


「あのね・・・聞いてよ、私たち・・・」


ソフィアから大粒の涙が零れだす。


「兄妹だったんだよ・・・」


ソフィアは泣いたーー。


「・・・私たち最初から結ばれる運命じゃなかったのかな?私たち好きになったらダメだったのかな?」


ソフィアは必死に声を出したーー。


「・・・そんなことないよ。どんな形であっても僕はソフィアが好きだ。たとえ妹でも」


「嬉しい・・・」


ソフィアは涙ながらに微笑む


レオンはソフィアを抱き抱えるーー。


「戦いは終わったーー帰ろうソフィア」


レオンはソフィアに目をやると、ソフィアは優しく微笑みながら寝るように冷たくなっていたーー。



レオンの泣き叫ぶ声はいつまでも、いつまでも教会の地下に響き渡った。



* * * * * * * * * * * * *


ーーその後反帝国軍バンディッツにより帝国軍を一掃したがカタリナ公国は壊滅し復興不可能な状態だった。



アーサーは、バンディッツメンバーにより救出された。気力・体力以上に精神的ダメージが大きく一刻も早い処置が必要な状況だった。



アーサーは、虚ろな意識の中確かに見た。


岩山の上で見下す、狐目の銀色の髪の青年の姿をーー。



これがアーサーとヴィル・クランチェの初めての遭遇だった。





☆ ☆ ☆



「力になれなくてすまなかった」


レーベン・ハートが墓石の前でレオンに言った。


「そんなことないです。ありがとうございましたーー」


レオンは頭を下げた。


「ソフィア様・・・残念だったな」


バッツが墓石を見つめ悲しそうに言った。


「いえ、一緒に埋葬してもらい感無量です。最後までありがとうございました」


レオンは更に深々と頭を下げた。



ソフィアのお墓はあの綺麗な湖のほとりに作られたーーいつでも大好きな湖が見える様に。


ソフィアが満遍の愛らしい笑顔で笑って歩いている姿が今にも浮かんでくる。



「朝から湖のほとりに行き一緒に散歩して、お昼は森の木陰でお弁当を食べ、勿論ソフィアの手づくりで。その後二人で昼寝なんかして、少し涼しくなったら夕暮れの丘から湖を見つめて二人手を繋いで並んで帰るんだ。」





湖のほとりに・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ