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三人の精霊と俺の契約事情  作者: 望月 まーゆ
第1章: 三人の精霊と契約
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精霊の落ちこぼれ


「わたしの使えるまほうは、防御障壁なの」


防御障壁とは、ある一定の空間にバリアを貼り敵の進入、魔法攻撃など全てを回避するものだ。 更に、大地の精霊の障壁は絶対防御と言われていて最強の盾なのだ。


「おおっ! 絶対防御か他には?」


アーサーが目を輝かしてエルザを見つめると、


「・・・なの」


( ん? よく聞こえなかったぞ )


「・・・これしか使えないの。絶対防御じゃなくて、 すぐ剥がれるの」


エルザは、申し訳なさそうにモジモジしながら小さな声で答えた。


アーサーは、豆鉄砲を食らった鳩のように口を開けていた。


( いつか剥がれるの防御障壁って・・・ )


気を取り直して。


「ーー次は、リサ 」


「・・・壁よ」


( ん? またまた良く聞こえないぞ )


「だ・か・ら! 私も防御障壁って言ってるのよ」


リサは、顔を赤く染め気まずさと恥ずかしさの二つの感情でアーサーを真っ直ぐ見れないでいる。


「炎の精霊だから、手から炎が出せたりとか・・・」

「出せないわ」


( こいつら まさか ・・・ )


「最後に、シルフィーだ」


最初から疑いの眼差しで見つめながら聞いてみた。


「風の精霊なので、もちろん風を自由自在に・・・」

「操れないわよ」


( やっぱり・・・)


「私は、 高密度の風の衝撃波を作りだせるわ」


「おお!やっと魔法っぽいな」


アーサーが、期待でワクワクしていると横からリサが、「ふんっ」と冷やかしを入れてきた。


「その衝撃波、2、30メートル位で消えるわよ」


「・・・・・・」


シルフィーの方に視線を移すと気まずそうに斜め上を見て口を尖らせていた。


「お前たちが今まで契約してもらえなかった理由が良く分かったよ」


アーサーが呆れたという感じにガクッと肩を落とした。


三人の精霊たちはしょんぼりしている。


「別に 私たちアーサー様を騙すつもりは・・・ほら実際使える魔法もあるし」


リサが必死で弁解しようとするが、


アーサーは、三人に背を向けて歩き出しドアの向こうに側に消えて行った。


三人の精霊は後を追うことも出来ずにただ、 後悔と悲しみに縛られていた。




ーー 騙すつもりは無かったんだよ ーー

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