壊れて行く日常
王道のゾンビ物です
絶望の中から光を見つけ出そうと踏ん張る物語です
楽しんでくだされば幸いです
異変に気付いたのは寝起きでまだ寝ぼけてた時だ。
下の階が何やら騒がしい。
俺は父の名木田 平作と母の名木田 時子の三人家族で、
二階建ての一軒家に住んでいる。
そんな家の二階の一室が俺、大上中学校3年生の名木田 亮の部屋だ。
下の階は父と母の寝室があるのだが...
どうやら音の原因はそこからの様だ。
何を騒いでいるんだと階段を下りて両親の寝室に行くと、
そこには今まで嗅いだことが無い酷く鼻をつく異臭と
腕から夥しい血を流し泣き叫んでいる母
そして
モップか何かで知らない暴れている"人間"の様な物を取り押さえようとしている父がいた。
暴れているのが誰なのか考えている暇なんてない
父に加勢して一刻も早く取り押さえなければ!
そう考えているのも束の間
俺の存在を知った父が凄い形相で
「早く母さんを連れて二階へ逃げろッ!!!」と叫んだ。
俺はいつも優しい父にこんな怒鳴られたのは始めてだったが
俺はここに来てやっと自分が関わってはいけない事だと察した
俺は考えるのを止めて泣いている母を連れて自分の部屋に飛び込んだ。
...
部屋に逃げた後、まず母の腕をスポーツタオルで一応の止血の処置をした後
スマホを取り出し警察を呼ぼうとした。
...出ない...?
おかしい
何回かけ直しても出ない...
そしていくらかかけ直してこのままでは時間の無駄だと感じた俺はひとまずこの事を母に話して事の始まりを訊いた。