表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造魔王の終焉譚  作者: P.river
1章 邪神邂逅
6/13

族長会議

今回は会話オンリーです。

『族長会議』


魔族領域イビルテリトリーに所属する魔族(亜人族や妖精族も含む)達の王族や族長を集めた会議のことである。


今回の邪神の出現で魔族領域でも被害が出始めているので、みんなもこ今回の議題は分かっているので一人たりとも会議に欠席していない。


というか、今更気づいたんだけど


「今回が初めての全員出席じゃないか?」


普段はいがみあってることが多いので、出席しないという部族もザラだが。

そんな族長同士がヒソヒソ話していているから違和感が結構多い。


「ンンッ!み、皆の者静粛に・・・!」


とりあえず、咳払いしてみんなのざわつきを止めた。


「そんなカワイイ声で言っても説得力ないわよ~。」


ルカ、空気を読まずにこっちにそんなこと言わないでください。

自分の声が子どもっぽいのは知ってるし、それが悲しいから咳払いしてるんだよ。


一旦、族長達の点呼をクィンが始める。


「デハ、族長会議ヲハ始メマス。マズ、魔族ノ方カラ行キマス。アグナムート=サン、ルカ=サン・・・」


という感じに、魔族、妖精族、亜人族の長を呼んでいった。


全員終わるのに数十人いたので途中は割愛。

全てを呼び終えると、クィンが会議の進行を始めた。


「次ニ、今回ノ議題デアル『邪神』ニツイテノ現在ノ被害状況ヲオ願イシマス。」



おそるおそる手を上げたのは、鹿妖精ディアの現族長 ティアちゃんである。

なぜ「ちゃん」づけなのかと言うと、彼女は魔族領域イビルテリトリーでは珍しい12歳という若さだからだ。


ティアちゃんは、とても大人しくて優しくてすこし怖がり。

そして鹿の獣耳で時折ピクピクしていて、正直ワンコのように撫でまわしたい。


まあ、したら下手をすればセクハラで訴えられるのでしていません。


って話をきかなきゃ。


「ごめんなさい、魔王様から頂いた武器が破損してしまいました・・・」


ティアが可愛い顔をくしゃくしゃにしながら半壊した杖を持って謝ってきた。


待って、謝らないで・・・何もしていないのに自分の良心が傷ついちゃう。

だって男の子だもん。


ほとんどの族長が、「まあ仕方ない。」や「可愛いから許す。」と言っているのを聞いてロリコンの多さに辟易とさせられました。


ん?僕がロリコンじゃないかって?

ちゃうよ・・・そやったらこの魔王政権崩壊してるで、ほんま。


とみんなが彼女を慰めているときに、ディアの発言に文句をつけてくるのがいた。


「オイ、何勝手に魔王様から下賜された武器を壊したんだ?」


「ひっ!?」


どすの効いた声でディアに向かって敵意を向けたのは、炎魔族シャイターンのアグナムートであった。


炎魔族シャイターン

魔族の中で特に炎を操る部族である。

この魔族は男女問わず長身痩躯でとても力が強く、強力な火のスキルを主に使う。

しかし魔力がかなり少なく、火の魔法が全然使えないのが特徴でもある。


アグナムートはその中で、唯一人だけ魔力量が多いために族長になれたエリートである。


今、身長170越えのアグナムートがたった身長145のティアに向けて怒りを向けているんだから、ティアは威圧感で負けても仕方ないわけである。

とりあえず、ティアへの助け舟を出す。


「こら、アグナムート。邪神の攻撃を耐えるために、結界魔法を使っていて壊れたから仕方ないじゃん。」


そう言うと、アグナムートは不服そうにこっちを見て言った。


「ですが魔王様、鹿のもっている杖は貴方様が作ったAFでございますよ?もう一度作るのにどれだけ時間がかかるかお分かりでしょう?」


「ムム、確かにそうだけどさ・・・少し待ってみ。」


確かにAFは一個『物質創造クリエイティング』で作成するのに1カ月かかるため今の時期にそれだけにとっかかれないのが事実だ。


だがもう一度作る必要はない。論より証拠だ。


ということでティアから杖を借りてスキルを使う。


「『修復リペアリング』」


壊れた杖が徐々に治っていき、元通りに戻った。

族長たちから、驚きの声があがる。


完全に修復した杖をティアに返して、アグナムートに言った。


「ふふん、見たか!これこそ魔王の力!!なんでも直せるぞ。」


「確かにすごいですけど、魔力切れで足元ふらふらですよ?」


ちょ、せっかくカッコ良く直したのに、そんなことネタばらししないでよ。

足元がふらついて倒れそうになった時に、アグナムートがお姫様抱っこで僕を持ち上げた。


(!!!?)


「全く、魔王様は世話がかかるんですから。ほら早く会議を進めましょう。」


「いや、君のせいで止まったんだし、お姫様抱っこやめろし!」


ぺシぺシと彼女の肩をたたいて抗議するが、彼女は笑顔を浮かべたまま、抗議を完全に無視されて会議は進んだ。

ティアはこっちをみてアワアワしていたが、ルカに手を引かれて自分の席にもどった。



そのあと、他に邪神の被害というのをまとめると


・邪神のせいで魔族領域イビルテリトリーが2割になったこと。

・戦いにより、他の族長のAFもそろそろメンテもしないといけないこと。

・熟練の兵士が結構減らされていること。

・水と氷の部族が被害をかなり受けていること


が主な課題となるようだ。


クィンが今回最大のお題を発表した。


「コレデ最後ノ議題デスガ、【邪神迎撃作戦】ノ要地ヲ発表シマス。

     ソコハ・・・[ブレイド火山]デ迎エ撃チマス。」


場所の発表に、水と氷の系統の部族が激怒した。


「なぜ、我々の部族が配置できない場所に戦いの場所を設定したのだ!

  氷の部族や水の部族の後方支援は必須であろう!!それに私たちの部族が一番被害が大きい、だから一番槍を所望すると言ったはずだ。」


「そうだ、そうだ!!」


「ざけんな!男の娘!!」


その怒りを受け止めて、一息吐くと


「お前らが一番被害を受けているからですよ。今回は温存してほしいのですよ。あと男の娘っていったやつ後で死刑。」


「ヒィィィイ!?」


とそんな茶番はほっといて、


「今回は、水妖精ウンディーネが甚大な被害を受けたんだ。もしかすれば、水系統の特攻をスキルでもってたかもしれないしな。」


まあ、ここはたぶんないだろうなって思う。

だが油断は禁物だ。


「じゃあ、今回は選抜メンバーで行く。ついてきてもらう部族名をいうぞ。炎魔族シャイターン炎妖精サラマンダー土魔族ノーム土妖精タイタン、火虎族だ。」


結構な数の部族がつまらなさそうにしていたが、そこは我慢してもらった。

ともかく、


「編成はこれでいいとして、あとは参謀に作戦を任せる。」


その一言で、十二天のうちの一人である闇妖精インプの男が現れる。

彼の名はコオリ。普段はたどたどしい喋りだが、戦術や作戦を話すときは流暢になる謎の人である。

出身は不明だがかなり信頼できる人材で、魔王軍にいる数少ない頭脳派である。


「では、これから作戦内容を説明する。まず・・・」


といった感じで作戦内容を全部説明する。がその内容に水魔族アクエリアスの族長から不満が出る。


「そんな作戦あんまり意味ないじゃん。そもそも作戦じゃないような・・・」


「あぁ、これはただのお膳立てだよ。魔王様のな。」


コオリがそういった瞬間に一気に注目がこっちに集まる。

じっと皆から見られてストレスが溜まりそうだが、ここが正念場である。


「うん。調子に乗った邪神共に、この不肖ミーティアが鉄槌を下してやるよ。」


くくく、いまからがとても楽しみだ。


「魔王様・・・脂汗ビッシリデスネ。モウ少シ締マラナイノデスカ?」


コラ、最後の最後で台無しだな・・・


最後は族長達の苦笑いで、族長会議は終了した。


ついでにアグナムートのお姫様だっこは、会議が終わるまでやめなかったそうです。

ここまでよんでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ