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創造魔王の終焉譚  作者: P.river
プロローグ
1/13

新米魔王と幹部たち

この世界は領域テリトリーがある。


 魔王領サタンテリトリー魔族領域イビルテリトリー人族領域ヒューマンテリトリーという三つである。


 まず、人族領域ヒューマンテリトリー 単純に人族、亜人族、獣人族が支配する領域のこと。

 ここから、勇者が一人選ばれて魔王を倒す旅に出る。

 そして、この領域テリトリーは一番人口が多いが、個々の戦闘力に差が大きい特徴があるんだ。


 次に、魔族領域イビルテリトリー、魔族が多く暮らす領域のこと。

 一応補足だけど、魔族の一部には亜人族、獣人族もまじっているんだ。

 例えば、ダークエルフやドラゴンニュートなどの種族のこと。

 ここらは、後で説明するけど魔王軍に所属していないのも多くて、魔族の無法地帯ともいえるね。


 最後に、魔王領サタンテリトリー 簡潔にいうと魔王軍がいる領域のこと。

 この領域から魔王が決められて、この領域を支配し拡張するのが魔王になったものの役目である。

 ちなみに魔王には十二天という魔族の強者が集められた、四天王のようなポジがいる。


 とこんな感じで3つの領域テリトリーがあるんだ。

 割合は 人族領域6割 魔族領域3割 魔王領域1割

 という感じなんだけど、見た通り魔王領域サタンテリトリー少ないんだよね。

 僕もここに住んでるけど、結構人口密度高くて辛いんだよねえ

  


 「汝、いつまで部屋に籠っているのだ・・・」

 「コレデ三日デスヨ。」


 というのは、大きな狼のようなものと一人の橙色の髪の口調の変わった女の子である。


 「こんな情けない男の娘型魔王をもって我は不幸だ・・・」


 「誰が男の娘じゃゴラァァァァ!」


 扉越しでフェンリルに文句をいう。

 そもそもなんだよ男の娘型魔王って!? どこぞの猫型ロボットなんだよ。 

 その後、フェンリルはため息をついて答えた。


 「じゃあ、確かに汝のスキルが強いのは分かる。だが簡単に負けるようでは、魔王の資格はない。」


 「マスター、全然ヤクニ立ッテマセンネ」


 それに続けて、オートマトンという機械仕掛けであるゴーレム系統の種族である、クィンが続けてそういった。

 二人ともさっきから集中攻撃しやがって!


 そして、「じゃあ」っていうな! そもそも、


 「しってるじゃん、僕の魔王の力弱まってるの・・・」 


 そう、もうお分かりだろうが、僕は魔王である。 

 つい最近勇者にボコボコにされました。。

 何なのあの強さ・・・強がらないで十二天連れて行けばよかった。

 ちなみに、十二天というのは、一人ひとりが魔王並みの強さチームのこと。

 ま、十二天っつう四天王ポジは、全員本当の魔王城においていったんだお。

 なお、仮の魔王城でその勇者と戦った。

 本当のとこでやって城壊れたらいやだからね。


 それよりも、今回は相手を見て油断しちゃったんだ。

 まさか勇者が少女だなんて分かるわけないじゃん。

 その上、聖剣の力強すぎて僕の魔力が弱まったので、いま十二天の中では最弱である。


 「おい男の娘、部屋に籠ってないで十二天会議を始めるぞ。」


 「だから男の娘じゃねぇえ!!」


フェンリルが僕の部屋のドアをガリガリしながらそう言った。

 ドアを削っちゃだめって、お母さんに習わなかったのか?

 あと、いつまで男の娘引きずるんだコラ。

  

 と、コントをしているとフィンの援護射撃が炸裂する。


 「スケサン、一番怒ッテマシタヨ。 激オコプンプン丸デスネ。」


 まじですか・・・


 「『あいつマジであと5分で部屋から出ないと性転換の魔法で本当の女にしてやる・・・』トイウコトヲキイテオリマス。」


 「・・・ごめん、あと何分?」


 「アト20秒デハジマリマ・・・」


 「転移魔法テレポーテーション

  

  すべての言葉を聞く前に転移した。

 僕は十二天会議に土下座しながら大会議室に入室した。続けて転移で、さっきの二人が入ってきた。

 

 「ごめんなさい、殺さないでください失礼します。」


 といいつつ僕は会議室に入った。

 やっぱ、三日さぼると周囲からの視線が痛いなぁ・・・というかなんかマジで熱線飛んできてる!?


 「熱ッ!!」


 バックステップしながら、直撃していた熱線を躱すと熱線を放った本人が目の前にいた。


 スケさんである。


 本名 スーケル・M・クラウス という名のスケルトン族の魔法使いである。

  スケルトン族は見た目はそのまま人の骨が動いてる感じである。

 彼は、不死族アンデットという種族には思えないぐらい凄まじい知能を持つ。

 並みの魔族など足元に及ばないほどの魔法を打つことができる。

 

で、スケさんなんだけど、顔が骸骨なのでめちゃ怖い。

 表情はないけど、たぶん今怒ってる。



 ほかのメンバーも揃い、ほとんどの人が無言のまま椅子に座った。

  そこで思った一言は、みんな今のできごとスルーなのね。 ということだけだった。


 そして、司会のクィンが会議を始める合図をだす。


 「欠席ガダイブイラッシャイマスガ、コレカラ第131回 十二天会議ヲ始メマス。デハ、始メニ魔王様以外ノ方々カラ一言オ願イシマス。」


 ふむふむ、文句だね。絶対にあるよね!


 本来は、聞きたくないけど仕方ないですな。

 そう思ったとき、いきなり右隣から声がとんできた。


 「かかか、魔王よ。かなり無様であるな! いくら敗北を隠そうとも我らの眼はごまかせん!!

  いつまでも過去を引きずり惰眠を貪るのは弱者であるぞ。」


 「・・・そこは同じくそう思う。ずっとふて寝は失礼・・・憤慨です。」




 というのは緑の髪のドリルツインテールとお団子ツインテールの二人組である。

 まず、ドリルツインテのほうがカグヤという風妖精シルフの王族で十二天の一人である。

 お団子のほうは、同じく風妖精で十二天が一人、ソラスである。

 この二人は双子で、顔などは瓜二つで行動も似ていることが多いが、彼女たちには、悲劇的なスタイルの差があった。

 ちなみに悲劇なのはカグヤです。


 ふて寝したっていいじゃない。魔王だもの。


 「ちょっと、今、失礼なこと考えてない!?」


 あ、顔にでちゃってたか。


 「こっちの体を見てきました・・・変態です。」


 めっちゃ、冷たい目で見られてる。

 あと、変態じゃないやい。




 「トリアエズ、次二ウツリマス。フェンリル=サン、オ願イシマス」


 お、次はフェンリルか。


 「特に勇者に対して負けたことに関しては、もう言うことはないな。ただ、例のブツはどうなったんだ?」


 ああ、あれのことね。というか、他のメンツの前で言うのやめろって言ったでしょ!?

 というかなんか危険なにおいがするような言い方やめてくれない?


 「む、我ら風光明媚な風の巫女を放置して何をしているのだ。」

 「私たちは仲間はずれ・・・号泣です。」


 二人して、そんな捨てられた子犬みたいな目でみないでほしい。

 ほっといたわけじゃないから!

 フェンリルに新兵器つくるのに手伝ってもらったから彼が知ってるだけ!!


「汝、先に言わないでほしいならそういえ。」


  というフェンリルの声よりも彼女たちの文句を聞かないといけなかった。

 その二人を宥めるのに、10分ほどかかったのは割愛させていただく。




 で、次はスケさんの番である。全くめんどく・・・


 「魔王、メンドクサイという顔をするな・・・お前死にたいのだろう?

   よかろう、最近編み出した超魔法でお前を本当に女にしてやる。」


 「マジですいませんでした。」

   

  まあ、そこで終わらないのがスケさんなんですね。

 そこからスケさんのながーい説教が始まる。


 「全くお前は魔王としての自覚が・・・」


 「あれほど言ったのに聖剣の対処法は・・・」


 「仲間に勇者が来た情報ぐらい伝えておけ!だいたい・・・」


 まだまだ続いたのでまたまた割愛。

 ついでに言うと3時間ほど説教されてみんながうんざりしてました。










 そして、スケさんが話を終わろうとしたそのとき事件が起こった。


「じゃあ、これで魔王への不満は終わりだ。ほかのやつら何かいうこと・・・!?」


 ドガアアアアン!!!


 と、凄まじい爆音と悲鳴が会議室にまで聞こえてきた。

 ??!? なにが起こった?




 その疑問が頭に浮かんだとき、風妖精シルフの衛兵が会議室に転がり込んできた。


 「十二天様方、滅茶苦茶ヤバいです。敵が攻めてきました!! って、おっほ会議室の絨毯モフモフだぁあ!すげええええええ!!」


いまのはその風妖精の声です。

 後半から、全然余裕じゃん。どこがやばいんだよ。 

 と思ってると風妖精シルフ王族二人組が背後がゴゴゴゴと鳴っていそうな雰囲気でその衛兵をみていた。


「二番隊副隊長ですが殺してもいいですよね、カグヤ?・・・惨殺です。」


「うん、ソラス。もう用済みというかコイツ死んでもいいと思う。」


 二人とも、副隊長そんな簡単に殺さないでね。

 一応指揮官の役割もってるんだし。

 カグヤがイライラしながらその風妖精の副隊長クズに聞いた。


「絨毯でゴロゴロしてないで、何が攻めてきたか教えなさい!!」


 というか、僕も同じこと思ったんだけど、それしか言うことないよね。

 コラ、絨毯に頬を擦りながら、報告するんじゃない。


 「魔王様、攻めてきたのは魔族です。」


 「!?」


 MA☆SA☆KAマジで反乱!?

 ヤバい。胃が、胃がつぶれちゃう・・・


 「ちょ、反乱おこったってこと?」


 「たぶん、そう思われます。ですが単一の種族で魔王様に勝てると思うのはさすがに無謀なのでは?」


 最後らへんまで聞く余裕はなかった。

 僕の頭の中は、「反乱可能性高いかー。負ける可能性は低いけど、このこと自体がOUTだわ~」 だけでした。

 そして、みんなからの冷たい目線がきつい。

 いままでのミスも大きいし、どうにかしないと!!

  とりあえず

 

 「攻めてきた種族は?」


 「はい、それは猫妖精ケットシー800人で、テイミングした魔物を引き連れてきています。

   引き連れているのはケルベロス、オルトロス、グリフィン、ウィンドドラゴンが主な敵のようです。数は合計200ほどです。

現在、風妖精シルフ火妖精サラマンダーの連合部隊が敵を止めていますが、敵将が強すぎるため劣勢でございます。」


 猫妖精ね・・・土魔法とテイムが得意な種族で、身軽なのがウリだったはず。

 結構テイミングされた敵も強いようだし助けに行かないとね。


 とりあえず、


「十二天全員出撃だ!スケさん転移お願い!!」


「転移はいらん。そして、大丈夫だ。戦力はお前ひとりで。勇者に一人で立ち向かった英雄だろう?」


 と言って僕の服を片手で掴み、そのまま会議室の窓から放り投げた、敵満載の正門に向かって。


「ちょ、ひどすぎ!し、しぬぅぅぅぅぅぅうううう!!!」


「それぐらいでは死なん。男の娘。」


「カグヤ、ソラス、フェンリル、シズ、助けて!」


 というと、ほかのメンツは笑いながらこういった。



「かか、偶にはピンチというのも楽しいぞ。まぁせいぜい頑張るがよい、女装趣味。」


「魔王のカッコいい活躍期待する・・・激励です。この女装好き。」


「汝、こういう役割おおいな。でも助ける気はない、幸運を祈る。男の娘型魔王。」


「魔王様、大丈夫デス。カワイイハ正義デス。」


 お前ら、魔王に対する扱いじゃない!

  しかも捨て台詞みたいに男の娘なんて言わないで・・・

 最後にシズ、それは全く関係ないやつ!!


 このうらぎりものがぁあああああ!!

 とか言いながら、僕は、正門へと飛ばされていった。

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