ヤンキーあるある
「パパー、なんでパパはママと結婚したのー?」
「ママが可愛かったからだよ」
「ほんとにー?どこらへんがー?」
「全部だよ」
「すきになったときのおはなししてー」
「しょうがないなぁ、これを聞いたらちゃんと寝るんだよ?」
「うんっ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海からの潮風が特効服を吹き抜ける。
今日はB町のS線で集会の予定だ。
ウチの族はここら一帯をシマにする暴走族「奈玖留」。何回かの「抗争」で、シマを奪っていった。
大規模な集会のため、あわよくばシマを奪いに来るチームもいるかもしれない。
オレは自慢のリーゼントを櫛で整え、愛車「露九沙ー奴」に跨がり。防波堤からS線へ疾走る
「今日は疾風になれそうな日だ・・・」
レッドゾーン手前で集会場所まで駆け抜ける。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「オラオラオラァ!」
「ンだゴルァ!?」
「ぱらりらぱらりら」
「ンでそこにオレのチョーパンが…」
総数150人、バイクの数も100はあった。それぞれが気合いが入っており、普段は顔を見せないヤツも、スケをつれているようなヤツも。皆、眼に炎が宿っていた・・・!
「行くぞォ!てめぇらァ!気合い入れろォ!!」
「「「「押忍!」」」
「ガキじゃねェんだ!パクられるなよ!」
「「「押忍!」」」
「逝くぜェェェッッ!!!!」
押忍!!!
怒声と共に、エンジンの地ならしのような音が道路一帯に響き渡る。
時速200km。
舎弟に改造してもらったこのバイクは、意気揚々と疾風になれる。
「オラオラオラァ!置いてくぞてめぇら!」
『バロロロロロ!』
バイクの排気音で答える舎弟達。
「(もう一週か・・・そろそろ終わりだな・・・)」
「(なにごともなくたすかった・・・!?)」
オレはそのあと空中に浮かんでいた。
そして思った
「ーーー死っ!」
ドグシャァ
「大丈夫ですか!?」
「アンタは・・・」
「い、今救急車を呼びます!」
「めが・・・み・・・ぐふっ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・ということがあって、パパとママは結婚したんだ」
娘は寝ていた。まだ五歳だし、仕方ない。
「ハハハ・・・話し損か。また聞かれるんだろうなぁ 」
事故っても女神のような女性に会えて、結婚できるとは限りません。むしろイモムシがサナギになってライオンになるくらい無理です。良い子はリーゼントはヘルメットの代わりになるくらいガッチガッチにポマードで固めましょう
マジで暴走行為はやめてください。落ち着いてカラムーチョも買いに行けません。