表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜騎機将ナナカレイ  作者: 鈴神楽
誕生編
7/17

合体?

「合体?」

 バハムートの研究室で七華の言葉に頷く九菜。

「そうよ、巨大ロボットと言えばドリルと合体よ」

 七華は冷静に一言。

「竜騎機将はロボットじゃないですから、手足を外して、不自然か強化パーツ化出来ませんよ」

「そーゆー突っ込みは無し。それに基本的にはレイがゼロを背負う形にするつもりよ」

 完成予想図を見て七華が言う。

「こんなバランス悪い格好で戦えっていうんですか? 無理やり合体させたロボットって超合金になった時、明らかに不自然だと思いませんでした?」

「七華ちゃんそんな夢が無い事言っちゃ駄目。第一今だって竜の骨格を無理やり人間スタイルにしているのよ。きっと大丈夫だよ」

 根拠が薄い言葉に七華が細かい計算をしながら完成予想図を修正していく。

「まー体型変化と竜の世界の応用した重力の軽減すればなんとか戦闘可能かも。それに多分、単独の竜の世界では竜騎機将オケンセンのそれに勝てそうもないですから」

 そう言いながら細かいデータをチェックしながら七華が言う。

「問題はパイロットです」

 数値を確認しながら九菜が言う。

「二人で操作するって言うのは駄目なの?」

 七華が首をふる。

「術の形式が違い過ぎるから相殺されるよ。かと言って一人で二体の竜を維持できる程力は出せない」

 少し考えてから七華が言う。

「パワーアップアイテムが必要に成る」

 そう言って、カレンダーを見る。

「残りたった一週間で根本的なパワーアップは無理だもんね」



「それで家の倉庫を探してるの?」

 霧流家の地下にある迷宮倉庫で探し物をしながら三美が聞くと七華が頷きながら竜牙刀を振るう。

 ガーディアンの、竜の牙から作り出された魔法生物を一刀両断してから汗を拭い七華が言う。

「にしてもうちの倉庫はせめて身内くらいトラップやガーディアン動かない様にして欲しいもんだ」

「それは無理よ、アイテムはそれ相応の実力が無いと手に入れられなくしてあるんだから」

 八子が後に居た。

「八子おばさんどうしてここに居るんですか?」

 三美の問いに八子が遠い目をして言う。

「この奥にあの人との思い出の品があったの思い出して、それを確認にしに来たのよ」

 七華は凄く嫌な予感がしたので敢えて相手にせず、次の部屋に向おうとした時、八子が問題のアイテムを発見する。

「八子おばさんそれなんですか?」

 八子は笑顔でいう。

「これが伝説のドジッ子のブルマよ」

「ブルマ?」

 首を傾げる三美。

「これを着て、学校の体育倉庫でやるのが良いのよ」

 首を傾げる三美を引っ張って七華がその場を離れていく。

「こっちには伝説の馬鹿にしか透けない白い水着が!」

「ナナカ凄く気になるんだけど?」

 三美の問いに七華は絶対振り返らない様にしながら言う。

「ミミ、ここは魔界だよ。決して変な物に興味持っちゃ駄目だよ」

「でも八子おばさんが持ってるものだし」

 三美の言葉に七華が断言する。

「母さんはこの魔界を治める魔王だから一段と気をつけないといけないの!」



「結局見つからなかったの?」

 オペレータールームで双葉が言うと、大きく頷く七華。

「第三階層まで行ったんだけど、流石にロードヴァンパイヤが守る第四階層への階段はいけなかったんだよ」

「お前の家の地下倉庫はダンジョンか!」

 五郎が突っ込む。

「次は、レイや十二支さん連れて行こうよ」

 呑気な事を言う三美。

「任せろ僕が一人で合体を成功させて見せる!」

 自信たっぷり言う十二支。

「でも、パワーアップアイテムの目録って奴見つけて、アルテミスの祝福って、一時的に術力をアップするアイテムがあって、それを父さんがパートナーになる魔法使いによく貸し出してるから、父さんに貸して貰えないか交渉したよ」

 七華がそういうと、十斗が確認してくる。

「それで大丈夫そうなのか?」

 七華が少し困った顔をして言う。

「貸してくれそうだけど、本人が、魔竜軍団との決戦に関わっていて、期日までに帰ってこれるか厳しい所なの。ちょっと遠い世界だから行って帰ってくるだけの時間は無いから取りに行くのもNGだし。敵の魔竜軍団が早々に降伏してくれる事を祈るだけだよ」

「そうかしかし、不確定要素がある以上他の手も考えておく方がいいな」

 二人して十二支を無視していると十二支が大声で宣言してくる。

「だから僕がやって見せると言っている。一時的に呪力を挙げる術もある。任せておけ!」

 そしてオペレータールームで全員観戦の中、十二支の合体チャレンジが始まった。



『大丈夫ですか』

 ゼロが心配し、

『我も、奴には借りを返す必要があるんだ。頑張ってもらおう』

 レイが一応の期待をする。

「僕の手に掛れば呪力アップなど朝飯前だ」

 そう言って十二支が印を刻む。

ちゆういんぼうしんしんゆうじゆつがい。時空を司る十二の獣よ我が意に答え、我が式神と成りてここに』

 未の呪符を掴む。

呪未ジュミ

 そして一匹の羊型式神が現れ、十二支の呪力を吸収し始めた。



「あれなにやってるの」

 オペレータールームで観戦し聞く三美の隣で、ノートパソコンでそっちの世界のネットオークションでパワーアップアイテムが無いか検索しながら答える。

「よくある手で、自分の魔力を他の物に集めて、実際使う時にその力を合わせるパワーアップする方法使おうとしてるんだと思うよ」

 双葉が感心した様に言う。

「詰まり、事前にバッテリーに貯めて、実際動かす時にバッテリーに貯めた電気を流用するのね。パワーアシスト自転車に似たやり方ね」

 七華が頷く。

「でもこのやり方には根本的な問題があるんだよね」

「どうして?」

 双葉が聞くと七華が時計を指差す。

「時間。さて実際動かせるようになるまで何時間掛って、何分持つかが問題だよ」

 因みにこの時、貯めるのに十時間以上係り、五分だけ合体に必要な術力が維持できた事だけは言っておこう。



「竜騎機将オケンセンとの再戦まで残り三日を切ったな」

 バハムートの司令室で呟く十斗。

「計算してみたけど、こないだの方法では十分な術力を貯めるのに十日掛るわね」

 九菜の計算結果に十斗が肩をすくめる。

「あの方法は七華も既に研究してあった方法で、時間的、安定性が劣る為に却下した方法だ。それはお前も知ってるだろう」

 頷く九菜。

「まー陰陽道に少しは増しな術があるかもって淡い期待だったんだけどね。もしこのまま合体が駄目だとしたら、どうするの?」

 十斗は大きく溜め息を吐く。

「折角作ったキクイチモンジやマサムネを犠牲にする戦法も考えないといけないな」

「戦力差は圧倒的、正直ここは対戦しないって選択もあると思うけど」

 九菜の言葉に十斗が困った顔をする。

「確かにな、相手の狙いはあくまで霧流一刃だ。無理に戦いを挑まなければ良い。だがな負けたままで済ませられる程DSSのプライドは低くない」

 その言葉に九菜が言う。

「この頃良い顔をする様になったね」

「そうか?」

 疑問的な顔で十斗が言うと九菜は頷く。

「世界相手に喧嘩売っていた時は、何もかもが嫌いそうな顔をしてた。でも今は違う。味方を信用して、好きな顔をしている」

 苦笑する十斗。

「そうだな、あの時は本当の意味の味方なんか居なかった。戦って戦って、今の力を手に入れたのは良いが、具体的に何も出来ない事に気付いた。力だけでは何も変えられないって事実に力を手に入れてから気付いてしまったんだよ。そんな時にこのバハムートを手に入れた。そしてバハムートの力に引き攣られるようにレインと出会い。竜騎機兵と対抗する者を探している事を知った。正直、あの時はこんな事をする事になるとは思えなかった。どちらかといえばテロリストの手助けしたい気持ちだったからな。しかし竜騎機兵の購入ルートを調べている間に、政府の腐った人間が関わっている事を知った。そして俺以外に腐った世界を変えようと努力してる奴が居ることを知った。俺にしてみたら甘いそんなやり方で。でも力を貸したくなった。そして仲間を集め始めたら、面白い奴ばかり集まった。俺はこのDSSが好きだ」

 立ち上がり宣言する。

「だから、DSSを当て馬にした竜騎機将オケンセンを許すつもりは無い」

「あたしも精一杯やらせてもらうは」

 笑顔でその場を出て行く九菜。



 夜の霧流家の庭で、七華は一人、竜牙刀を振るう。

 絶対的な差がある相手に対抗する方法をひたすら思い巡らせている。

「力で勝れないなら、作戦で勝るまで、こっちには数って武器があるんだから。でも少しでもあちきが強くなればそれだけ有利になる」

 刀を振るう七華。

「さっき六牙から連絡があったわ、間に合いそうもないそうよ」

 八子の言葉に溜め息を吐く七華。

「やっぱり」

「負けは許さないわよ」

 八子の言葉に七華は無言で頷く。

「本当の意味で負けるというのは、相手に屈服すること。どんなに強く絶望的でも相手に向う勇気と、再戦の為に引ける強い意志を持っていれば負けでは無いわ。それと限界までやりなさい。死なない限りあたしが直してあげるから」

 八子の言葉に強く頷く七華。



 十二支は新しい呪符を書いていた。自分の作れる最強の呪符を。

「ゴットブレイカー百剣。今の僕では直接勝つのは難しいな。しかし術の完成度で負けるつもりは無い」

 そして新たな呪符を作るために力を貯める十二支。



「で何のようだ五郎」

 バハムートの酒場に五郎と九十九が居た。

「次の戦い、多分命がけになる」

 五郎の言葉に苦笑する九十九。

「俺達の戦いは何時も命懸けだったとおもったが?」

 その言葉に五郎も苦笑する。

「そうだったな。この頃結構楽な戦いをしてたからな」

 机を軽く叩き続ける。

「ここは最高の装備と設備を用意してくれていた。そのお陰で十分な力を出せていた」

「ああ、傭兵時代には考えられなかったな」

 哀愁を漂わせる九十九に五郎が頭を下げる。

「すまないな自衛隊のエリートパイロットだったお前までつき合わせちまって」

「いいんだよ、在日米軍のやり方に気に入らなかったのは私も一緒だったんだから。あの時、米軍との模擬戦でシナリオ通りエースに負けて居たら私は一生お前を軽蔑していたよ」

 肩を竦める五郎。

「しかしその性で自衛隊をクビになって戦闘機に乗るために実戦ばりばりの傭兵部隊に入った」

「ああ、戦闘機に乗れるパイロットは重宝されたな」

 お酒を煽り五郎が呟く。

「だが、腐った仕事も多かった。本当の意味で正しい戦いをしていた奴を何人も殺した」

 そして九十九が言う。

「ここに来てからも、金の為に仕方なく竜騎機兵と成っていた竜を殺す日々が続いていたな」

「理屈では解っている。ほおって置けば死人が出る事は、それでも納得出来なかった」

 五郎の握るグラスにひびが入る。

「七華ちゃんが来てそれが変わった」

 九十九の言葉に大きく頷く五郎。

「だが、七華に前線を任せたままにしておく気は無い。次はこの体を盾にしてでも守り通す。その為に無茶な注文をするかもしれんが頼む」

 その言葉に九十九が苦笑する。

「七華ちゃんが大切なのはお前だけじゃないさ。竜騎機将オケンセン相手だ、有効な攻撃を打てるのは竜騎機将とお前だけだ。頼んだぞ!」

 五郎は強く頷き、乾杯をして九十九と二人お酒を飲み干す。



 バハムートの特別室、ここは魔法で竜人界に近い環境が維持されている。

 レインが激務で疲れて寝ている横にレイとゼロが居た。

『レインボードラゴンなんでダークスタードラゴンと戦うの?』

 ゼロの言葉にレイが真っ直ぐな瞳で言う。

『我は竜の王に成る為、ここに居る。だから自分より強い竜の存在を容認するわけには行かない』

 その言葉にゼロが言う。

『それは未来の話でしょ。今は流石にダークスタードラゴンに勝てないのは仕方ないことだと思うわ』

 レイは首を横に振る。

『我は理由を付けたくないんだ、自分が弱いことに。正直今の段階でダークスタードラゴンに勝つのは難しいのは解っている。だからといって逃げたくは無いんだ。我は全ての竜より強くなる』

 そのレイの顔を見てゼロが顔を赤くする。

『私も出来るだけ頑張る』

『ああ、今度は負けるわけには行かないんだからな』

 眠るレイに赤くなりながらもくっつき眠るゼロ。



「ついに時が来ましたね」

 何時もの喫茶店での十三の言葉に百剣が頷く。

「長かった。この一ヶ月、竜騎機将での戦いの誤差調節に費やした。このあいだの様な醜態はさらさんよ」

『私達に勝てる者は誰も居ません』

 断言するセン。

「そうですか、竜武装の最終調整も終っています頑張って下さい」

 落ち着いた様子で十三が言うと百剣が立ち上がり言う。

「言われるまでも無い。一刃を倒して、お前との関係も終わりだ」

 そして去っていく百剣を見送りながら、思案顔で一つのリモコンを弄る。

「さてさてこのリモコンを使う事に成らなければ良いんですがね」



 その日、バハムートに物凄い緊張が張り詰められて居た。

 そしてその時が来た。

「竜騎機将オケンセン出現しました」

 双葉の報告に全員が反応する。

「日本政府には話はつけてある。思う存分やれ!」

 十斗が宣言する。

『了解!』



「お前等、前回の借りはきっちし返すぞ!」

 五郎がマサムネのコックピットで宣言すると

『当然だ』

『俺達のソードをぶち壊しやがって、このキクイチモンジで徹底的にやっつけてやる!』

『七華ちゃんを怪我させた奴など万死に値するんだ!』

『百倍にして返してやりますよ』

 そして九十九が言う。

『なんか変なのも混じってた気がするが、皆の気持ちは固まっている。行くぞ隊長』

 五郎は大きく頷く。

「竜殲滅部隊マサムネゼロ、晴晴五郎出る!」

 そして五郎のマサムネが飛び立ち、それに引き続き、キクイチモンジ達が出撃する。



「先行するよ!」

 七華はそう言って、スノーボード片手にバハムートから飛び降りる。

 そして十二支も続く。

ちゆういんぼうしんしんゆうじゆつがい。時空を司る十二の獣よ我が意に答え、我が式神と成りてここに』

 酉の呪符に手を当てる。

飛翼ヒヨク

 そして呪符は、一体の大きな翼を持つ鳥に変化する。

 十二支はその鳥に乗り空に飛び出す。

 その後を追う様にゼロも飛び出す。



「七華ちゃん、十二支君ともに目標地点に到着しました」

 バハムートのオペレータールームに報告が入る。

 十斗が大きく頷く。

「竜武、如月・弥生準備」

「竜武、如月型射出体勢に移行同時に、竜武、弥生型発射装置に装填して下さい」

 双葉のアナウンスにそって、竜武如月型を格納した竜武玉が発射台に移動され、一本の巨大砲台に竜武弥生型が入った竜武玉がセットされる。

 双葉は、竜武玉が完全に射出装置に固定されたのを確認した所で、専用スライドレバーを大きく後に下げて、固定しアナウンスを流す。

「これより、竜武弥生型を発射します。各員対ショック体制を取ってください」

 そして、司令室の画面中央に射出用ターゲットが二つ現れ、オペレーター達が一斉に最後の微調整を行い、目標地点、空中を滑空する七華と十二支にマークが重ねる。

「竜武、如月射出・弥生発射!」

「竜武、如月型射出・弥生型発射します!」

 双葉が、専用スライドレバーの解除と同時にスライドレバーが前方にスライドする中、プラスチックでカバーされたスイッチをカバーを叩き割りながら押す。

 それに合わせて射出装置が移動し、如月型が入った竜武玉は特殊射出用デッキから射出され、弥生が入った竜武玉が巨大砲台から発射される。

「高度・距離カウントします。8000/2000・6000/1600・4000/1200・2000両方共、1000を切りました、魔方陣開放承認お願いします」

 十斗が二本突き出した専用レーバーを握る。

「真竜開放魔方陣展開」

 十斗がレバーを両側に開き同時に直ぐ隣の円形の専用ハンドルを握り締めて、レバーを大きく回す。

 竜武玉の外殻が割れる。

 そしてそれは空中で巨大な魔方陣に転ずる。



 東京上空上空で、レイは自ら七華の体から離れ、魔方陣に向い、ゼロは魔方陣に接触する。

『汝戦う為にここに在り、戦いの姿をここに、レインボードラゴン』

『汝戦う為にここに在り、戦いの姿をここに、ゴールデンスカイドラゴン』

 レイとゼロは、魔方陣からの漏れる竜人界から力を己が体に変換し元の姿に戻っていく。

 レイの口から光の吐息が放たれ、七華を覆い、ゼロの金色のブレスが十二支を包み十二支の姿が消える。

 四足をついた状態だったレイが、直立し、まるで人間の様な体型になり、ゼロはその巨大な翼はそのままに人のシルエットを形成する。

 レイとの降下速度の差が縮まり、機械がレイの体の重要部分だけを覆い、ゼロの後方から迫ってきた装備がゼロの全身を覆った。

 竜騎機将ナナカレイが竜騎機将オケンセンの前に立つ。竜騎機将イフシゼロが竜騎機将オケンセンの上を旋回する。

 竜騎機将ナナカレイが手を振り上げ、

『望みの船から舞い降りる』

 竜騎機将イフシゼロがバハムートを背負い、

『望みの船から飛び立った』

 二人で竜騎機将オケンセンを指差す

『穢れし欲望を斬り裂く者』

『穢れし欲望を打ち破る者』

 竜騎機将ナナカレイが拳を両拳を打ちつけ、

『純粋なりし刀』

 竜騎機将イフシゼロが両手で印を作り、

『高尚なる印』

 腕組をして見下ろす様にし、両手を腰に当てて見下して宣言する。

『竜騎機将ナナカレイ』

『竜騎機将イフシゼロ』



 竜騎機将オケンセンのコックピットの中では百剣が嘲る。

「まだ実力の差が理解してないようだな。まあいい、一刃を倒した後の余興様に妹を捕まえて置くのも良い」

『そうですね、あの一刃には死ぬより辛い思いをさせてやら無いといけません』

 センの憎悪が篭った返事に百剣も頷く。

「さー行くぞ!」

『我は神をも殺す意思の持つ者なり、ここに我が意を示す剣を与えよ』

 そして百剣と竜騎機将オケンセンの手に神殺し刃、神威が現れる。

「さー存分に掛って来い!」



『ドラゴンコロシアムをお願いします!』

 バハムートのオペレータルームでは七華の要請に答え、すぐさま、闘竜の誓槍の準備が終る。

「闘竜の誓槍スターマーク!」

 その言葉にオペレータ達が、竜騎機将ナナカレイを中心に六亡星を描く様に十二個点をマークする。

「闘竜の誓槍、射出!」

「闘竜の誓槍、射出します!」

 そう言って、双葉が、手元のコンソールの六亡星型に配置された十二個のスイッチを次々に押していった。



「予定通り!」

 竜騎機将ナナカレイの周囲に十二本の巨大な槍が降ってくる。

 その外円は竜騎機将オケンセンも包んでいた。

『我は闘う者なり、その誓いと共に、我等に真の戦場を与えよ、ドラゴンコロシアム』

 そして、空間がずれた。

 ほんの少しだけずれた異世界。

 異世界に故にこちらの世界に影響が無い場所。

 竜達の戦いの場所。

 竜騎機将ナナカレイのコックピットで目を瞑って集中した後、七華が目を開けて言う。

「最初に皆に言っておく、普通に一対一でやりあったら勝てる相手じゃない。力をあわせて、隙をついて確実にダメージを与えていくよ!」

『任せておけ!』

 五郎が力強く答えてくる。

『言われるまでも無い。大きい力に打ち勝つ方法も陰陽道にはあるわ!』

 十二支が憎まれ口を叩く。

『我等もパワーアップしている事を示してやれ!』

 レイの言葉に言葉に七華が頷き、竜騎機将オケンセン用に調整された冷凍ミサイルを発射する。



「作戦通りだな!」

 印を刻み十二支が竜騎機将イフシゼロのコックピットで呪文を唱える。

ちゆういんぼうしんしんゆうじゆつがい。時空を司る十二の獣よ我が意に答え、我が式神と成りてここに』

 そして午のスイッチを押す。

 ゼロが午の書かれた紙に魔法を掛ける。

『ゴールデンドラゴンパワー』

 そして十二支が呪文を完成させる。

氷午ヒョウウマ

 馬がたの式神が現れて、竜騎機将オケンセンに突っ込むと同時に凄まじい氷の塊を生み出す。

 竜騎機将オケンセンの周りは絶対零度の世界になった。

 そして、竜騎機将ナナカレイの口から灼熱のブレス放たれると同時にキクイチモンジからナパーム弾が連続投下される。

 絶対零度から数万度の超高温が放たれ、瞬間に周囲の物体が破壊していく。

『五郎さんお願いします!』

 七華の言葉が通信機を振るわせる。



「一撃目は貰った!」

 竜騎機将オケンセンの正面に位置どったマサムネからロンギヌススピアが放たれる。

 それは一直線に視界ゼロの灼熱地獄に迫った。

 しかしそれはロンギヌススピアは空中で止まった。

「まさか……」

 視界が晴れると同時にそれが見えた。

 周囲の物質が完全に破壊されきっている中悠然と立ち、ロンギヌススピアをその手に掴む竜騎機将オケンセンの姿が。

「竜騎機将二体プラスキクイチモンジでのトライアングル攻撃で無傷なだけでなく、俺のロンギヌススピアを受け止めるだと」

 そして竜騎機将オケンセンは宣言する。

『お前等の攻撃など俺には無意味だ。前回みたいな隙は無いぞ!』

 神威が振るわれた時、届く筈の無い刃にキクイチモンジが落とされていく。

「どうした!」

 その言葉に悔しそうな口調で七華が答える。

『慣れてきてる、竜騎機将でも人の時と同じ技、意思力の衝撃波を刃に集中させて、暫撃と同時に放ってきたんだよ』



「洒落にならない奴だな。竜騎機兵だったら必殺の竜騎機将ナナカレイと竜騎機将イフシゼロの攻撃を同時に食らってノーダメージなだけでなく、その状態で五郎の一撃を防ぐなんて」

 バハムートのオペレータールーム十斗の言葉が響く。

 オペレータールームに前回の苦い思いがよみがえる。

「撤退するべきではないですか?」

 双葉の言葉にオペレータールームの人間が頷いたその時、七華の声が聞こえて来た。

『しょっぱなから情けない所見せました。でもあちき達は一人じゃない。相手も万全だったから技が防がれても仕方ないんです。ここは頑張って、隙を突く方法を検討します。だから、サポートお願いします』

 その言葉を聞いた時、十斗が苦笑して答える。

「任せておけ、お前が最大限に力を出せる様にこちらも精一杯の事をするまでだ!」

 そして十斗がオペレーター達に言う。

「相手も同じ竜騎機将だ、竜と乗り手が無敵でも、装備に欠点があるかもしれない。お前達はその欠点を探せ。その時間は奴等が稼いでくれる!」

 十斗がメインパネルに映る竜騎機将ナナカレイ達を指差す。

 オペレーター達が皆頷き、どんどん調査を開始していく。



 戦いが凄惨だった。

 DSSの攻撃は全て無効化されるが、竜騎機将オケンセンの攻撃は確実にDSS側にダメージを与え続けている。

 その様子を竜騎機将ナナカレイのコックピットで見ながら、竜騎機将ナナカレイのダメージを見る。

「重要な箇所はダメージを食らっていない」

『しかし、どうするつもりだ、こっちの攻撃は全て防がれる。ブラスターレインボーフィニッシュを出すか?』

 痛みを堪えながらレイが言うが七華が首を横に振る。

「それは奥の手だよ。単体では十分なダメージにならない。竜騎機将イフシゼロの術と合わせて初めて効果を出せる筈だよ」

 その時、竜騎機将オケンセンは急接近してくる。

『お前は殺さないから安心しろ!』

 次の瞬間、それが来た。

『ダークノヴァ』

 七華は咄嗟に両手でガードをする。

 竜騎機将ナナカレイに大ダメージが襲い掛かり、ビルに叩きつけられる。



「七華!」

 五郎が慌てて、フォローに入ろうとした時、マサムネの機体に衝撃が走る。

「なんだ!」

 機体の状況を見ると、ミサイルの直撃を食らった見たいな様子であった。

「馬鹿なあの不可思議な攻撃でもない、何があったんだ」

 そして次々に落ちていくキクイチモンジ。

『ハエ落すのに丁度良い術をセンが覚えたんだよ』

 竜騎機将オケンセンの装甲から放たれたミサイルが闇に包まれ、全ての観測装置から消えた。

 五郎は直感のみでそれを避けた。

「くそー!」

 不用意に近づけない現状に壁を叩く五郎であった。



『レインボードラゴン!』

 竜騎機将イフシゼロのコックピットにゼロの絶叫が響く。

「七華大丈夫か!」

 それに対して七華の声が聞こえる。

『肉体的にはあちきもレイも大丈夫だけど、問題点が、装備の幾つかが特にアームブラスターが使用不能になったよ』

 その事の重要性は十二支も事前の作戦会議で聞いていた。

 唯一ダークスタードラゴンの盾を打ち破った技であるブラスターレインボーフィニッシュが出せないことを意味しているのだから。

「僕が何とかする!」

 それは今までの言葉とは違った。

 今までは自分に対する過剰な自信から来ていた言葉であったが、今の言葉はこの作戦に関わった全員の気持ちを答える、その為だけの決意の言葉であった。

 そして通常の二倍の時間をかけて印を刻む。

ちゆういんぼうしんしんゆうじゆつがい。時空を司る十二の獣よ我が意に答え、我が式神と成りてここに』

 そして、寅と辰のボタンを同時に押す。

 ゼロが寅と辰の書かれた紙に魔法を掛ける。

『ゴールデンドラゴンパワー』

 そして十二支が呪文を完成させる。

爆寅辰バクトラタツ

 虎と竜の式神が生まれて、竜騎機将オケンセンに迫る。

 そしてその目前でその身をあわせると物凄い爆発が発生する。

「これを食らって無傷な訳は無い!」

 そして爆風の中から黒い衝撃波が竜騎機将イフシゼロに襲い掛かった。

 その衝撃は、一瞬で十二支の意識を刈り取った。



「間に合え!」

 竜騎機将ナナカレイは体中から出る火花を無視して駆け出した。そしてその手で落ちてきた十二支とゼロを受け止めた。

『ギリギリセーフだな』

 レイの言葉に頷く七華。

 そして手の中の十二支を地上班に渡すが、ゼロは竜騎機将ナナカレイのコックピットに入ってきた。

『なんのつもりだゴールデンスカイドラゴン?』

『少しでもお役に立ちたいんです』

 ゼロは決意を込めた瞳で言う。

 そして七華が爆風が晴れた後の竜騎機将オケンセンを見る。

「流石は陰陽師あの竜騎機将オケンセンにダメージを与えたね」

 竜騎機将オケンセンの翼に大きな傷が出来ていた。

「あれだったらもう飛べないよ」

 そして竜牙刀を構える竜騎機将ナナカレイ。

『どうする、肝心のアームブラスターが使用不能の上、竜騎機将イフシゼロも戦線離脱した。正直勝ち目は無い』

 レイの言葉に七華が通信機とスピーカーを入れたまま言う。

「あちきは、全てを出し切る。例え負けたとしても。そうしないと前に進めないから!」



『あちきは、全てを出し切る。例え負けたとしても。そうしないと前に進めないから!』

 その七華の言葉は当然バハムートのオペレータールームにも伝わる。

「全力でサポートするぞ!」

 十斗の言葉にオペレーター達が頷く。

「司令、ドラゴンコロシアムに侵入者が居ます!」

 双葉の言葉に誰も驚く。

「そんなあの空間は時空的に遮断されています。出るのはともかく中に入るには世界を転移する能力がないといけない筈です」

 レインの言葉に頷きながら、十斗が双葉があわせる望遠カメラの映像に集中する。

 そこには一人の少年が居た。

 その少年は、戦場に立っているのに平然としていた。

 外見は、美形というわけでないが、不思議と魅力を感じる笑顔をしていて、筋肉質ではないが引き締まった体型をしている高校生くらいのその少年の手には一冊の本と巾着が握られていた。

「何者だ?」

 そしてその少年が話し始めた。

『口だけは一人前になったな七華!』



「お兄ちゃん!」

 竜騎機将ナナカレイのコックピットで七華が叫ぶ。

『あれが噂のお前の兄か?』

 レイの言葉に大きく頷く七華。

『親父から預かり物だ!』

 そう言って巾着を投げる。

 巾着は途中で空間転移して七華の手に収まる。

「アルテミスの祝福だ」

『偶々こっちの戻る用事があったから、ついでに預かってきてやたぞ。感謝しろ!』

 その手の本を見て、七華が言う。

「つまり、コミケのカタログを買う為に戻ってきたんだ」

 その言葉を聞いて一刃は平然と言う。

『何か不味いか?』

 七華は疑いの眼差しを向けて言う。

「どうせハジメさんにはあちきが大変だからって理由つけて帰ってきたんじゃないの?」

 そっぽを向く一刃。

『嘘は言ってないぞ』

 溜め息をついてから七華が言う。

「ハジメさんもお兄ちゃんが居ない間大変なのも我慢して送り出してくれているのにかわいそうだなー」

『うるさいなー、ちゃんと邪竜の神殿を一つ潰してきたからいいんだよ!』

 逆切れする一刃に七華が微笑み言う。

「ありがとうお兄ちゃん」

 いきなり素直になる七華に一刃が戸惑う。

『そう素直になれば良いんだ』

「だから暫くあいつの相手お願いね」

 そういって七華はバハムートとへの帰還装置を起動させた。

 そして一刃の前に竜騎機将オケンセンが立ち塞がる。



「この瞬間をどれだけ待った事か!」

 竜騎機将オケンセンのコックピットで一刃を睨む。

 一刃の周囲の地面があふれ出す殺意の意思の衝撃波で崩れていくが、一刃は平然と立っている。

『よ久しぶり、お前もそんなもんまで手を出すとは思い切ったことするなー』

「お前に勝つためだったら悪魔にだって魂を売ってやるわ!」

 竜騎機将オケンセンが神威を一刃に振り下ろす。

『血の盟約の元、一刃が求める、戦いの角をここに表せ、竜角槍リュウカクソウ

 そして一刃の手に一本の槍が現れ、神威を受け止める。

『まー可愛い妹にお願いだ聞いてやるか。七華が戻るまで相手してやるよ!』

「ふざけるな!」

 そういって竜騎機将オケンセンの全体重を乗せて押しつぶそうとするが、一刃はあっさりその勢いを逸らす。

 竜騎機将オケンセンの体制が崩れる。

 百剣の視界から一刃が消える。

 百剣は経験と感から咄嗟に横に飛びのくとそこに竜騎機将オケンセンが居た位置に大きな裂け目が出来る。

 竜騎機将オケンセンが振り返るとそこには余裕満々の笑みで竜角槍を持つ一刃が居た。

『流石はゴットブレイカー。さてその玩具でどれだけ強くなったか見せて貰おうか!』

 百剣はミサイルのスイッチを連射する。

『ダークフィールド』

 センの竜魔法でミサイルが隠蔽される。

 しかし一刃は平然と竜角槍を掲げて言う。

『竜の角を持ちてここに天の裁きを、ドラゴンサンダー!』

 雷が竜角槍を中心に三百六十度に放たれ、認識不可能なミサイルを撃墜する。

『ロケット花火で何をするつもりなんだよ』

 竜騎機将オケンセンはその掌に意思の衝撃波を溜め込む、そしてセンがそこに竜魔法を掛ける。

『ダークボム』

 竜騎機将イフシゼロを戦闘不能にしたその一撃だ。

 しかし、一刃は竜角槍の振り上げて、

『ドラゴンスライサー!』

 振り下ろされた竜角槍から発生した衝撃波は、ダークマグナムと呼ばれるそれを粉砕して神威を構えた竜騎機将オケンセンを弾き飛ばした。



「九菜さん合体の用意急いで!」

 バハムートのオペレータールームに戻ってきた七華の言葉に九菜はようやく自分の仕事を思い出して、合体の為の準備を始める。

 そして合体準備を待つ七華に十斗が言う。

「お前の兄貴本当に人間か?」

 そういって、先程までDSSの全戦力相手に圧倒していた竜騎機将オケンセンと互角以上の戦いを繰り広げる生身の男、一刃を指差す。

「驚くことじゃないですよ。お兄ちゃんはあの倍の大きさのダークスタードラゴンを一人で倒した事ありますから」

『七華ちゃん、特殊魔方陣室まで来て!』

 九菜の言葉に七華がオペレータールームを出て行く。

「確かにあれと較べれられればコンプレックス持つわな」

 溜め息を吐く十斗の目には、自分の十倍近くある竜騎機将オケンセンと正面から剣と槍を交える一刃が映っていた。



 バハムートの中心際下層部にある特殊魔方陣室。

 そこに、レイとゼロが並んでいた。

『七華ちゃん以前説明したとおり、今回の魔方陣はレイとゼロを大幅に変化させる為に特殊な魔方陣を使うわ。そしてその為に大きな術力が必要よ大丈夫?』

 それに対して巾着から取り出したアルテミスの祝福という名の宝玉を取り出す。

「このアルテミスの祝福があれば大丈夫です」

 七華はアルテミスの祝福を掲げて唱える。

『大いなる魔力の源、月の女神アルテミスのその祝福を我に与えよ』

 七華の髪が光り輝く。

 そして魔方陣に一気にその光が伝染する。

『汝等戦う為にここに在り、今一時、その魂と体を一つにして、新たな戦いの姿をここに、レインボードラゴン・ゴールデンスカイドラゴン』

 呪文に答えて、本来の姿に戻るレイとゼロ二人のブレスを受けて七華の姿が消える。

 そして、二人の姿が重なる、レイが少し下半身太めな人のシルエットに、ゼロは手足が短く翼が更に大きくなってレイの背中に負ぶさる形になる。

 床が開き、一つになったレイとゼロが降下する。

 降下中に射出された竜武卯月型が二人の結合部をフォローし、武装に固めていく。

 そして全ての武装を身に纏った時、大きく翼をはためかせ、竜騎機将オケンセンに向って飛んでいく。



「化け物め!」

 肩で息をしながら百剣が竜騎機将オケンセンにコックピットで呟く。

 正直自分の力はかなり上がっていた。

 前戦った時より何倍もまともな勝負になっているしかし、それでも一刃は平然と竜騎機将オケンセンの前に立っていた。

『お前の弱点の術もダークスタードラゴンにフォローさせたか、中々やるな』

 一刃の余裕の言葉に歯軋りをする百剣。

『まだです、相手も人間です限界がある筈です!』

 センの強気の言葉の裏に隠れた明らかな疲労を感じていた。

 DSSとの戦いは圧倒をしていたが、こちらもかなりの力を消費していた。

 そして一刃との限界を超えた攻防に正直残っている力は明らかにこっちの方が少ない。

 しかし負ける訳には行かない気持ちが百剣を奮い立たせた。

 その時、一刃が竜角槍を元のアクセサリーに戻す。

『タイムオーバー』

 そしてその時、視界に大きな翼を持った竜騎機将ナナカレイが映った。

『望みの船から生まれし』

 竜騎機将オケンセンを指差し、

『穢れし欲望を斬り貫く者』

 右掌に左手の拳を打ちつけ、

『崇高なりし刃』

 両腕をクロスしてその間から相手を見下ろし宣言する。

『超竜騎機将ナナカレイゼロ』



『態々決め台詞まで変える必要あったのか?』

 超竜騎機将ナナカレイゼロのコックピットの七華にレイが聞いてくる。

「こーゆーのは気分だからね。さて一撃で決めるよ!」

『そんな無理じゃないんですか?』

 ゼロの言葉に七華が首を横に振る。

「お兄ちゃんとの戦いで竜騎機将オケンセンもかなり消耗してるから無理じゃないよ。それにレイやゼロもかなり消耗してるから、あちきの力に余裕がある今が一番のチャンスなの。行くよ!」

『血の盟約の元、七華が求める、戦いの牙をここに表せ、竜牙刀』

 超竜騎機将ナナカレイゼロの手に竜牙刀が握られる。

『うるさい蠅が! 一刃との勝負が先だ!』

 竜騎機将オケンセンが一刃に追撃しようとした時、その眼前をマサムネが通り抜けると同時にエクスカリバーを撃ち放つ。

『俺の事を忘れてんじゃないぞ!』

 竜騎機将オケンセンの動きが止まる。

 そしてミサイルで迎撃しようとするが、弾切れの様だ。

『くそ蠅の分際で!』

 その間にも超竜騎機将ナナカレイゼロは急降下の加速力すら力に変えていく。

『ドラゴンヒール』

『ゴールデンドラゴンパワー』

 レイとゼロの竜魔法が竜牙刀を覆い、本来なら存在しない金色の虹の光が竜牙刀から放たれる。

「ゴールデンレインボーフィニッシュ」

『舐めるな小娘! ダークノヴァ!』

 竜騎機将オケンセンのダークノヴァが超竜騎機将ナナカレイゼロの竜牙刀とぶつかる。

 しかし、今回は闇が切り裂かれ、そのまま竜牙刀は竜騎機将オケンセンを貫く。

 だれもが決まったと思った瞬間それが起った。

 竜騎機将オケンセンの武装が大爆発を起す。

 爆発の衝撃で超竜騎機将ナナカレイゼロは飛ばされるが何とか、地面に着地する。

 そして爆風が収まった時、そこには竜騎機将オケンセンの姿は無かった。

『勝ったのか?』

 レイが疑問を投げつけてくる。

 七華は少し考えた後答える。

「とりあえず今回はね」



「俺達の勝利だ!」

 バハムートのオペレータールームで十斗の勝利宣言と共に歓喜声が上がった。

「今回は何とかなりましたね」

 九菜の言葉に席に座りながら十斗が頷く。

「まーな今回は色々幸運に助けられた。一番の幸運はあの人外兄ちゃんだがな」

 もう姿が見えない一刃の事を考える。

「まだまだ改善の必要があって、強くなれるって事だよ」

 十斗の言葉に強く頷く九菜。



「貴様だなあの爆発は」

 百剣が一部始終を見ていた十三につめより言う。

「はい、もし一刃に勝ちそうな時に爆発させてノーマッチにする為に」

 十三は平然と答えると百剣が神威を十三の首筋に当てる。

「俺と一刃との戦いを邪魔する奴は許さん!」

 それに対して十三は言う。

「しかし、今の貴方では一刃に勝てない。それどころかあの超竜騎機将ナナカレイゼロにすら」

 その言葉に反応するように神威が十三の首筋から血を流させる。

「まだ私達のちからが必要の筈ですね。それも今まで以上に」

 百剣は神威を振り下ろした。

「一刃と超竜騎機将ナナカレイゼロ、霧流兄妹に勝つまでだ。今回みたいな仕掛けを次にしたらその首を切り落すぞ」

 神威により切り落されたドアから百剣は外に出て行く。

 一人、半壊した喫茶店の中で、自分で持ち込んだコーヒーを飲みながら十三が言う。

「予想以上に上手く行ったな。そっちも大分面白い事に成ってる。これは先が楽しみだ」

 そう言って十三は天に浮かぶバハムートを見上げた。

「私はお前を変えたその船を許さない。確実に落とす。そして又二人で世界に喧嘩を売ろうではないか十斗」



 バハムートの食堂では盛大な祝勝会が開かれていた。

「で何で部外者のお兄ちゃんが当然の様に紛れ込んでるの?」

 七華の言葉に、ナンパしまくっている一刃が言う。

「冷たいこというな、特殊制服お姉さんとお知り合いになれるチャンスなんてそうないんだ。それに俺がアルテミスの祝福を届けたから勝てたんだろ?」

「確かに感謝はしているよ。一刃君」

 十斗が頭を下げる。

 そして九菜がにじり寄り言う。

「あたしは興味あるな、いっそ解剖したい位に」

 一歩下がり一刃が言う。

「七華この人が言う解剖って比ゆ的な表現だよな」

 七華は料理を食べながら気にした様子もなく答える。

「直接的表現だと思うよ」

「遠慮します」

 逃げ出す一刃。

「もー相変わらず無茶するんだから。ミサイルが残ってたらどうするつもりだったの?」

 双葉が五郎を睨む。

「まーな敵の残弾数位、予測がついてたんだから気にするな」

 呑気に答える五郎に九十九が。

「嘘をつくな嘘を。ただ意地で出ただけだろう」

「五郎!」

「超竜騎機将以外でダメージを与えたのは僕だけのようだね」

 自慢げに言う十二支に三美が九菜から逃げ回る一刃を指差して言う。

「でも一刃お兄さんは生身でダメージ与えてたよ」

「人外は考慮するな!」

 そして今回一番疲れたレイとゼロは並んで寝ている姿をオペレーターのお姉さま方に激写されていた。

 そんな平和なDSSであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ