俺の本気?いいぜ、見せてやるよ……どうなっても知らないからな?
続き……というか、目的が無い。
どうしたもんかな……
「ユウ君!起きなさい!早く起きないと……子作りしちゃうぞ♪」
「アンタホントに親か!?」
いろんな意味で、すごい目覚めになった。
俺の知ってる母は、こんなんじゃなかった……気がする。
あと、普段から変化の杖で、喋れる状態を維持している。
「おはよう、ユウ君♪」
「……おはよう、母……子作りとか、そういう冗談は勘弁してくれ」
「どうせ血なんか繋がってないんだから、良いじゃない……ご飯できてるから、早く着替えてね?」
「ああ、わかった……ん?なんか、すごいカミングアウトしなかった?」
二十年以上一緒に生活して、一切聞き覚えの無い事を言われた。
俺の疑問に答えずに、母は寝室から出て行く。
そんな、モヤモヤした寝起きから、一日が始まった。
朝食は、焦げた目玉焼きと炭に昇華されたサラダ。
目玉焼きは、まあ、いいとしよう。
サラダが何故、炭になる?
「焼きサラダに挑戦してみました!」
「おいバカ」
「酷い!?」
焼きサラダはダメだろ。
常識的に考えて。
「偶には、冒険したいじゃない?」
「今回は、いらなかったよ……その冒険心……」
それにしても……久しぶりだな、この雰囲気。
まあ、遠慮したい雰囲気だけど。
「もう、俺が作るよ」
「わ~い」
~窓の外から覗いている人達の会話~
「なんでしょう……アレを見てると、イライラしてきます」最強のメイド。
「奇遇ですね……私もイライラしています」聖賢所有者。
「めちゃくちゃ美人だな」強い筈なのに強く感じられない大剣使い。
「くぅ……また影の濃そうなのが……」最近忘れられてそうな魔法使い。
「むぅ……あのスタイルで、何もしていないの?」色気に自信の無くなっている美人さん。
「ディアズ君……お母様と一緒で、嬉しそうだな」執事のようなイケメン。
「……お腹空いた」腹ペコ無口っ子。
「ディアズ君のお母様は、料理が出来ないのかな?」本来の仕事を放棄した人気給仕。
「うお!ディアズの作った朝食うまそ!」流されやすいバカ。
「ご飯、何かの汁物、玉子焼き……主夫ですね~」のんびり者な天然さん。
「……手際が良いわね」ツンデレモドキなお嬢様。
「どうして、あんな美人が母親なんだ?」幸薄少年。
「アレが、ミーシャ君のお母様……」よくストーキングをする天使。
「へ~意外と隙が無いな……」戦闘狂な姉御。
「やっぱり挨拶しておいた方が……いや、しかし……巫女相手に、魔王が挨拶と言うのも……」姉という自覚が目覚めてきた魔王様。
「日本人か……俺の母ちゃんより……いや、比べるのもおこがましい位に美人だな」召喚された勇者様。
「わ~あの御方がディアズさんのお母様ですか……それに、勇者様の世界の巫女……美人だなぁ」勇者を召喚した巫女。
「強いな……是非とも、御教授していただきたい」巫女の護衛。
「すごいな~お母さんとは言え、普通に話せるなんて……羨ましいよ……」気弱な商人。
「おひしぃしょ~」元人外現双子の赤い片割れ。
「おなかへった~」元動物現双子の青い片割れ。
「うぅ~私もあそこに……いえ!家族水入らずで……でも……」寂しがりな竜の人版。
~以上、暇人達でした~
あいつら何やってんだろ?
隠れるなら隠れるで、もっと静かにしろよ。
「ユウ君は、人気者ね~……あら?また、腕上げた?」
「人気者、ね……皆暇なだけじゃない?」
「そうかしら?」
何が可笑しいのか分からないが、クスクスと笑う母を見る。
……悔しいが、息子の初恋は母と言われる典型だろう。
「ほらほら、皆さんを御呼びしないと……あ、朝食は全員分作ってね?」
「……了解」
朝っぱらから、騒がしい朝食になりそうで嫌だなぁ~
朝食は、静かに派なんだけどね。
大体が、朝食全員分って……何人いると思ってんの?
だがまあ、いいだろう……戦闘でないのなら、俺に出来ない事は無い!
その日、庭園の一部が……崩壊した。
そんな、いつもの出来事。
今回の題名は、料理の事でした~
戦闘でいくら頑張っても、何も出来ませんよ?
いつも何かしらぶっ壊れる生活……したいと思えないな。