Episode 2
今回からは、完全に物語に入ります。
連投になりますが、一応見直しは何度かしたので大丈夫だと思います。
回る。
回る。
回る。
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回る。
回る。
回る。
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「パパは正義の味方なんだよ」
「ホント〜??」
「ホントさ、裕也のために今日もガンバるからな。」
「僕も大きくなったらパパみたいになりたい。」
「そりゃいい。ハハハ。」
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「裕也。これから父さんは、危険な目にあうかもしれんが、必ず戻って来るからな。」
「父さん。無茶しないでね。」
「これをやろう。」
そして、俺の首にロケットのついたネックレスをかけた。
「父さんは正義の味方だからな」
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自分の家のリビングに土足で立つ男達。
「おい、ガキ。この男から、何か預かってねえか??」
そういいながら父さんを蹴飛ばす。
「裕也。大丈夫だ。安心しなさい。例のデータは本国に送った。」
「嘘ぬかすな!!」
「なら確認してみろ。」
「てめぇ!!」
チンピラみたいな奴を手で制し、一人の男が立ち塞がる。
「正直に話しもらえませんか??」
「断る。」
「では。」
男の腰のホルスターからデザートイーグルを取り出し、母親を撃った。否、撃ち殺した。
「あああっ…。」
夥しい量の出血。
俺は散々泣き叫んだ。
「キサマッ!!」
父親が男を睨め付ける。
「チップの場所わかりました。では、仙川さん。さようなら♪」
「なっ!!」
ダンッ。
胸を撃たれ倒れる父親。
顔がこちらを向いた。
そして口が動いた。
「と・う・さ・ん・は・せ・い・ぎ・の・み・か・た・に・な・り・た・か…」
そして、瞳孔が開いていった。
「さて、少年。その首のロケット、渡してくれないか。」
「え…」
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「さぁ、そろそろ終わりの時間だ。」
俺を囲む男達。
一人の男が俺に話しかけてきた。
しかし、俺はそれを無視し、目を閉じた。
そして、デザートイーグルが吠えた。
ダンッ。
不思議と痛みを感じなかった。
なぜなら…。
そこにはSPAS12ショットガンを片手で構えた一人の男に俺は抱えられていたからだ。
「何者だ!!」
しかし、その声はショットガンを持った男の投げた閃光弾で遮られた。
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「俺は、正義の味方を目指した愚か者だ。」
「…。」
「仙川君には申し訳ないことをした。」
「…。」
「いくら謝っても申し訳が立たない。」
「…。」
「君はどうしたい??」
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「仙川君が奪ったのは細菌兵器の研究資料だ。あれが使われたら人類は…。」
「父さんは正義の味方??」
「そうかもしれない…。」
「なら、俺もその意志を継ぐ。」
「ダメだ。俺らのやってることは正義じゃない。」
「なぜ??」
「何人も人を殺してるからだ。」
「なら・・・。」
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(この子の成長率は化け物だな…。)
「師匠。200発終わりました。」
「次、ショットガンで200発。」
「はい。」
(既に俺のレベルすら…。)
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「生きるためにしてはいけないことなどあるのですか??師匠。」
「いゃ…。」
「そうですか。では、依頼を…。」
(この子は殺しに対して恐怖感をなくしているのでは…。)
「お前、学校は行かなくていいのか??」
「俺には必要ありませんから。」
「…。」
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「裕也と言う名を捨てた時に誓いました。父さんの意思を引き継ぐって…。」
「『弱気を助け悪を滅す』だったな。」
「はい。復習代行屋は、いいアイディアだったかもしれませんね。」
「そうだな。だが、本来の目的に戻るときが来たぞ。」
「まさか・・・。」
「あぁ。ついに坂口の息子を見つけた。東京中に薬を売りさばいて莫大な金を儲けているようだ…。」
「やっと見つけた・・・。」
(いつの間にか随分と大人びてしまったな…。今年、18歳になったばかりなのに…。)
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「ここは…??」
確か、俺は車で壁に突っ込んで…。
自分の格好を確認すると、黒のカッターシャツの上から黒のジャケットを羽織り、黒のジーンズ、首に下げたロケットが付いたネックレス。そして、頭の上に押し上げたサングラス。
いつも通りの格好だ。
ジャケットの隙間から、愛銃のM1911ガバメントを取り出し、周りを警戒する。
一面、真っ白な現実離れした空間。
どこまで続いているのかわからない空間。
試しに、一発撃ってみた。
パンッ。
乾いた独特な音が響いたが、いつまで経っても着弾する様子がない。
「なんだ、この空間は…。」
『境界。そう呼ぶのが正しいのだろう…。』
いつの間にか俺の後ろに一人の老人がいた。
「誰だあんた??」
『神。GOD。創造主。監視者。まぁ、世間一般に考えられている神じゃ。』
嘘をいっている様子は無いが…。
「本当のことを言ってくれ。」
銃を自称、神に向ける。
『撃ってみなさい。』
「…。は??」
『その銃で、わしを撃ちなさい。』
「…どうなっても知らないぞ。」
パンッ。
再びこの空間に乾いた音が響く。
しかし…。
「な…。」
俺の撃った弾は神の胸の前で時間が止まったように静止していた。
『信じてもらえたかの??』
「あぁ。信じよう。」
『意外とあっさり受け入れた上、落ち着いた奴じゃな。』
「まぁな。それで、地獄に落ちるのになんで、閻魔様ではなく神様なんだ??」
『地獄、天国など存在せぬのだが…。まぁ良い。お主は此処に呼んだのには訳があったからだ。』
「なんだ??」
銃をホルスターに戻しながら神様の言葉を待つ。
『お主は、正義の味方になりたかったのか??』
「まぁな。」
『それは、本心か。』
「正義の味方というか弱きを助け悪を滅すという意思を貫きたかった。」
『ふむ。奴らの言っていたことに間違えはなさそうじゃ。』
「奴ら??」
『仙川と言う男と五十嵐という男だよ。』
「父さんと師匠??」
『そうじゃ。彼等はお前が適任といったが間違いなさそうじゃな。』
「適任??なんの話だ?」
『まぁ、それは追い追いわかるじゃろう。お主には、今まで生活していた世界とは別次元に存在する世界、所謂、異世界に行ってもらいたい。』
「断る。」
『はて?何故じゃ??』
「そんなところに行って何かメリットあるのか??俺には無いとしか思えない。」
『魔法とかが存在するファンタジーのような世界じゃぞ??皆、憧れるような…。』
「だから…??別に俺じゃなくてもいいだろう。」
『…。そうか・・・では理由を話そう。結論から言うとお主以外には無理じゃ。何故かは簡単な話だ。正義の味方になりたいと思うのは長くとも10歳くらいまでだ。それを過ぎても正義の味方になりたいと思うやつなど存在しない。お主は確かに、大量の人を殺しただろう。だが、そこに少しは正義があった。もちろん、殺しは神としてはあまり心地好いものではない。』
「ちょっと待て。別にその話と異世界は関係ないだろ。」
『まぁ、待て。正義という概念はあやふやじゃが、お主は正義の味方というのは、弱きを助け悪を滅っする意思のことだろ??』
「そうだが?」
『では、話を戻すぞ。お主は確かに殺しをする。だが、お主を連れていこうとしている異世界は甘い世界じゃない。魔物だっておるし、命の危機さえある。そんな場所に一般人を送り込んでも逃げ回る。力を与えれば自分に酔って、豪遊する始末。そんな訳で一般人ではなく、選ばれた者を送る必要があるのじゃ。』
「選ばれたもの?」
『そう。世界を救うことが出来る者。すなわち、臆することなく敵を排除し救えるものを救う。そんなことができる者じゃ。』
「そもそも、なぜ異世界を救う必要があるんだ??」
『世界崩壊の危機じゃ。この世界は精霊王の加護により成り立っているが、近年の魔物の増加と度重なる戦争により精霊の力が弱まりつつある。そこで、精霊の力を取り戻した後。戦争に終止符を打ち、魔物が発生した原因を突き止め、解決してほしいのじゃ。』
「なるほどな。」
『どうじゃ??行ってもらえないか??仙川、五十嵐もお主に行かせて欲しいと頼んでいたのだが…。』
「父さんと師匠が…。これは依頼か?」
『依頼…。まぁ、わしからの頼みだし…そうじゃな依頼じゃ。』
「そうか、報酬は??」
『その世界の永住権と魔力と装備で手を打ってもらえんか??』
「永住権??元の世界には戻れないのか??」
『…。忘れたのか??お主は車で…。』
「…そうだったな。魔力ってのはよくわからないんだが。」
『それは、自分で探さねばならないものだ。』
「まぁ、どちらでもいい。最後に装備とは??」
『これじゃ。』
そういって俺の腕に金の腕輪を巻いた。
「なんだ、これ??」
『向こうに着いてから、魔力を注いでみればわかるだろう。』
「ほとんど謎なんだな…。まぁいい。その依頼を受けよう。神からの依頼など初めてだがな。」
『面白い奴じゃ。では、頼んだぞ。』
「依頼は完遂する。」
そして、俺の身体は光に包まれた。
いかがでしたか?
誤字脱字報告、感想等ありましたらよろしくお願いします。
※武器紹介
・SPAS12
ショットガン。ポンプアクションとしても使えるが、オートマチックとしても使えるのが最大の特徴。ストックを肩で固定する事で、片手撃ちも可能だが反動がすさまじい。弾詰まりする事もあるが「小型の大砲」と称されるだけの威力を持っている。現在は生産が中止され、連射性能と威力の強さからアメリカの一部の州でも制限が掛かっている。
ちなみに・・・
ポンプアクションというのはショットガンの用に1発打った後にカシャンッと引く動作が必要なもののことです。一方、オートマチック言うのは次の弾が自動で装填されるので連射が可能なもののことです。