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Episode 1

さて、プロローグの延長線に当たる話です。

この作品は作者の妄想やらなにやらが、かなり含まれていきそうです。。


では、どうぞ^^

今、俺はカンパニーの入り口にいる。



カンパニーとは俺の雇い主というか、共犯者というか…まぁ、俺に殺しの技術と機会を提供してくれた人が作った会社だ。表向きはIT企業だが、裏の顔は正義の味方っというか復習代行人だ。


カンパニーの建物は地上48階建てとなっているがそれは表向き。

俺の用があるのは50階だ。



エレベーターに乗り、鍵口に鍵を差し込む。

5階.10階.15階.20階のボタンを押した後、鍵を捻る。

するとエレベーターはどこの階にも止まらず48階を通り過ぎ50階に向かう。




キーンコーン。

扉が開くと、社長室のような場所に出た。



「待っていたよ。シカリオ。」


シカリオ。

それが今の俺の名。

意味は殺し屋。

コロンビアか何処かの言葉らしい。



「…。仕事は終えた。」


「あぁ、さっき報告があった。斎木達也は無事にあの世へ旅出ったそうだ。」


「次の依頼は??」


「次はこいつを頼む。」


そういって俺にフラッシュメモリーを投げてきた。


「わかった…。ところで・・・あんたは誰だ?それに、この部屋に漂う死臭はなんだ??」


そういいながら懐から愛銃のM1911ガバメントを取り出す。

もちろんセーフティーは外した状態でだ。



「質問が多いな、シカリオ。」

そういいながら目の前の男が銃を構えた、否、構えようとした。


構える前に俺が撃ち殺したからだ。


1発を脳天に、残り2発を腹部に命中させた。


すぐに男に近付き、顔に触れる。ベリッと音とともに、特殊メイクが落ちる。


そいつのポケットを探ると車のキーが出てきた。それを自分のポケットにしまい、クローゼットを開ける。

中には本物のカンパニーの社長だった死体が無惨に転がっていた。



「…ちくしょう…。」

目から一筋の涙がこぼれ落ちる。

涙なんてあの日以来かもしれない。



カンパニー社長の死体。いや、恩師、 五十嵐隆三(いがらしりゅうぞう )の死体に向け、合掌する。

そして、ポケットに入っている別荘の鍵を取り出す。


もう一つの死体、名前はわからないが蛇の紋章。あの組織の一員であることは確かなようだ。


社長室のデスクの上にあるパソコンにメモリーカードを入れ、データ破壊プログラムを起動させる。

これは、万が一に備えて前々から用意してあった策だ。



あの組織のことだ、すぐにここにもやってくるだろうと思いエレベーターで駐車場に向かう。





車のキーのボタンを押し、反応した車を探す。

すると「ピーッ」と反応した一台の車を発見した。



組織の車だろうか?

黒塗りのスポーツカーだ。


車の下や周りを確認し安全を確認した。

車に乗り込みキーを捻る。

カカカカッグォーンッ。

腹に響くような音と共にエンジンが始動した。



そして、クラッチを操作しアクセルを踏み込んだ。


「GT3」とブラックで書かれたその文字がキラリと光りながら、その黒塗りの車は駐車場から国道へと出ていった。





■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


「奴です。今、車に乗っていきました。」


「そうか。あいつとは5年ぶりだな。」


「ですね。まぁ、もう逢うことはありませんが。」


「ちがいない。散々、邪魔してくれたんだ。それなりの報いは受けてもらおう。」


「まぁ、最高の棺桶も準備したし問題はないだろう。」


駐車場にある一台の車の中にいた男が携帯で誰かと話していたが、俺はそんなことには気付かなかった。



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□



車は、国道から首都高に入り別荘のある千葉県に向けて疾走していた。

背後から組織の車が追いかけきているのでオービスを無視しながら首都高を走っていく。


そして、アクアラインに入るトンネル内に入ったところでクラッチを5から6に上げた。


無免許運転だが、五十嵐さんには様々な知識や技能を教わっていたのでこれぐらい当たり前に出来る。


徐々に


心地好い音と共に170km/hまで上がる。

さらに踏み込み200km/hの壁に差し掛かろうとしていた。


「さすが、PORSCHE 911GT3だな、安定性は最高だな・・・。」

一人つぶやきながらハンドルを握る。


組織の車は未だ追いかけてきていたので、アクアラインは一気に離すにはうってつけだった。


向こうは4人乗っている上、車の性能もこちらのほうが上だ。

それでもベンツのあの独特の「人」マークの誇りは廃れてはいないので追いついてくる。




ついに200km/hの壁をぶち破り海ほたるを超えようとしていた。



俺は、そこで異変に気付いたのだ。


まず、組織の車はバックミラーで確認する限り1台もいない。


そして…。

ブレーキが効かない。

先程までは普通に効いていたのにも関わらずだ。

そして、アクセルを離しても減速しない。



その時、携帯の着信音が聞こえた。

すぐに、ドアポケットに入っていたそれを取り出した。


「やぁ、少年。久しぶりだな??」


「お前…。」


「5年前は五十嵐だっけ、あいつが助けてくれたみたいだが今度は終わりだな。」


「・・・」


「まぁ、スピード違反はしないようにね。その車は時速150km/hを超えるとブレーキ、効かなくなってスピードだけ上がり続けるから(笑)」


プー。プー。プー。



「そういうことか…。」


この車が組織の車だって時点で疑うべきだったな…。



もうすぐ、アクアラインも終わり、カーブに差し掛かる。

時速200km/hでカーブに差し掛かったらさすがにヤバイっというか先程からスピードはどんどんあがり、今は240km/hを指している。



俺は、最後の足掻きをすることにした。

深呼吸し、ハンドブレーキを一気に引ききった。



キーッ!!

凄まじいブレーキ音と共に車は横転しながら壁に突っ込んだ。




そこで俺の意識は途絶えた。




■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□




「終わりました。坂口さん。」


事故現場の脇を一台の車が通り過ぎてゆく。



幸い、他の車はいなかったので巻き込まれた車はいなかった。


「あのバカ息子はどうでもいいが、ファミリーの者が殺されたのは気に食わんからな…。」



壁にぶち当たり、炎上する車だったもの。

原形は既にわからなくなっている上、中の様子は掴めない。


「ですね。とりあえず奴は死にましたよ。」



「わかった。帰還せよ。」


「はい。」





いかがでしたか、車を使った殺人は証拠が残りにくいそうです。

誤字脱字、感想等ありましたらよろしくお願いします^^


※武器紹介。

・M1911

1926年からアメリカ軍で70年近く使用されていた小銃。カスタムパーツも豊富で開発されてから約100年経った今でも、ファンが多い。


※車紹介

・Ferrari F40

フェラーリが創業40周年に出したモデル。じゃじゃ馬とも言われるくらい扱いにくい車で当時の現役のF1ドライバー達が「雨の日には絶対に乗りたくない」と口をそろえて言った車。最高時速324km/h。


・PORSCHE 911GT3

ポルシェ911シリーズのGT3。最高時速312km/hだが、100km/h加速タイムは4.1秒をマークし優れた加速性能を持つ車。「フェラーリ喰らい(イーター)」と呼ばれるポルシェの底力を感じる車。

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