第三話 誰だってそうするでしょ。私がそうするもん。
ーー放課後ーー
夕暮れ。一番嬉しい時間だと思う。
なんて言ったって、学校が終わる時間だから。
これには全員賛同すると思う。もし賛同しない人が
いたら?全力で胴上げするだろう。
そんなことを思いながら、気怠くリュックに荷物を詰めていく。
「かーいとっ早く帰るよー」
「あいよ」
教室で瑠夏が声をかけ、急かしてくる。
あと何回だろうか。
この景色が見れるのは。
「快斗ー?ねえ、ねえってば!」
「はいっ!!x=2ですっ!!」
「はぁ?何言ってるの?」
「ごめん、数学で頭いっぱいだった」
「も〜」
頬を膨らませて怒る君も、この学校をでたら、
見れなくなるのだろうか。
このかぐや姫に、会えないのだろうか?
「フフっおっかしいー」
「あ、そういえば瑠夏。で、
かぐや姫ってどういうことだよ」
「え〜〜?また〜?だから、言ってるでしょ?
そのままの意味だって。」
刹那。君の目が一瞬細まったのが見えた。
そうか。そうだよな。
俺だって、そう言うな。
「はぁ~....ま、良いや。帰ろうか。」
「........うん。帰ろ。」
誰だって、君のようにするだろうな。俺もそうする。
君は、気づいてないって思ってるんだろうな。
「俺さーかぐや姫伝説、嫌いなんだよねー」
「......え?」
「だって、最後月に行っちゃうじゃん。それが嫌だ
わ」
「........そ、っか」
「うん?どうしたの?」
「な、何でも無いよ!!」
あー。確定じゃんか。嬉しそうだったし。
かぐや姫だな〜本当に。
ーー瑠夏の家ーー
初めて聞いたとき、私は嫌だった。
自分が、かぐや姫って気づいたとき。
私は嫌だった。
彼だって、そうだった。
さっき、嬉しそうに演技したの、バレてないよね?
「私、快斗のこと、信じてたのに、な.....」
少女は1人、涙を零した。
その涙は、輝く、蓬莱の玉のように、綺麗だった。




