第一話 既婚者(予定)が腹立たしいけど、可愛いです
朝。本来は憂鬱なものとして一般的には
言われている。しかし、こと俺に関しては、朝
が憂鬱じゃない数少ない内の1人だろう。
朝は気持ちが良い。
この一言だけで、何人に胸ぐらを掴まれたことか。
「〜♪」
台所からは母の鼻歌が聞こえる
ピラッ
リビングからは、父の新聞をめくる音。
そして
「快斗♡おーはよ♡」
俺の横にいる幼馴染。
いや、は?
「は???????」
「なに?」
「なにじゃねぇよ!!何でここいんだよ!!」
「だって、早く快斗の家来たら、
快斗のお父さんがすんなり入れてくれたもん」
「父さん〜泣」
「で?起きて?かぐや姫の目覚めのキスしようか?」
「あーこれ夢だ。
夢じゃん。夢だろう。夢にしたい。」
「だーめ♡」
ギリリリ
「いってぇ!?」
俺が二度寝しようとすると瑠夏が俺の脇腹を
つねってきた。男子高校生諸君。今、この流れが
羨ましい
と思っただろう?でもね、この子。許嫁いるの。
だからね、ワンチャン付き合えるとか、無いの。
残酷でしょ?
「ったく、はいはい起きますよ。
てか許嫁さんどうしたんだよ」
「あの人嫌」
「お前なぁ.....結婚するんだろ?」
「いーーーーや!だってあの人、
枝豆嫌いなんだもん!私と相性悪いもん!」
「枝豆ごときで.....」
なんでこいつはこんなに極端なのだろうか
「っていうかお前そろそろ説明しろよ」
「へ?」
「私かぐや姫って昨日の夜、お前が、言った、
せいで、俺、気になって、寝れてないんだよ!」
「そんな怒らないでよ〜」
「怒るわ!!誰だって!!」
「って言われても、だってその通りなんだもん」
「あーーーーーーー!!」(発狂)
ガチャ
母。入室。
「どうしたのー?快斗。」
「母さん!瑠夏がかぐや姫って言ってくる!」
「別に普通じゃない。かぐや姫みたいに
可愛いってことでしょー?事実じゃない。
あんたねぇ、許嫁もいるのに、自分にこんなに
良くしてくれる可愛い子他いないわよ?
瑠夏ちゃんが結婚してない今を楽しみなさい?」
「そーだそーだー」
「..............」
こうして、俺はまた考えることを、辞めた。
ーー学校ーー
ここは瀬名都高校。俺と瑠夏が通う学校だ。
教室に入り、無造作にバックを置くと、すかさず
隣の席の男が、挨拶をしてくる
「おはよ、快斗」
「おはよー陽斗」
こいつは天野 陽斗
俺の親友だ。そして、唯一のまとも枠。
「なんか疲れてるな、どうしたんだ?」
「幼馴染が、かぐや姫らしい」
「は?」
「俺もは?って言った、でも説明してくれなかった」
「だってそれ以上でもそれ以下でもないんだもん」
「うわぁ!?急に会話に参加するな!」
瑠夏が急にずいっと会話に参加してくる
「快斗。諦めよう。」
俺の親友の脳内CPUも、一瞬でバグを吐いたらしい。
「ああ。」
かく言う俺も、もう限界だった
「ひど!?」
誰のせいでこうなったと思ってるんだよ...
こうして、俺の1日は、始まった




