Story 23. 番外編：歩邑の日記
六月甲日、遠足の班決めをした。
あたし、佳奈、ひまり、薫の四人で班を作った。
同じ班になれてよかった～
心配なのはバスよいだよ。ハァ。
× × ×
六月乙日、おやつを買いにドラッグストアに行った。
ガチャポン・コーナーで薫がかわいいマスコットじーーっと見てた。
かわいいのはイヤシなんだって。
いっぱいぬいぐるみあるよって、家に誘ってみたけど。
来てくれるといいな～
うん、おやつは買いたかったのは全部買えた！
× × ×
六月丙日、遠足で動物園に行ってきた。チョー楽しかった。
思い出がいっぱいできた。薫と。佳奈やひまりとも。
いつもよりちょっと早い六時半に起床。
寝ぼうしなかった、あたしエライ？
トースト焼いて、あんずジャムで食べた。
よいどめ飲んだから、準備はカンペキ。
姉はまだ寝てるみたい。
ぎりぎりまで寝てる低血圧な早倉さんです。
早起きしたのは、バス乗るまでに、ちょっとでもショウカされるかなあって。
あたしは大丈夫！
ママ特製のサンドイッチ持って出発ー！
バスは柳Ｔオススメの三列目にすわった。
よわない席なんだって。
せんせーが調べたきっかけは、佳奈があたしのことを相談したからって教えてくれた。
佳奈は昔から、いろいろお世話してくれる。
バスでも隣にいてくれたから安心だった。
年パスの話とか見たい動物の発表とかしてたら、もう着いちゃった。
一時間くらい乗ってたはずなんだけど、よわなかったよ。
あたしスゴイ！ 超スゴイ！
動物園で最初に見たのはゾウの親子。子ゾウがお母さんにまとわりついてた。
シマウマのおしりのシマは集まってるんだよ。知ってた？
草原エリアにはカピバラなんかもいて、柳Ｔが言ってたおっきいネズミ。一番好きな動物なんだよ、きっと。
なでさせてもらった体験のウサギ、かわいかった～
定員入れて、ほんとラッキー！
白いのも茶色いのも、めちゃかわだった。
あ～、やなこと思いだした。
薫がひまりの味方した。投票で。
ふれあいコーナーでも、ひまりと楽しそうに話してた。
なんかイヤ。
あたしはコアラ派！
味方してよ。
ぷんすかぷくー！
どんどん歩いてったら、熱帯エリア入っちゃってた。
カメは意外にかわいかった。
必死にエサ食べてるのがおかしくって涙でた。
カメレオンもきれいな緑色で、コオロギ食べるとこ見ちゃった。
見れたの、すんごいレアなんだって。
通路が暗くなってからがこわかった。
あいつらマジムリ！
固まってたら、薫が助けに来てくれた。
手を引いて、出口まで連れてってくれた。
ドキドキしすぎて、よく覚えてないのはナイショ。
佳奈とひまりにはバレなかった。
手つないでたのも、は虫類ぎらいなのも。
さるさるエリアで見たのは、何サルだっけ？ 忘れちゃった。
日本エリアに入って、ムササビのとこに全力ダッシュした。
おりの中をキョロキョロさがしてたら、ひまりが解説よんでくれた。
ヤコウセイなので昼間は見れません、みたいなこと言ってた。
「夜になると光って見えるようになるのかな～？」
って言ったら、みんなに爆笑された。
なんでよ！
夜間動物園で今度は、ぜったい会うんだから！
あとでイベント情報、見とこっと。
クマさんも見て、薫の推しのタヌキも見た。
アライグマみたいでかわいかった。
そのなんとかタヌキは、日本にしか住んでないんだって。
家のまわりで見たことないけどな～
そいでね、薫が泣いてた。
すっごくうれしかったんだと思う、たぶん。
キツネとシカも見て、動物園一周しおわった。
けっこう時間がたってて、もう一周はムリだった。
残念！
広場にシートひろげてお弁当。
みんなで食べるとおいしいね～
薫がママの特製サンド、ほめまくってたよ。
ありがと、じまんのママです。
おやつ食べはじめたら佳奈が、まーた薫からかってた。ひまりも。
ムキになる薫もいけないんだぞ。
なんか、かわいいんだもん。
もってったクッキーとか、佳奈にもらったマシュマロとか、薫のチリタコスとか、ぜんぶしあわせだった～
満腹、満福ありがと～
あたしもいちごミルク、食べさせてもらったんだった。
薫に「あーん」って。
これってからかってる？
いーの！ あたしはいーの！
集合写真は、４人のポーズをＷピースにして撮ったよ。
目つぶってなきゃいいけど。
帰りのバスは寝ちゃって。
夢見た。はずかしすぎる夢。
ポツキー対決で、ちゅーしちゃったんだ。薫と。
顔近すぎて固まってたのにひまりが押すから、しちゃったの。
キャーー！ って飛び起きたよ。
心臓がばくばくなってヤバかった。鬼ヤバかった。
願望なのかな、あたしの？
となりに薫がすわってた。
佳奈がひまりとしゃべりたいって代わったんだった。
じーーっと見てくるから困った。
夢のこと話そうかと思ったけど、はずかしくてムリだった。
薫と観覧車に乗る約束したよ。
今日のあたしは、積極的すぎる？
バスでも手をつないだんだ。
ガッコ着くまで、ずっと。
ホントは、あたしも薫も寝ちゃって。あはは。
今日一日、すっごく楽しかった！
動物園遠足、サイコー！
おわり。
第二章 ナイショの動物園
ムジカク少女はネバギバ男子に妄想する おわり
