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終幕
日差しの心地よい晴れ渡る空の午前11時頃、お昼は何を食べようかなどと考えて公園のベンチにボーッと座っている。俺は捕まらなかった・・・警察が来た後咄嗟に小娘が流してくれたおかげで俺はいつもの日常に戻ることができた。何もでもない、何もない、退屈な日常。あの出来事は夢だったのかと思えてくる。思えばおかしな話だ。俺は退屈な日常を変えたくて、貧しい生活から卒業したくて誘拐という手段に出た訳だが、今になって少し変わらなかった悔しさと残っている。
「花粉症さえなければ・・」
花粉が憎い、憎くてたまらない、涙と鼻水が溢れ出すような気持ちがする。花粉症と同じだ。