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第四話

「そんな…! お礼ならこのセイト君に言ってください……。私はなにもしてませんよ……」


「俺たちはいいんだ。それよりも、あなたたちにケガはないか?」


「はい! 大丈夫です! 恐らく、全員無事に帰って来ることができました!」


 ――そうか……。それなら俺が本気を出した甲斐もあるんじゃないかな。


『まだ感動してる……』

『信じられねぇ……』

『ってか思えば、この人たちも星斗が救ったって言ってもいいわけか』

『今日一日でどんだけ伝説作るんだよ…』

『とりあえず、二人が無事で良かった!』

『ありがとう、くーちゃん、睦月星斗()』


「だーっ!!俺を本名で呼ぶな!!」


「かっこいいじゃないですか、星斗って。」


「そうですか……?」


 照れるな。こんな美人配信者さんに言われると。


『デレデレで草』

『もう付き合え』

『くるセイてぇてえ』


 バレてるじゃねぇか!まぁデレデレするよね。かわいいし。年上の人だし。


「まぁ、じゃあ今日はこれで終わるから。」


「またコラボしてくださいねー!」


「……おう。」


『ツエッターのトレンドが……』

『1位から8位まで星斗関係が独占…?』

『探索者協会も緊急声明出してるし』

『無事で良かったー!!私ともコラボしてねっ!?【¥50000 栗田アワ】』

『アワ様ともコラボ!?』

『こうして星斗は着々とハーレムへの道を歩み始めるのであった……』

『草www』


 あ、アワ様。さっき一瞬コメント来てたのはみたけど。残ってたんだ。嬉しいな。反応しておこ。


「アワ様!?コラボしますか?そのうちですけど……」


「私も忘れちゃだめだからね?」


「はーい。じゃ、落ちるぞー!」


『おつセイ』

『おつセイ』

『おつ星』

『漢字www』

『ありがとう…。【¥20000】』

『感動した!』

『【¥50000】』



 配信を切って。ふ~っと、ようやくため息をつく。正体を明かしてしまったけど、クルミさんを守るためだったし、これでいいんだ。


 探索者協会から色々聞かれると思うが。


 もうSSSランク探索者と公表してしまったから仕方ないと割り切るしかないな。


「本当に、ありがとうございました。」


「……あぁ。クルミさんが無事でほんとに良かったよ」


 まじで。本当に。守れて良かった。大御所の方だから。もしなにかあったら俺が責められてたっていうのもあるけど。


「私も、助けてくれてありがとうございました。――あ、さっきの言葉、吊り橋効果なんかじゃないですからね?確かにきっかけは助けてもらったからかもですけど、気持ちは本当なんで。」


「――うん。」


「じゃあ、またコラボする時に、会いましょう?」


「……うん。じゃあな。」


 そう言って、一旦はクルミさんと別れる。


 ………なぁ。今さ、しれっと言ってたけど、告白ってことだよなぁー!?


 ちなみに。SSSランクキャラのドロップアイテムは凄まじかった。


 なんと、体力全回復薬だとよ。






 _______





 睦月星斗、すなわち俺が引き起こしたことは、瞬く間に全世界へ広がっていき。


 ツエッターのトレンドは一日以上1位を独占。さらに上位も俺関連のタグで埋め尽くされた。


 また、探索者協会からしても今回の俺の件は衝撃的なものだったようで。


 一応、俺だって探索者の端くれ、まぁ今では端くれなんてこと言ってられなくなったが。


 今回の事情を聞かせてほしい、と探索者協会からの招集がかかったりもした。


 そして、配信サイトの登録者もバグレベルに増えて。少し前までは一万人を少し超えたくらいだったのが、今では9万人を超え、10万人に迫る勢いだ。


 また、配信中にもらったスパチャの合計金額は、史上5位の高額。一日にして、俺は大金持ちで、美女から好かれている、さらに日本トップランクの探索者であるということがバレるという、どうやらファンタジーの世界へやってきてしまったようだ。


「ふぁー!やっべぇよ、これ。」


 一晩明けて、朝。部屋でひとり、まだ今回のことが信じられていない俺はつぶやく。


 ってか、寝てる間にツエッターの通知はバグレベルに来てるし。


 本名バレしたせいで、リア友からも連絡が大量に来てるし。そんなのは別にいいんだが。どうせいつかはバレると思ってたから。顔出ししてる時点で。


 なんならファンの方にツエッターのプライベート垢バレちゃったし。――これは少しまずい?


 まぁいい。未だに信じられずに、かと言って気分転換にそこら辺のダンジョンに行くことも、本性がバレた今できるわけもなく。


 ダラダラと、リア友の連絡に返信しながら、クルミさん、トワさんとのコラボの話をしていたら、あっという間に探索者協会からの呼び出しの日を迎えたのだった…。








 __________






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