【そのきゅう】カウンタースマイル
くしゅほろ。の500文字シアター。
今日のお題は"カウンタースマイル"。
プレゼンターは"小野 妃和"です。
イメージを巡らせて、おたのしみください。
傷ついたけど、仕方がない。
でも受けとめる、わけでもない。
反射的な攻撃は絶対にダメ、そんな世の中が大正解。
はらぺこの自分を心に抑え、耐えて、抗う、すべてに合図を送ります。
でも続かないんです。気持ちは出来上がっているのに、振り返ればだれもついてきていなくて、思わずわたしが振り返ります。
「えっ、わたしが悪いんですか?」
相手の言葉を避ける手立てはなく、撃ち返せば怒られて、これを見たみんなは"あなたが弱い"と笑うそうです。
でも、悲しいことに受けとめるしかない。
いくら傷がつこうが関係なく、耐えることが正解ならば、言い返すなんて愚かな反撃。
「いや」だなんて言えませんよ。そうさせたのは、そちらだというのに。
心には数え切れないほどの思考が並べられて浮かんでいますが、いざとなったら誰も動けない。でも、それが生きる道なんだそうです。
観戦者は正しいと口を開かず、褒められもしない選択肢をずっと選んで生きていく。
相手の言葉に撃ち返さず、ただ笑って過ごすのが、生きていくための最適解だそうです。
みんなの気持ちは一緒だったみたいですよ?
大事な"カウンタースマイル"。答えどおりに動かなきゃ、物語は終わってしまいますから。
本日のシアタープレゼンターは19歳、大学生として日々を送っている"小野 妃和"。
彼女は納得のいかないことを目の前にしたとき、思わず口が開いてしまいます。
「おかしいでしょう!」「なにを考えているの」「納得できません!」と、目上目下関係なく、反抗した回数はそろそろ三桁を数えます。
しかし世の中というのはおかしいもので、真面目な話し合いをしないことが多い。
彼女のようにがつがつと意見を言ってくる者を面倒に思うと、丁寧な対応を捨てて力で潰してしまうことがほとんどです。
そして、その際いちばん厄介なのは"許されない反撃"。
いつもなら出来るはずの、通用していたはずの反抗が、今回は違う雰囲気を生み出していました。
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今回のおはなしも、お楽しみいただきました皆様へ、ほんとうにありがとうございました。
不定期更新の500文字シアターですが、次回もよろしくお願いします。
それでは、またどこかでお逢いしましょう。くしゅほろでした。