【そのなな】ひろわれたおちば。
くしゅほろ。の500文字シアター。
今日のお題は"ひろわれたおちば。"。
プレゼンターは"山城 海翔"です。
イメージを巡らせて、おたのしみください。
踏まれたものが注目されることなんてありませんよ。
ボクらはおちばで、初手がダメならおしまい。
あとはしゃりっと、踏まれておしまい。
最初が大事とはよく言うけれど"どれを出すか"は、よりだいじです。
どう出すか、誰に見てもらおうか。
惹けなきゃダメ、被ってもダメで、溢れていた自信も数秒経てば知らぬだれかにつぶされる。
目を離したらあっという間。色が変わって、はら、はらり。
気づけば"おちば"になりました。さぁ、キミの瞳は探せます?
落ち葉となったものは存在価値を踏みつぶされたままで、二度と戻ってくる気配すら感じられません。
話題に上ることも、気遣われることもなく、これから先も屍のようです。
でも世界というのは不思議なもので、都合よく忘れていたか、思い出したか
数年経ったある日のある時、自分で否定したはずの葉っぱとほとんど同じ色の葉っぱを、にこにこ顔で受け入れているんです。
なっとく、出来ますか?
落ちたものが注目されることなんてありません。
でも未来で似たものが拾われるのだから、より大事なのは中身じゃなく、タイミング。
ひとはそこを見極めて、己を売ることに心身を注ぐ。
"内容"はそこから、です。
…なっとく、できますか?
本日のシアタープレゼンターは26歳。かつて自分だけの夢を追いかけていた山城 海翔。
彼はあるオーディションに参加した際、自分の人としての存在もろとも否定され落とされたあと、まったく同じ審査員によって自分とうりふたつの人間が合格をもらっているのを目にします。
一瞬疑問が浮かびましたが、それまで。
彼の頭の中には審査員に対する怒りよりも、同じものをなぜ同じように扱わないのか。に気持ちが向かっていきます。
売れるためには才能も、能力も、発想ももちろん大切だと思いますが、最後に問われるものは、と言うと…?
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今回のおはなしも、お楽しみいただきました皆様へ、ほんとうにありがとうございました。
不定期更新の500文字シアターですが、次回もよろしくお願いします。
それでは、またどこかでお逢いしましょう。くしゅほろでした。