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"くしゅほろ。の 500文字シアター"  作者: くしゅほろ。
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【そのご】えんぴつけずり

くしゅほろ。の500文字シアター。

今日のお題は"えんぴつけずり"。

プレゼンターは"萩野(はぎの) 花音(かのん)"です。


イメージを巡らせて、おたのしみください。

 私の鉛筆削りはもう何年も使っている。

 使いすぎてもう見たくもないくらいぼろぼろだ。


 乱暴に扱ったわけでもないのに

 ただただ使っているだけなのに

 どうして他人と比べて出来る傷が多く、初めて出会った時の綺麗さが見えないのだろう?


 小学校では運動会の実行委員としてあらゆる情報を管理してきた。

 中学校では新入部員への指導を顧問や先輩に代わり担当した。

 高校では仮病で休んだ同級生の代わりに学園祭を指揮し続けた。

 大学では歳上の先輩が抱えていたサークルの雑用を一身に背負ってきた。

 そして社会人になっても、毎月訪れる打ち上げの幹事を任された。


 つらい。そう思う度に、私の鉛筆削りは何度も何度もその身を削って奮いたたせてきた。

 時折他人に使い方がおかしいと指摘されてきたが、その方法が正しいかどうかなんて今更問題ではない。



 私の鉛筆削りはもう何年も使われている。あまりに使われすぎて、所持している私でさえ使うことをためらってしまうくらいだ。

 世の中に生きる人の悩みがどれだけのものかを深く考えずに助け続けた私は、一体なにがしたかったのだろう?


 どうやらこのえんぴつけずりは、所持する人間が真面目なほど傷がつきやすいように出来ているらしい。

 本日のシアターは24歳、現在はデザイナーとして活動し、日々を過ごしている"萩野(はぎの) 花音(かのん)"。


 彼女は学生時代、学級委員や文化祭実行委員など、物事を決めたり人をまとめたりする役割を担っていましたが

 その一方で疲れがたまっていることも否定できませんでした。

 

 常に大事なポジションを任され、嫌がることなくすべてこなしてきた彼女は、他人からさぞ頼られたことでしょう。

 しかし、彼女の心は大きな壁を乗り越える度、少しずつすり減っていくのを実感していました。


♢♢♢ ♢♢♢ ♢♢♢


 今回のおはなしも、お楽しみいただきました皆様へ、ほんとうにありがとうございました。

 不定期更新の500文字シアターですが、次回もよろしくお願いします。

 それでは、またどこかでお逢いしましょう。くしゅほろでした。

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