抱き締めるなら君が良い
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
どんなに肌触りが良くても、モチモチでも、君を抱き締めたい。
大型連休明け、続いてのデートスポットは水族館だった。光と音で魅せる水の中、イルカショーを堪能した後、土産物コーナーでの出来事。
連休明けと言っても、それなりに人が居て、比較的込み合っていた。はぐれない様に女の手首を掴み、寄り添う様にして前に進む。思いばかりが先行して、相手を放らない様に、出来うる限り密着する。人の目を奪うのは大量のぬいぐるみ。イルカから、チンアナゴ、鮫に至るまで何でも御座れ。やはり定番なのだろうか?
そんなファンシーな海洋生物塗れの空間の中、女は俺の袖を引っ張って、歩みを止めた。
「どうした? 何か欲しいものでもあったのか?」
「んー……。うーん……。んー……」
視線の先にはクラゲのクッション。正方形の厚みのある生地にの真上、花の様な模様が一つ。水族館内で割とよく見る種類だった。他にもクラゲのクッションはある。けれども其れには目もくれず、黙ってそのクラゲと対峙していた。
真剣な表情を見る限り、欲しいとは思ってそうな。けれども手を伸ばさない処から、レジには連れ込みたくなさそうな。どう……したいのだろう。
「欲しいとは……思う。……でもクッションの使い方ってイマイチ良く分からない。だから買っても無駄になりそう」
「抱けば良いんじゃないか?」
そもそもクッションとは言え、扱い的にはぬいぐるみと称して障りない。胸に抱えて、不安な夜を共にするのが扱い方では無かろうか……。
ふと、女がこのクラゲを抱き締めて眠る姿を想像した。形が変わる程に腕を巻き付けて、幸せそうに眠りに着く様を。きっと胎児の様に丸まって、このクラゲの様に小さくなるのだろう。想像しなくても分かっていた事だが、やはり可愛い。
買ってやろうと思った矢先、女はそっとクラゲを持ち上げた。触り心地を確かめる様に軽く一撫で。しかしまた商品棚に戻すと、じっと此方を見詰めてくる。
「抱き締めるのは君で十分だよ。そうなるとやっぱり座布団……? うーん……」
結局その後も数分間悩んだ後、またそのクラゲを手に取る事は無かった。ただ俺を選んだ様に腕に巻き付くと、満足そうな顔で背を向ける。
「また来た時まで考えておくね。考えたら、私が抱き締めた後に君に渡せば……。うーん……。まぁいいや」
「また悩むの、付き合ってやる」
次来ても、きっと同じ様に悩むのだろう。そしたらまた隣で寄り添って、静かに見守ってやろう。
クッションの扱いに困る人生でした。
ゲームやる時に膝上に乗せて使えば良いんですかね?
いっつも部屋の片隅で埃被せてしまうので、良い方法があるならば教えて戴きたい本日です。
肌触り最高です。モチモチです。抱き締めるのに最適です。
でももっと身近に抱き締めたいものがあるから悩んでます。
彼女的には一種の浮気認定なのではないかと。
抱き締めた姿は可愛いですよ。(作者公認)
正方形が長方形になって、くびれさせて眠りそうです。