表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第三幕 騎士団
93/411

第四話 予定


「そーいやあ、鍛錬場の場所〜知ってる?」


悪戯っぽい顔でカナンが聞いてきた。


「南門の広場は見たけど」


セリは答えながらカナンの表情を見たが、そこではないようだ。

医療棟の周囲は広いものの、兵士が鍛錬していたのを見た事はない。


以前ロードが、氷柱を作ったのは中庭だ。


「どこ?」

思いつかなかった。


「ふふふーん、行ってみる?」

誘いがあったので、頷く前にロードを見ると


「行きたいならいいぞ。ただ、面白いものなんてないぞ?」

「場所が珍しいだろ。」


結局どこだか教えてもらわず、

「行ってからのお楽しみな!許可とっとくからっ」


カナンの話から

鍛錬場に行ってみる予定が入った。


「あんなトコ連れてくの?」

シュルトの声は、非難より心配の様子に思えた。


「兵士達が使ってない時に行くって!」

実際の部隊員を見る機会があってもいいかも知れない。


食堂での雰囲気しか見ていないだろうし、

敵対視された下っ端兵士のイメージのままでいて欲しくない。


どうも、この城内でセリへの疑念の目に晒される。

払拭するには、知るのが一番だが。


(攻撃的なのは、ロードへの刺激が怖いのよねえ。)


慎重にいくべきか、ショック療法か。

獣人の性格的に、ぶつかってのが分かりが良いと思うけど。


「マア?トラブルにならなければ良いんじゃナイ?」

不穏を招きそうな言い方だが、基本セリの行動を止めない方針だ。


「それより、料理は何から取り掛かろうカシラ?」


食事の手配をしていてくれるから、シュルトの担当に自然となった。


「小さい魔物は捌ける。スープと肉は焼ける。」


野外での食事には十分な食事になる。

「今度作ってくれないか?」

ロードが番の手料理を望んだが、味を犠牲にしている。


「基本はできてるのヨネ?刃物の扱いに、切って煮るができる、と。」


「種類がない。焼くだけ煮るだけ。」

味付けは塩と自然の味。レパートリーはないに等しい。


まあ野営にはよく見る食事だ。セリの年齢では充分な技能だ。

セリの環境では調味料もないが、レシピを知らない。


「ソウネ、味の整え方とか調味料を知ることから始めましょうか?」


食事の材料を知ることから始めることにした。


「調合の練習にもなるぞ。」

ロードの実のある助言をした。

素材を粉末にしたり、混ぜるのが基本らしい。


「やれる?」

「やってみまショ。道具も用意するワ。」


「付与魔法は、グスタフの手が空いているときで良い?」

コクリと頷き返すグスタフに、


「お願いします」と丁寧に頭を下げた。


ぐしぐしっとカナンに頭を撫でられ、

ロードが威嚇してぎゅうっ抱きしめられるまでが、ひとセット。


そんな戯れにも慣れ、美味しい紅茶とナッツをカリカリ。

ロードの手から食べさせてられるのにまだ疑問なものの。


平穏な時間。



「他にやりたい事はあるか?」


ロードは聞いてくるが、あれもこれもでは大変だ。

考えた結果、セリは…


医療棟に行きたいと言ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=127584147&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ