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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第二幕 城外
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番外 波及

第2幕ラストです

「帰還したのか。」


そう呟いたのは、

“贅肉”と陰で言われるくらいに、声太った男。

(これで騎士とは。)


そう思っても自分より上位の高官だ。言われた通り報告に来た猫獣人の男だった。


“件の人物達が、極北の城に戻った”

それだけだが、上下関係は無視できない。面倒だな

思っても態度には出ない。


「チッ。おとなしくしてればイイのに。」

タプタプの顎肉を触っている。この男の癖だ。


犬獣人の筈だが、肥え太ってその俊敏性はない。

この訓練施設に来たのは、問題アリと見られているためか。


出世に固執しているせいか。

今回、王族の一員が来ている。


(戦えない者は、守られる側にいるべきだと思うのだが。)


王族というが、こんな辺境まで来て、ここでの規律を乱す者を疎ましく思う者は多い。


降格したこの男にも敬意はない。


「このっわしを!」

飲み散らかした酒瓶が転がる。


「クソっあの子供だ。竜人などただの図体でかい、引き篭りだ。

隊の指揮も下がる。」


(指揮を下げているのはあんたの行動だと思うがな)


司令としてもやっかいな騎士団の重い荷物だと言われているのを知らないのは本人だけだ。褒められるのは、事務処理能力か?


「そんな事より私の権威が!とり入って、功を上げれば

こんなところまで来なくて良くなるだろう。」


(酔っているな。)


「いつまでいる?さっさと出てけ!」


退室の許可がなければないで、煩い贅肉に形式的に礼をして出て行った。


ここの奴らは政治権力に興味がないというバカしかいない。

「脳筋ばっかだな」


猫獣人らしく軽やかに、仕事に戻って行った。



ーーー食堂にて


「帰ってきたって。」

そう伝えてきたのは熊獣人の男、ベンゼル。


食堂で同席する2人の同期にだった。

「そうか。怪我はないか?」


小柄な犬獣人、ビクトールが衛生士らしい心配をする


素直じゃない騎士、アレクセイ。

「あの面々で、怪我など。転けたなら別だがな。」


3人が話しているのは、セリ。

以前、関わりのあった人族の幼い子供。

彼らは心配だったが、周囲は興味本意で騒めく


「人族のガキ?」

「竜人の番だっていう」


「帰ってきたんだってな。」

「別にそのままいなくなってもいいのにな」


竜人を見る機会も少ない。


それに番。

昨今、番のカップルは少ない。


その理想より、トラブルのが目に余る事件が多いことから

疎まれている。


それが妬みだという話もあるが。

番とは獣人の唯一の相手だ。


その求めは、何物にも変えられないと言う。

番を得て、破滅する者もいる中でも、求めてしまう。


憧れなのか。呪いなのか。


俺たちの世代では、番を求めないと言う者が多い。


“人族が相手なんて”

こに極北の城では、人族相手の砦と敵対関係にある。


その関係もあって、問題視するものが大半だ。

竜人への畏怖や不信も相まって、


皆、混乱している。


求めるのは強者と言ったところか。

獣人の求めるものなど、シンプルで良いのだ。


その力を見る機会が、早々に起こるのを知る由もない

獣人の兵士たちだった。

今後しばらく、第一幕を掲載します。

前後してしまい混乱させてしまうかもすれませんが

しばらくお付き合い願います。


ストーリー自体は、カクヨム様で進行中です。

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