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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第二幕 城外
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飲み会

「寝ちゃったカシラ?」

「眠気に食い気が負けたな。」


シュルトとカナンが言っているのはセリの事だ。

長湯になって疲れが余計に出たかもしれないと心配顔だった。


ロードに寝室へ抱っこされていたセリは、水分補給はしたものの

夕食を食べる気力は尽きてしまったらしい。


「起きたら食べるでしょ?」キースはもう気にしていない。

全員同意見で、ゆっくり寝かせておくことにした。


ロードを引っ張り剥がして、酒と食事を並べて食べる。

従者も配膳係もなく、まったりと食事が進む。


集中できるのも煩わしいのが突撃してくる事もない。

「僕ここに住もうかな?」


キースが冗談っぽく言うが多分、本気で考えている。

そうなると護衛もいる訳で…


「オレも?」カナンが強制的に近くの部屋にいることになる。

今、護衛は1人任命されているだけだから当然そうなる。


「私は帰るわよ?」

シュルトは自分の部屋に帰る宣言をした。他の仕事もあるのだろう。


「食事持って来てくれるでしょ。グスタフもここで食べたら?」


気軽に誘っているキースだが、部屋の主はロードだ。

しかし、グスタフは熟考している。


「俺とセリの部屋なんだがな?」

拒否はしないが、部屋の主だとロードは主張した。強く否定しないのには理由がある。


「セリなら喜ぶんじゃない?」

キースの言う通り

人が多い方が喜ぶ傾向にあるみたいだ。


そこに男女感のあれこれは感じない。

人恋しいような印象だ。


(俺で満たされてくれれば良いんだが。)


「え、本気?」

この部屋に住む、決定で終わってることに気づき声を上げる。

カナンだけ決定権がないと言うか、拒否ができない。


騎士の立ち位置は大変だ。

議長に訴えたところで、翻りはしないだろう。


議長とキースは協力関係にあり、正しくロードの性格を捉えている。


番至上主義

セリの慎重な性格に合わせて、

激昂したり、力で押さえることは控えている。


なんとなく、怖がられるラインを見極めつつあるロード。


最近はべったりくっついてくれる

安全で守ってくれる相手と思って扱いになったと感じる


近づいた距離は嬉しいが、まだ男女の意識はないか?

そこは成長を待つしかない。


「酒も飲めねーもんな。」まだ子供。

「飲ませないのヨ?」


お願いされたら断れない様子につい口が出るシュルト。肴


「保ってる方じゃない?襲うって聞くけど。」


「男は狼なのよ〜」

「狼獣人が言うのって自虐ネタね。」


ぐいぐい飲んでいるカナンに、肴を出すシュルト。

グスタフもそれに手をつけ、黙々と飲んでいる。


ぽつりと話して、やけ酒とからみ酒を発揮するカナン

それに巻き込まれているロード。


酔わない男が3人

その様子を見ながら、つまみを足しているシュルト。

こうしないと、飲み過ぎになるのは承知している。



仕事終え、腹も膨れた。

英気を養う酒を飲みながら、時間を過ごす。



結局、全員。お試しに泊まって行くことになったのだった。


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