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捕虜少女の行く先は、番(つがい)の腕の中?  作者: BBやっこ
第二幕 城外
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教育

“ここで暮らすにあたってやることはあるか?”

議長に聞いた際、セリに要請されたのは


”勉強をして欲しい“だった。


「内容は自由だ」と言われたのでセリが決めたのは、薬草学と魔導具の事。魔術や魔力、この地域の薬草の事なら役に立ちそうという理由で。


グスタフが講義する時に参加しても良いと許可をもらった。


「他は本を読む」

日々の習慣は変わらない。以前から通っていた図書館に加え、

読める本が増えた分が変化か。


そこで子供向けと勧められた、変な本が手元にある。

魔導書を借りに行った新しい部屋にて『部屋に持ち帰る用の本』とあった数冊を勧められて部屋に戻った。


何を勧められたのか?


開いたら「ラ・ラ・ラ〜!」本が歌いだしたので、閉じた。

次は?『喋り倒す本』と表紙にあったので、開くのを止めた。


もう一冊、綺麗な花の絵表紙の本を開くと、綺麗な声のハミングが聞こえる。


(なんだこれ?)

いきなり音が聞こえたのに警戒しながら、最後の一冊の辞典みたいな分厚い本を開き読むと、普通のお話?


冒頭で興味がなくなったので閉じようにも、なぜか見つめている自分。

「視線が外せない」


困っていると、ロードが閉じてくれた。

『開いた人が、閉じられない本』らしい。


「なんで?」そんな本があるんだろう。

「勉強しない子ども用だ」


図書館に居た管理の人は、大人用の本棚に来た子供だったから、丁度来た子供に良いと思った選書を勧めたのだろう。親に勧めても借りていかない本。不人気だったのか?


正直、セリには余計なお世話だった。

「もっと嫌いになりそう。」セリは正直な感想を言った。


ハミングの本は、景色の絵があって素敵だけど。他は煩い。


紙の素材が良く、色もついていて凄く綺麗な本だ。

城が立ち上がるポップアップ。


「城壁がないから攻めやすそう」


「それ、子どもの感想じゃないよ?」

「・・湖で泳げそうだね。」


カナンの指摘に感想を変えたけど、誤魔化せるのかな?


手元にペンと書き取りにとくれた紙を用意する。とても書きやすい。

だいたいの字は読めるし、書き取りして風景描写を覚えよう。


(雪に、棒で書いて字を覚えてたんだよねー。)

この環境が凄い。シュルトのおやつ付きである。カナンは暇そうにセリの借りた本を読んでいる。


(字が読めて読書する大人が多いんだな。)


「綺麗な字だな!」

ロードに褒められつつ、わたしの疑問に答えてくれたり他の国の話をしてくれた。旅して国を跨ぐ事が多かったらしい。


寝る前には、ロードの訪れた旅の風景を話してくれるのが恒例になった。わたしが眠るまで話してくれると、夢見が良くて楽しい。



文化の知識も増やした。ロードだと聞けない話をカナンとの会話で補う。

疑問に思ったことを、シュルトに聞く方式だ。


(常識って、場所で変わるんだなあ。)



他に武術にも興味があったけど

セリが獣人と戦うには体が出来ていないのでやめておいた。


怪我してロードが荒ぶるのが心配だ。

もう少し雪が減ったら、カナンに相手を頼もうかな。


文字や調合の初歩は習ったことがあったので、

後は本の知識や人と話す。


「基本はできている」グスタフさんからの認定で

薬学の本を借りて読むことに。


作ったことのない《《おまじない》》を思い出したので、紙に書いて伝えておいた。


「そうか。試しに作ってみるか?」

と言ってもらったので、予定を合わせることにする。


この件にキース様も参加したいそうで、予定が決まり次第グスタフさんの研究室で会うことになるだろう。


その時は、お茶会もするらしいのでお菓子が楽しみなセリだった。

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