(鑑定士?)キース
3人目
熱い紅茶を飲みながら、ひと息つく。
ここに来る上で、“面倒な事から避けられない環境”だとは理解していた。
雪に閉ざされた、『極北の城』だからね。薬学に拠点にもなるから興味はあったんだけど。
逃げ場がないと魔法をぶっ放して鬱陶しい輩を排除しそう?
冗談だよ。…ちょっとはね。
今回は研究者のグスタフが来ている年だから、ちょうど良かった。
話をする時間は作れそうだね?
まあ?面会やら会議に出てほしいとか、仕事が入ってくるからストレスだよね。
特に僕が要るような事ってないじゃない?箔付けってとこでしょ。
まあ、最悪転移っていう手段があるんだけど。王都に戻ると余計に時間がかかる羽目になるから、使えないよね。ここで引き篭もってる方がマシ。
ここで御役目をしてますって過ごすのが、休暇に丁度良いよ。
あまりにも鬱陶しいのはどうしてくれようか?
とりあえず、森で何か取ってきて?って頼めば、目の前から消えてくれるかなあ。
まあ、今回の目的は『竜人が来るから常駐しててよ』ってもの。
あの竜人、ロードなら面識があるけど。喧嘩を売り買いするタイプじゃないし、そつなく過ごすんじゃないかと思ってた。
裏切られたね。
良い意味でさ!
まさかここで番を見つけるなんて。
自分で持ち帰ってきたんだよ?大型魔獣を倒しに行って、自分の番を捕まえるってすごい確率。
そもそも、どこの子?
まあ面白そうだから、後で知れれば良いや。
議会ではお偉方が煩かったけど、別にほっといて大丈夫でしょ?どんな性格かの把握は必要だけど。
面白そうだよ?
あの子。セリだっけ、名前。
鑑定士として接触。鑑定して、魔力量は12歳にしては多い。環境?貴族の庶子とか。
探らせておいた方が良いかな。手紙を送ってある。
ただの子どもじゃない。竜人の番だ。固めておいた方が良い。
余計な労力使いたくないもの。そもそも、竜人の相手なんて不毛だよ。
魔法も使えるしあのバカみたいな力技。めんどくさい。
運命神の加護は初めてだねー。おまじないなんて文化聞いた事ないから、
確実にうちの国の子じゃないと思うけど。
そこら辺やっぱ子どもだから脇が甘いかな?
態と、とか。
政権とかの囲い込みはないけど
ロードの番という点で、今は均衡を保てる。
今のうちに囲い込もうとは思う。僕は既に会っているし、おまじないの件で関わりがある。
あの子が望みものを揃えられるかな。ロードへの対応は、セリを優先させる方が丸くおさまるでしょ?
グスタフに、シュルトも巻き込んで。
狼獣人はどうするかなあ。
結構“忠犬”な気がするけど。
誰の手駒だっけ?
気配に気付いて尋ねた。
「へえ、だれか近づいた?」
竜の宝に近づいたのかあ。
均衡が崩れる動きがあったみたいだ。
アルファポリス様で『腕の中の捕虜は、幼い番。【R18】』にて、ロードの心情は書き切った感があるので、ここでオンリーは終了です。次からは、本編をお楽しみください。カクヨム様で先行投稿中です。




